ドラマ

雨の日だった。傘を刺しても靴が濡れるほどの雨の日だった。

金銭的余裕のない僕は、徒歩1時間であれば雨だろうが風だろうが雪だろうが歩く習慣が身についてる。暑い日も寒い日も、もちろん歩いた。

職業柄、身体1つでお客様の前に座り、時には立ち、口を動かして相手の心を動かす。あり方や雰囲気や人柄が全てを物語る様に、お客様が選んでくれる理由が詰まっている気もしている。

その在り方が全てだと思っている。

そのあり方について紐解き始めるとゆうに2時間は暖色系のランプと、狼煙の如く上る白煙と共に溶けた。

そのあり方を魅せる場面は生活の随所にある。
例えば、僕の「歩く」ということも1つパフォーマンスであったりする。給料日の日でも歩き、徒歩3時間までなら自転車を漕ぐ。時には県境を越えることもある。でも、「そこまでしてきてくれるんだ」「若いうちこそそうあるべきだね」「頑張ってる姿を見て感化されたよ」と感動してくれる方々も多々いる。
背景を知れば感動するだけの動機を演出することもまた一興だったりする。
そういった細かい自分のあり方や起こす事象の随所にドラマを散りばめるのだ。そうやって、人を魅了することにこの職業の醍醐味が詰まっているようにも思う。

しかし、その能力が効かない場面もある。これが今日の本題だ。

その場面は「人を集める」ということ。

結論、人を集めるための在り方に正解はないと思う。なぜなら人が行動を起こす理由のほとんどは集団心理であったり、自分の損得勘定を考え損を被らないものであると判断してから行動するからだ。特に日本人はその傾向にあるように思う。

だが、確実に一声で人が集まる人はいる。
それは著名人や芸能関係で名を馳せた人、プロスポーツ選手などの例外を省いて、だ。

そういった人は、例外なく人を集めるのではなく"集まる"のだ。

主観的な意見ではあるが、ビジネスにおいて人が集まる人こそ成功者だと定義づけている。
影響力の最たる例は、その人が一度声を掛ければ人が集まるかどうかだと考えている。そういった人は"素の演出"がとてもうまい。

まさに魅せられる人なのだと強く思う。

その人が考えておらずとも、その人には魅せられるような人。
浅くなく、かといって深すぎるのでもない、人間のくすぐったいところに孫の手を伸ばしてくれるような人で、自分も掻いてほしいと甘えられる人。
ただ、同じような人間で、魅力的なものに飛びつく瞬発力があって、それでいて目の前の人の喜びを自分の喜びに変えられるような人。

そんな人が、飲み会するから行こうぜ!なんて声をかけたら"なんで自分は呼んでくれなかったの!"と嫉妬する人が続出し、やがてその人の手帳は黒く染まるんだろう。そんな人になりたい。

話が逸れたが、人を集めるの本質は"集める人の人格"に帰結する。
その人格に戦略が相まったらたまったもんじゃない。
マーケティングをやらせたら精神崩壊するほど繊細な優しい人ではなく、営業をやらせたら胡散臭すぎて逆にひかれるような人でもなく、"あなたもこれするといいよ"とおすすめされたらしたくなるような人で"あなたとこれしたら絶対楽しいと思うんだよね!"と心から人に言える人が人を集められる。そこに演出は一切ない。

だが、そんな人が魅せ方を覚えたらどうだろう。
いろんな自分を魅せて、対象にあった魅せ方で集まる人が増えたらどうだろう。僕の知る限り、そうやって魅せ方が上手な人は3人〜4人いる。
八方美人ではなく、あくまで等身大の自分の魅せ方だ。言葉で魅せたり、行動言動、服の着こなしから持ってるアイテムまで寸分の狂いなく自分をブランディングしている人。
細部にまで自分の思いを馳せてこだわる職人営業マンは記憶に残りやすく、また主観的であえて馬鹿っぽい言葉を選ぶと"むちゃくちゃかっこいい"

人の集まる在り方は今まだ模索中ではあるが、魅せ方にはこだわってやることが重要だと思う。
自分の中から溢れ出るものは経験則や考え方から来るものも多いから時間の問題だろう。しかし、この魅せ方は少しの努力でできることも多々ある。そして、少なからず僕の知る成功者は細部にこだわりを持つ人が多い。そこに素のドラマが生まれ、想いを宿し、その想いに魅了されて人が集まるというとんでもなく抽象的なロジックだ。そこに答えはないと答えた一つの理由でもある。要は人それぞれなのだ(なんだそれ)

魅せ方、経験、在り方、ドラマ。
自分の人生をいかに面白おかしく、感動的なものとして語れるかがその人の魅せ方の努力の結晶であり、人格形成であり、成功への一歩になるかだと思う。
僕はこのnoteを書いてる理由は、こうやってストーリーを語る練習にしているから。自分の人生に色を付ける練習をしている。

魅せ方は人それぞれ、それもまた一興である。

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