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【交響する氷見 003】 「春の祭典2024」演奏曲紹介(交響する氷見祝祭管弦楽団)


(1)J.オッフェンバック 『天国と地獄』序曲

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春の祭典の開幕を飾るのは、この曲。

「カステラ一番 電話は二番 三時のおやつは文明堂」

で、わかる人はわかると思いますが…、この、運動会やCMなどでお馴染みのメロディーが終盤に登場する、底抜けに明るい曲です。

フランス・パリで19世紀に活躍した作曲家ジャック・オッフェンバックが、ギリシャ神話を元にした古典的なオペラをパロディにしたオペレッタ『天国と地獄』。

19世紀のフランス社会への風刺が込められた作品でもあり、今回演奏する序曲では、オペレッタ作品内で演奏される曲がメドレーのように登場します。

ちなみに、多くの人が知っているお馴染みの部分には「地獄のギャロップ」というタイトルがあり、オリュンポスに退屈した神々が「活気に溢れた地獄へ行ける!」と乱痴気騒ぎしている場面なのだそう。

この場面で踊られる「フレンチ・カンカン」を、シンボルとして今回の紹介画像に入れてみました。

⁡乱痴気騒ぎの前に次々と登場する、各楽器のソロも、とってもクールだったり美しかったり…、なので、ぜひ注意して聴いてみてください。

(2)J.シュトラウス2世 喜歌劇 『こうもり』

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冒頭、オッフェンバックの『天国と地獄』序曲に続いてお送りするのは、ワルツ王・ヨハン・シュトラウスⅡ世が作曲し、喜歌劇(オペレッタ)の最高峰ともいわれる『こうもり』。

シュトラウスの町ウィーンでは、年末年始の風物詩として『こうもり』が上演されるのだそう。

オッフェンバックと同時代を生きたヨハン・シュトラウスⅡ世。

「あなたはオペレッタを作曲すべきだ」とシュトラウスに言ったのも、オッフェンバックだったという話もあります。

今回の演奏には含みませんが、

劇中、2幕フィナーレで「今日、この夜会に集まった人は皆、兄弟姉妹になろう」と登場人物が提案し、皆が賛同して歌う場面があります。

この人々が唱和する「みな兄弟姉妹になろう」という共生のメッセージは、「交響する氷見」が描く世界観にも通じるものがあるように思います。

今回は『こうもり』から2曲、「シャンパンの歌」「アデーレのアリア」を、歌声付きでお届けします。

幸福感あふれる軽やかな響きの中で、春の訪れに感謝し、共に乾杯しましょう♪

(3)スタジオジブリ アニメ映画音楽

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「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」など…、スタジオジブリが世に送る多くの作品は、普段はアニメを観ない方にもその音楽と共に親しまれ、国民的人気を誇っています。

作中で流れる歌やインストゥルメンタルにも数々の名曲がありますが、今回の演奏会でも、「交響する氷見祝祭管弦楽団」では4曲を演奏(12:45ごろ〜)。

・「人生のメリーゴーランド」(『ハウルの動く城』より)
・「海の見える街」(『魔女の宅急便』より)
・「もののけ姫」
・「いつも何度でも」(『千と千尋の神隠し』より)⁡

(4)W.A.モーツァルト 歌劇《魔笛》より 『夜の女王のアリア』

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モーツァルトが残した最後のオペラ、『魔笛』。古代エジプトの架空の世界を描いたメルヘンです。

1791年初演のこのオペラは、当時から絶大な人気を誇り、約1年あまりの間に100回以上も上演されたのだとか。

そのあらすじを知らなくても、いくつかの曲は聞いたことがある…! という方も多いでしょう。

その中でも特に有名なのが、今回演奏する『夜の女王のアリア』。コロラトゥーラと呼ばれるソプラノ歌手が超高音で歌う、超絶技巧のアリアとして知られています。

メロディーはとても美しく、軽やかな印象もありますが、原題は『復讐の心は地獄のように胸に燃え』です。

夜の女王が「地獄の復讐心が私の魂に煮えたぎる。憎きザラストロを殺せ!でないと親子の縁を切る」と娘のパミーナに迫る場面。

そんな高難度の曲を歌い上げるのは、今回のオケのフルート・ピッコロパートでも活躍される、フルート奏者・声楽家の松本 佐智子さんです。

先に紹介した喜歌劇『こうもり』の2曲と、この後紹介する「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の4曲を歌ってくださいます。

生の歌声の迫力を、お聞き逃しなく♪

(5)A.ドヴォルザーク 交響曲第9番 『新世界より』第4楽章

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チェコを代表する「鉄道ファン」、もとい、チェコを代表する作曲家・ドヴォルザーク

日本でもキャンプファイヤーの時などの歌でお馴染みの「遠き山に 陽は落ちて」のメロディーは、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』第2楽章のテーマです。

今回は、その第4楽章を演奏します。

さて、ドヴォルザークが「鉄道ファン」であることは、クラシック好きの多くの方の間ではよく知られた話であるようです。

実際、チェコの鉄道の今昔を紐解くと、優秀な蒸気機関車を製造してきた歴史があり、鉄道網の規模や密度に関しては現在も欧州指折り。

そして現代においても、日本と同じく鉄道ファンが数多く存在するそうです。

…鉄道に関する話が長くなりました。

しかし、この『新世界より』においても、4楽章の冒頭しかり、全編において機関車を表す描写が散りばめられているといわれています。

実際にその描写はどこかというのは置いておいても、4楽章も「遠き山に 陽は落ちて」の2楽章に負けず劣らず、「あ!聞いたことある」と思う有名なメロディーに出会えると思います。

