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人事ガチャの秘密

 怒涛の3月が終わり、今日から新年度、4月になります。

 3月はとにかく、いろんなことがあり、1ヵ月前を振り返ると、ずいぶん遠く、かすんで見えますね。

 正直言って、異動するとは思っていなかったので、リレーを3周するつもりで、全力で走っていたところ、2周目が終わろうかというところで、いきなり目の前にテープが張られてゴールさせられた、そんな気分です。
 
 とにかく、今日からは新しい仲間と一緒に仕事することになり、中には新入社員もいます。幸いにして、今度のところでは、いきなり全力疾走とかいうことはないようですので、落ち着いた環境の中で、スタートできそうです。
 しばらくは前の職場の伴走支援も必須であり、4月中は、ある程度、前任としてかかわりながら、徐々に引き継いでいきたいと思っています。

 最近、自分の人事異動を契機として、「人事ガチャの秘密」という本を読みました。

 読みやすくて、2時間ぐらいで読み終えてしまいました。

 中でも、ハイパフォーマー、ローパフォーマー、ミドルパフォーマーに分類したくだりを、興味深く読ませてもらいました。

 ハイパフォーマーは、言ってみればエース級の社員であり、この社員をどの年次で、どこに置くかで、組織のアウトプットにも大きな影響を与えることになります。部門間で奪い合いになり、抱えた部門は異動をブロックしようとしますが、こうした人材は、将来的に役員とすることも見据えた、幅広い業務経験を積ませることも必要なため、人事は部門の残留要望を無視して、全然違うポジションに動かすこともあります。

 ローパフォーマーは、仕事ぶりに難ありで、能力はあっても、何らかの事情でモチベーションが低く、ハードルのギリギリを飛び越えることしか考えていなかったり、学校の勉強はできたから入れてみたけど、頭でっかちで周囲とのコミュニケーションもできない、といった社員で、しばらくすると評判が知れ渡るので、逆に部門間で押し付け合いになります。

 面白いのが(本人にとっては面白くないでしょうが)、一番割を食うのがミドルパフォーマーで、ハイとローは、違う意味で人事が異動に配慮する必要があるのですが、ミドルの場合、どこに置いても「そこそこの」パフォーマンスを出せるので、人事異動の調整弁のようになってしまい、結果的に、あちこちと脈絡のない異動をさせられることになります。

 とはいえ、大半はミドルパフォーマーであり、脈絡のない人事異動の中で、いかに自分の専門性を見出し、専門性を高め、他者との差別化を図るかが、このミドルパフォーマーが会社人生の後半において、「はたらかないおじさん」と揶揄されないためには、重要であるようです。

 この本を読んでみて、会社員人生において、自分が主導権を握りつづけることは、簡単ではなく、
僕の場合、いろいろな機縁の重なりの中で、比較的、自分のやりたいことに仕事を引き寄せるかたちで、キャリアパスを歩むことができたので、途中、しんどい場面には遭遇したものの、組織人としては恵まれた境遇の中で、過ごすことができているように思います。

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