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安売りしない

 週末は、転職エージェントとのオンライン面談がありました。

 ある程度分かってはいたことですが、今の僕のスキルは、どこか別なところに持って行っても、即座に機能を発揮するわけではなく、言ってみれば、汎用性が高くないため、エージェントにとっては、取り扱いにくい商品なのだと思います。

 エージェントの方は、経歴を見る限り、ある業界では経験豊かな方のようではありましたが、僕とはまったく別な世界に生きてきた人であるため、僕の使い方は、見た目からテンプレの評価しかできないようであり、相手方の企業との間で翻訳者としての役割は、期待できそうにありません。

 当然ながら、僕の商品の価値が良くわからない以上、兵隊としての、体力気力知力といった一般的なスペックに、年齢や学歴といった要素を加味した、最低限の評価にならざるを得ないわけで、そうなると値札はかなり低めにつけられ、売りに出されることになります。

 あと、僕自身が勘違いをしていて、このエージェントの送ってきた、キャリアシートとかプロフィールシートを、職務経歴書や履歴書の代わりになるものと思い込み、本物の?職務経歴書や履歴書を用意していなかったことも、失敗ですね。そんな奴いるのかと思われるでしょうが、実際、まともに転職活動をしたことがないと、その程度です。

 先方も、それほど商品価値はないと感じており、僕も最低限の評価しかされないと理解し、何となくお互いに、これ以上時間を費やすのは、意味がないという雰囲気になり、早めに切り上げて終わりました。

 ただ、今回の面談で得た教訓もあります。自分のスキルや価値を適切に伝えることの難しさです。どれだけ経験を重ねても、外部から見たときにそれが「わかりやすい」形で提示されなければ、評価にはつながりません。

 特に僕のように、専門性が尖っていてその適用範囲が狭い場合、伝え方を誤ると評価軸そのものが相手と噛み合わなくなります。今回も、自分自身の物語や価値をもっと掴みやすい形で整理できていれば、違う展開になったのかもしれません。

 とはいえ、下手に自分を安売りしても結果的に損をするだけです。雑兵扱いされて、体力や気力に頼るだけの現場に放り込まれるのは、僕が目指している道ではありません。むしろ、そうした状況に無理に適応しようとするよりも、自分の得意分野を生かしてオンリーワンの価値を発揮できる場を探すほうが、長い目で見て正しい選択だと思いました。

 結局のところ、今回の面談を経て改めて決意したのは、僕自身の物語をもっと磨き上げることです。物語とは、自分がどんな価値を社会に提供できるのか、そのユニークなストーリーを紡ぎ出すという意味です。

 それはただ単にキャリアの羅列ではなく、僕が歩んできた道を通して、他者に共感や感銘を与えるようなストーリーであるべきだと感じています。どんな分野であれ、強く共鳴する物語を持つ人は、同じ波長の人々を引き寄せるものです。

 そのため、今後は安易な妥協をせず、僕の物語に共感してくれる人々や組織との縁を見つける「旅」に出る覚悟を新たにしました。これは時間がかかるかもしれませんし、時には茨の道かもしれません。それでも、自分の価値を正しく理解し、信じてくれる人々と出会うためには避けて通れない過程だと思っています。

 最終的に、自分の物語がどのように評価されるかは他者次第かもしれませんが、まずは僕自身がその価値を信じ、語り続けることが重要です。その信念こそが、組織の中で生きるにせよ、組織の外に出るにせよ、僕の「旅」を支える原動力になるのでしょう。


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