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冬の三者面談

 先週、僕の中学の息子の三者面談が先日行われました。
 担任の先生と面談したのは、授業参観を含めると3回目になりますが、話をしてみて、改めて信頼して任せられる担任の先生に恵まれたことの喜びを感じました。

 子供は多くの情報に囲まれて、昔に比べるとはるかに多くの物事を、受動的に見知ってはいるものの、それでも学校の先生が果たす役割は、小さくないと思います。
 この先生、出身大学は社会科学系の学部のようですが、思うところがあって教職を志したようであり、教育への熱意と子どもたち一人ひとりへの真摯な向き合い方に、心から感謝の気持ちを抱いています。

 ご多分に漏れず、最近では、教員という職業の人気が低下しているという話を耳にしますし、それは応募倍率にも如実にあらわれています。

 確かに、現代の教育現場は厳しい状況に直面している部分もあります。保護者からの過度な要求や、教育以外の業務の増加、社会の複雑化による生徒指導の困難さなど、職場環境の改善を求める声はありながらも、結局、下り坂の日本社会が多くのものを子どもに求め、学校にも要求しているので、少しぐらいの事務負担軽減ではどうなるわけでもなく、教員が直面する課題は年々増えているように思います。

 しかし、その一方で、教員という職業には、子どもたちの未来を育むという大きなやりがいが間違いなくあるはずで、それは昨年度までの娘の担任の先生が体現し、卒業式での生徒と先生の涙の時間は、それは忘れられない時間になったと、娘は今でも言っています。

 とはいえ、世間では悪い面が過度に増幅され、教員という職業に対するネガティブなイメージが広がっているようにも思います。

 ただ、そうしたイメージを打開するために、不都合な部分を隠して魅力をPRしたところで、見透かされるだけなので、現実をきちんと伝えて、そこにやりがいを見出してくれる人を増やしていくしかないのだと思います。
まあ、役所もアリバイ作りをしないと、議会やマスコミから叩かれるというのもわかりますが。

 また、これは教職に限らず、全体の風潮として、今の若い人は、自分の価値を高め続けるために、すべてをステップアップの手段とみなすか、静かなる退職でコスパ重視でいくか、とにかくこの先の保障がない、不透明な時代なので、今の価値を高めることに重きが置かざるを得ない状況にあり、「この仕事を通じて何を達成したいのか」「どんな自分でありたいのか」といった本質的な問いかけをする余裕がないようにも思います。

 社会が示す成功の基準に無意識のうちに追従し、その基準に合わない職業が見下されるような風潮が、むしろ長期的視点での、職業選択を歪めているようにさえ感じています。

 子どもたちの未来を支える先生方には、どうかこれからも誇りを持って教育に取り組んでほしいと心から思います。そして、僕自身も親として、子どもたちに社会の多様な価値観を伝え、彼らが自分なりの道を見つけられるようなサポートをしていきたいです。

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