「市民活動のひろば」発行委員会

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カリフリ農場より 5.大切な水

 畑、家畜をやっていると水はたくさん使う。うちの水道水は半世紀ほど前に事業によって作られた農業用水を使っている。かつてトマムにも何10軒もの農家がいてこの農業用水を使っていた。水源地は農場迎えにある狩振岳から流れる、鵡川源流にある。現在この水源を使っているのは当農場だけである。標高700㍍付近の小渓流より水を取り、そこから配管を通りすこし離れたところにある、濾過槽に送られる。そこで濾過された水は貯水槽に貯められ、そこから200㍍近くの落差によって、農場まで送られる。  

    • カリフリ農場より 4.農場の夏

       今年の夏は干ばつと猛暑と寒さに見舞われた。7月の干ばつは本当に大変だった、丸1ヶ月雨が降らなかったからだ。中旬まで、降らない分には良かった。この時期に必ずやらなければならない作業が牧草あげである。これは冬の家畜たちの餌だ。12ヘクタールの牧草地の草をトラクターにつけた草刈機で刈り倒す。それをテッダーという機械でかき廻しパリパリになるまで乾燥させるのだ。乾いたらレーキ(牧草を集める機械)で草を集めロールベーラーで1つ数百キロの草の塊に丸めて完成だ。牧草はとにかく天気との格闘で

      • カリフリ農場より 3.作付けの嵐

         トマムも暑さが本格的になり、「夏が来たな」って感じだ。当農場では作付けに追われている。  3月からビニールハウスなどの室内で野菜の苗作り始まる。5月に入ると雪に覆われていた畑がようやく乾きだし、やっとトラクターが畑に入ることができる。畑づくり、野菜作付けの始まりだ。  ゴールデンウィークが明けたころに玉ねぎの定植が最初に始まる。ハウスで苗作りをして、葉が20センチ位に成長したら畑に定植する。苗は何千本とある。それをすべて人の手で定植するのだ。玉ねぎの次にじゃがいもの植え付

        • カリフリ農場より 2.ベビーラッシュの春

           今トマムは、ようやく雪も無くなり、森も新緑に染まり、日本一遅い桜の開花が始まったところである。この時期のカリフリ農場は家畜の子供たちでにぎあう。そしてその世話で追われている。  ヤギと羊の出産は1月下旬には始まり3月末までには30頭ほどの子供たちが生まれている。ヤギや羊たちが生まれる時期は気温がまだ氷点下である。生まれたての子供たちは羊水でびしょ濡れだ。母親はなめて濡れた体を拭き取るが、追いつかなければ体が冷えてそのまま凍死してしまう。だから出産が始まっていないかどうか常

          カリフリ農場より 1.ガンバ 山仕事のパートナー

           私は江頭一馬(21歳)。高校(帯広農業高校林科)卒業後、実家であるカリフリ農場に就農した。そして今、3年目の春をむかえているところだ。  当農場のある、ここトマム(北海道占冠村)は標高が約600㍍、冬は日本一の極寒地域で雪だって1㍍は積もる。そして夏は涼しい。  そんなトマムのどんな農場なのか? 簡単に言うと、2㌶の畑で、色んな作物を無農薬無化学肥料で栽培している。ヤギ、羊、牛、豚、鶏、ウサギなどの家畜がいて犬と猫、馬がいて、農場隣に15㌶の森林が隣接する。その他、放牧地

          カリフリ農場より 1.ガンバ 山仕事のパートナー