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問題集の解答を読んでいる感覚
僕はこのところ、自分にとって都合の良い本のタイトルを手に取り、読み進めていました。そこに、自己を正当化するような言説があれば、少しは気持ちが楽になるのではないかと考えたからです。
でも、途中で、この本を読むのをやめてしまいました。
本は、自分の知らない世界を巨人の肩の上から見通すことができる道具であり、小説や物語であれば感情移入により本の世界に立ち入り体験することができるところに、価値があると思っています。
もちろん、読んでいた本も、本である以上は、知らない世界を知ることはできるわけですが、ある意味、僕の求めている都合の良い答えか、都合の悪い答えの、どちらかしか書かれていない、問題集の解答を読んでいるような、つまらない気分になってきました。
結局、僕の現状を補強するなんてことは、実につまらないことであり、自分の自信のなさであり、自信のなさは無理やり奥にしまい込むことはないけれど、現状にしがみつく姿は、未来に道を拓く姿ではありません。
もちろん、僕の年齢を考えると、手持ちの駒で勝負することが大事であり、目先の安定を求める気持ちもあります。しかし、それだけで自分の道が開けるようなことはなく、既存の成功例や、過去に誰かが示した「安心できる道筋」をたどるだけでは、自分が本当に望む未来にはたどり着けないと思います。
僕が求めているのは、ありきたりな答えや誰かが既に通った道ではなく、僕自身が手探りで見つける、新しい道です。僕の手持ちの駒、つまり過去の経験や知識には限りがあり、そのどれもが絶対の正解ではありません。
それでも、それらをどう組み合わせていくかは僕次第です。そこに、自分だけのやり方や価値を見出せれば、少しずつでも自分の道が形作られていくのではないかと感じています。
道なき道を進むのは孤独で、不安や迷いがつきまといます。僕がこの先どうなるかはわかりませんし、成功する保証なんてものもありません。それでも、たとえ失敗したとしても、それは僕自身が選んで挑んだ結果です。
もちろん、年齢もあるので、今から大きくコケて再起不能になるようなことは避けなければなりませんが、一時の失敗を受容し、今の持ち物をそこで一通り「捨てる」ぐらいの覚悟は、必要な気がします。水に落ちずに最後まで渡り切ることは、やはり虫がよすぎるでしょう。
本は知識や視野を広げてくれますし、時には心の支えになることもありますが、最終的には僕自身が「自分の物語」を作り上げていく必要があります。どんなに都合の良い本を探したところで、僕の人生をそのまま代弁してくれるわけではありませんし、ましてや都合の悪い現実を変えてくれるわけでもありません。
この本から得た知識自体は、あまりないわけですが、日和ることの虚しさを感じる、「気づき」という点では、得るものがあったと思います。解答集を斜め読みして、何か初めて見るような用語に出会ったのに似ています。