歴史の証人たる自覚
先日のEテレのETV特集は、戦後の刑法学の第一人者として有名な団藤重光・元最高裁判事の遺した膨大なノートをもとに取材が進められた、大阪空港訴訟の最高裁判決に至る内幕についての特集でした。
大阪空港訴訟について、ChatGPTに聞いてみました。他のサイトで確認する限り、事実関係に誤りはないようです。
(以下引用)
大阪空港訴訟は、日本の航空法に関連する重要な訴訟の一つで、航空機の騒音による住民の生活環境への影響をめぐる裁判です。
この訴訟は、大阪国際空港(通称:伊丹空港)の運用によって生じる騒音に苦しむ周辺住民が、騒音対策や補償を求めて国や大阪府、大阪市などを相手取って提訴したものです。
1964年に初めて提訴が行われて以来、何度も裁判が行われています。一部の訴訟では、騒音が憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を侵害すると認定し、国に対して補償を命じる判決が出ています。
また、裁判では、騒音対策の不十分さを指摘し、国や地方自治体に対して更なる騒音対策を求める判断も出されています。
この訴訟は、日本における航空法や環境法、憲法の適用に関わる重要な判例を生み出しており、航空機の騒音問題についての議論を深めるきっかけとなっています。
この裁判の最高裁判決では、過去の損害賠償については、原告である周辺住民側の請求は認められたそうですが、夜間空港使用の差し止めは、「国営空港は国の航空行政権が及ぶため、民事訴訟の対象とはならない」との理由で却下したのですが、団藤裁判官は住民の差し止め請求い理解を示す反対意見を述べており、最近になって、国の上層部からの介入があったような記述のある直筆のノートが見つかり、その当時、何故、小法廷から大法廷に回付されたのか、闇が明らかになった、ということのようです。
こうした、公共の福祉のせめぎ合いの是非については、どちらの立場も一定の理があり、難しい判断になるのだと思いますが、僕としては、団藤氏がこのように、日々の出来事について、詳細なノートを書き遺していた、このモチベーションがすごいと思いました。
中学、高校と飛び級で進級し、当時の東京帝大に入学、首席で卒業した英才であり、最高裁判事という司法界の頂点の一角に立った人ですので、歴史の証人としての自覚があったのだろうかとも思いますが、今の時代、こうした克明な日記をつけている人は、どれぐらいいるのでしょうか。