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法務の守りと企業価値の維持

 月曜日はそこそこハードな一日でしたが、先日から社内で問題になっていた法務も絡む事案について、今日、トップに説明に入ることになりました。

 当初は、法務部門としては、その論点整理と振り付けだけを担当していたものの、
本番で振り付けどおり踊れないと、トップが適切に判断できなくなるのではないか、との懸念が、昨日、担当役員から示されたらしく、僕も同席し、法務部門としての意見を表明することになった次第です。

 法務の観点は基本、組織を訴訟のリスクから守ることにあるのですが、何らかの不利益を信頼関係のある外部に対して与え、それが社内手続きのミスによるものである場合、そのまま専守することが良いのかいう、高次の判断が別にあり、僕のような素人にも感覚として馴染むものがあります。

 すなわち、当方の過失の程度、さらには、相手方にも過失はないのかの検証をしたうえで、守りに徹するだけでなく、打って出て早めに解決したほうが、会社のイメージダウンとか、相手方との信頼関係の崩壊といった、法的な帰責性とは別な、企業価値へのダメージを小さくすることができます。

 今回は、法を盾にして堅守を貫く、これは基本姿勢としつつも、そこから水面下での折衝により、お互いの信頼関係の維持を確認したうえで、双方のミスを認め、相手方の逸失利得に対する、補償的な観点での金銭的支出をすることを、模索しています。

 当然ながら、こちらが100パーセント悪いわけではなく、双方のミスを検証して、その逸失利得の負担割合を決めることになります。
この負担割合は、簡単ではないので、相手に訴えてもらい、司法の判断に委ねた方が、責任がなく楽なのですが、時間と費用、人的リソースの投入が半端なく、企業価値へのダメージの問題があり、苦しいですが、相手方との交渉により、着地させる必要があります。

 当事者の部門ではない、法務部門が、ある意味、政治判断の領域に立ち入ってアドバイスするのは、やりすぎかなとも思いますが、
もともと、僕自身が、法務というより、政治的判断をするポジションに長く在籍し、双方の肌感覚を持っているので、属人的に、その役回りを果たすほうがスムーズにことが進むことは明らかです。

 また、訴訟ともなれば、法務部門も長きにわたり、リソースを投入することになりますので、幸い、相手方に、話のわかる経営幹部がいるようでもあり、金額的にはそれほど多額でもないので、僕が初動で潤滑油となることで、早めに決着すれば、関係者のダメージは最小限にできるはず。

 正直、いろいろ立てこんでいる中で、少し手間ですが、そこは自分の糧にするつもりで、前向きに、関与していきたいと思います。

 

 

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