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地獄表 

 昨日の日経新聞の夕刊の「令和なコトバ」という福光恵さんのコラムに、この「地獄表」なる言葉が紹介されていました。

そこで今週は「地獄表」なる言葉を紹介する。テレビの路線バス番組などでよく見る、1日数本しかないバス路線の時刻表のことをこういう。

というのも一度乗ってしまったら、その日のうちに戻ってこられない地獄行きのバス停のようなものだから。ちなみにイラストレーターのみうらじゅんさんの命名で知られる。

平成時代からある言葉だが、ここ最近、減便するバスが全国で増えて、地獄表も再び脚光を浴びるようになった。そういえば私がよく使う都心のオフィス街を走るバスの路線も、時刻表はわずか1日6本。最終は午後4時台で、まさに地獄表系だ。周辺の大きな病院をはしごするような路線で、病院の受付が終わる夕方以降は、乗客がガクンと減るためだと言われている。

それにしても、全国各地の路線バスの本数が目に見えて減ってきたのはなぜだろう。

今年4月、千葉県総合企画部交通計画課が、県内の乗り合いバス事業者35社の任意の協力で実施した調査では、昨年10月時点で同県内に約3万1900便あったバスは、今年4月時点で約3万便と、半年で約6%もの減少となったことがわかった。

日経新聞 9月9日 夕刊

 一部分だけの抜粋ですが、要は、自ら車を運転できない高齢者が、バスで買い物や通院に行くことはできるけど、帰ろうとするとバスが全然ない、時には、炎天下で30分も待たされることになる、このため、スカスカのバス時刻表のことを、地獄表とネーミングしたようです。

 記事の引用の最後にありますが、最近は千葉県内のバスの減便が話題になっており、過疎地においては利用者の減少で、徐々に減便、廃止は進んできてきたところ、
都市部の比較的利用者の多い路線でも、最近はバッサリ減便されることが増えており、理由としては、運転手の確保ができない、いわゆる2024年問題がその背景にあると、コラムにも書かれていました。

 たしかに、地方のバス路線に乗車すると、最初から最後まで、途中下車を含めても乗客は数人だけ、ということは日常茶飯事であり、本数が数本、特に日中は2~3時間に1本でも、仕方ないのかなと思いますが、これでちょっと買い物を、というのも、現実的ではないという気がします。

 また、高校生の場合、朝は良いにしても、学校が早帰りの定期試験の日とか、部活で遅くなるとか、帰りの時間のバリエーションに、路線バスは対応できていないことが多く、スクールバスを運行する私立高校しか選択肢がないという、進路選択の自由を奪うことにもつながっているみたいです。

 ただ、バスは本数のいかんにかかわらず、案外、高齢者には優しくない乗り物ではあるんですよね。

 ノンステップバスといっても入り口だけで、車内が少し混んでいれば段差の大きい後部座席まで移動する必要があります。
 降車時はだいたいの場合、前の方まですみやかに移動しないといけないわけで、加えて、ICカードの残高不足や現金払いの時のプレッシャーは半端ないです。
 特に買い物帰りの荷物を持ってのオペレーションが大変で、これは高齢者でなく、僕が母のところに買い物をしてバスで向かう時にも、大変だと感じますので、まあ、母がバスに乗って買い物に行きたくないというのも、わかる気がします。

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