ちなみに、大阪の「新世界」といえば、最寄りはJR新今宮駅ですが、その発車メロディーは、今回演奏する4楽章冒頭のテーマです。

鉄道好きの方も、そうでない方も、ぜひ当日は緊迫さと壮大さを併せもつ美しいハーモニーをお楽しみください。

(6)林詔伶「氷見の冬」(第1楽章)

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東京の音楽専門学校で作曲の勉強をしている、台湾出身の林詔伶さん。

訪日観光・国際交流コーディネーターとして、富山県氷見市へ出向、駐在(2019年5月から2023年3月まで)。

氷見市の四季折々の美しい風景や温かい人々に惹かれ、この弦楽四重奏を作曲しました。

氷見の海岸から望む海越しの立山や気嵐(けあらし)など、氷見の冬の風景をイメージした作品です。

「交響する氷見」が初演を飾らせていただきます!

(7)W.A.モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

ここまでの個々の紹介ではあまり強調していませんでしたが、前の投稿などでもお伝えしておりますように、交響する氷見「春の祭典2024」は令和6年能登半島地震のチャリティーコンサートでもあります。

イベント内では、地震の被害に遭われた方々に向けて、そして今ここに生きる私たちが明るい未来を共に創っていくための、ささやかな祈りの時間を持ちたいと思っています。

演奏する曲は、モーツァルト晩年の傑作のひとつ「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。

原曲は混声四部と弦楽合奏で構成されている合唱曲ですが、今回はフルート奏者・声楽家の松本佐智子さんの美しいソプラノの声と共に。

やわらかい光が降り注ぎ、より高いところへと導いてくれるような、美しい旋律です。

⁡ご一緒に、祈りましょう。

(8)ビゼー「アルルの女」

「春の祭典」の最後を飾る曲。オーケストラでは珍しく、サックスのソロが活躍します。

アルフォンス・ドーデの同名の短編小説『アルルの女(フランス語版)』および、それに基づく戯曲の上演のために1872年に作曲されたものです。

アルルはフランス南部の地名で、田園が広がる場所。ローマ時代の遺跡も残る古い街並みが特徴的な地方です(ここではごく抽象的な位置付け)。

物語としては悲劇ですが、全体的に音楽は明るく、「どこかで聞いたことが多い」メロディーが多く登場します。

実際に劇には一度もアルルの女は登場せず、ずっと『アルルの女』と呼ばれるだけです。

今回は組曲全曲の中から、一部抜粋して演奏します。

🎵 第2組曲第1番 前奏曲
一番最後の有名な『ファランドール』でも出てくる冒頭の勇壮な主題は、プロヴァンス地方の民謡から。後半のサックスのソロは、知的発達が遅れている弟の主題を表しています。

🎵 第2 組曲第1番 カリヨン
祭りの日の場面で使われた鐘の音を模した音楽。

🎵 第1組曲第2番 パストラール
パストラールとは、田園や牧歌を指す言葉。劇では、刈り取られた葦が積まれたヴァカレス湖のほとりを舞台とする第2幕の前奏曲。中間部にはプロヴァンス太鼓にのって、古風な舞曲を演奏します。

🎵 第2組曲第2番 間奏曲
アルルの女に失望した青年フレデリが幼馴染のヴィヴェットとの結婚に傾くまでの話。中間部のサックスの旋律は必聴です。

🎵 第2組曲 組曲第2番 メヌエット
実際は『アルルの女』にはなく、ビゼーの歌劇『美しいパースの娘』から転用したもの。この大胆なアイディアは、編曲者ギローによるもの。

🎵  組曲第2番 ファランドール
前奏曲で聴かれたプロヴァンス民謡“3人の王の行列”と“ファランドール”を、クライマックスで対位的に組み合わた、壮麗なフィナーレです。

★物語のあらすじ(出典:wikipedia)
南フランス豪農の息子フレデリは、アルルの闘牛場で見かけた女性に心を奪われてしまった。

フレデリにはヴィヴェットという許嫁がいるが、彼女の献身的な愛もフレデリを正気に戻すことはできない。

日に日に衰えていく息子を見て、フレデリの母はアルルの女との結婚を許そうとする。それを伝え聞いたヴィヴェットがフレデリの幸せのためならと、身を退くことをフレデリの母に伝える。

ヴィヴェットの真心を知ったフレデリは、アルルの女を忘れてヴィヴェットと結婚することを決意する。

2人の結婚式の夜、牧童頭のミティフィオが現れて、今夜アルルの女と駆け落ちすることを伝える。

物陰からそれを聞いたフレデリは嫉妬に狂い、祝いの踊りファランドールがにぎやかに踊られる中、機織り小屋の階上から身をおどらせて自ら命を絶つ。

[演奏会概要] 村まつりのような音楽祭、 「春の祭典2024」開催します!

飲食、雑貨等の出店あり。自由に立ち歩きOKの気軽な音楽祭です。

【日時】
2024年4月14日(日)
12:00〜17:00(11:30開場、16:00ごろ終演予定)

【入場料】
無料

【場所】
久目地区交流館(氷見市触坂501)

【曲目】
・ビゼー「アルルの女」
・オッフェンバック「天国と地獄」
・ドヴォルザーク「新世界より」第4楽章
・ジブリ映画音楽
・ジャズスタンダードナンバー ほか

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