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「お前もか」という感覚

 今の若い人は、簡単に会社を辞めてしまうものですね。

 また、その辞め方も、仕事がどうしても合わなくて、人間関係でトラブルを抱えてしまって、親の介護などの家族の関係で、といった、これは残念だけど仕方ないよな、といった理由ではなくて、とにかく辞めたい、そこに追い詰められたような事情はない、というケースが多いです。

 もちろん、真の事情を言わずに職場を去る人も少なくないのかもしれませんが、少しは取っ掛かりや思い当たる節があっても良いはずで、過去に遡っても、そうした兆候は思い起こせないのです。

 結局、入るときのハードルが下がっているので、自分の中にありがたみ、のようなものがなく、簡単に捨てられるのでしょうね。

 長年組織に属し、尽くして、勤め上げて、そこから年金生活に入る、といったビジネスモデルはかなり怪しくなており、少なくとも同じ組織にいることのメリットは、だいぶ薄れていると感じます。

 特に、うちの会社などは、国内に軸足を置き、特定の地域をマーケットにしたサービスを提供しており、業界内の人材の流動も小さく、他業種へのつぶしも効かないと思います。
 
 組織としての経営基盤は、メインのマーケットである地域が、災害や地政学的リスクにより影響を受けない限りにおいては、安定していますが、中にいる個人のスキル汎用性の面は低く、どうしても組織の安定に依存してしまう面が強いです。

 将来の外的リスク要因は高まってますし、個人が力を持つ時代に入り、組織に依存している先輩たちを見て、漠然とした不安を抱いていると思いますし、これに、入るときのハードルが下がっていることも相まって、人材流出が続いているのでしょう。

 戦力と見込んだ若手が退職し、新兵を急ぎかき集めて訓練している傍らで、メンタルでの休職や、育児によるビルトインされた戦線離脱も多く、相どこの組織も人繰りが厳しく、満身創痍ですね。

 僕自身が、今の組織に残ることは、自分にとっては部分最適な選択でも、後進にとって良いのか、組織に残っても通用する、そうした姿を見せないと、勇気を持った行動をしないと、この流出は止まらないのではないか、
他人の人生の選択なので仕方ないこととはいえ、人材流出の深刻さに、思いを致さずにおれない一日でした。
 

 

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