プレゼン資料のチューニング
昨日、僕が抱えている懸案について、経営トップへの説明が終わり、基本的な方針についての了解を得ました。
この先もいろいろあると思いますが、これで、外から奇襲を受けた場合にも即応できますし、トップが何かの機会にこの懸案と遭遇した場合にも、落ち着いて「かわす」ことができるものと考えています。
僕は、こうした社内における役員へのプレゼン資料については、説明のステージごとに、微修正を重ねるようにしています。
特に役員や経営トップに対するレクは、与えられる時間も階段を昇るにつれて少なくなってきますし、レクを受ける役員の理解度や経験値は概して高いとはいえ、一日に数多くの案件のレクがあり、自身も様々なタスクを抱えているため、認知が分散しているところに飛び込むわけですから、こちらもプレゼン資料の精度を高める必要があります。
ただ、一人で資料の精度を上げるのは限界があり、また、プレゼンの中身である情報は生ものであるため、自分のところであっためていると鮮度が落ちてしまいます。特に悪い情報ほど、幹部に伝えるスピードも重要です。
このため、僕の場合、最初から完璧を目指すのではなく、まず骨組みを固めた後、直属の上司からスタートして、何度か「壁打ち」を繰り返し、相手の反応を見ながら細部を整えていきます。
レクを通じて「壁打ち」をしていると、相手が響いていないところや、自分が説明をしていて何かひっかかる部分、あきらかに「ぜい肉」だと感じる箇所があり、そこはレクが終わった後に、指摘をされなくても手直し、そぎ落とし、あるいは表現を変えるなどの細かな調整を行います。
また、プレゼンは「相手にとっての価値」を伝える場であるため、常に役員がどんな情報を求めているか、また彼らが抱えている課題や疑問点を意識しながら、構成を工夫します。そのために壁打ちの反応をもとに、自分の視点にとどまらず、相手の視点での改善を加え続けることが欠かせないと考えています。
当然ながら、資料の出来そのものだけでなく、自分自身が資料の内容にしっかりと自信を持ち、役員からの質問に的確に応じられるよう、準備を重ねることも大事です。
基本的に、プレゼン資料の中には、自分の理解していないような文言や図表は一切加えない、逆に言えば、プレゼンに必要な情報はすべて理解して臨む、100パーセントこれができるわけではありませんが、
そこは目指してプレゼン資料を作らないと、役員が消化不良に陥り、初動で誤った認識に基づく判断をさせてしまい、その軌道修正に、余計な時間を費やすことになってしまう、これは僕の長年の組織人としての経験則でもあります。