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寿司は祈り

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寿司職人歴25年の節目に 自分の生い立ちから、 寿司の世界でやってきた様々なチャレンジ。 これまでの軌跡や、 ここまで関わってくださった方々への感謝や思い出。 そして、25年目の…
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記事一覧

第20話 木宮一高の想い、夢が詰まった一心鮨 光洋

ある晴れた日のこと。 突然、父、一高から 「もう一軒、新しい寿司屋を開きたいんだ。」 と告…

−寿司屋のこばなし− あがりのこだわり のはなし

私には、長年支えてくれる大切な仲間達がいます。 その中でも、寿司に欠かせないお茶を提供し…

第19話 若手の育成と挑戦の場—回転寿司「一番星」

かつて一心鮨本店は街寿司としての店舗ともう一つ、回転寿司の「一番星」を運営していました。…

第17話 巻く、押す、包む――本質を追い求めた日々。

大会から数ヶ月が経ったある日、忘れられない瞬間が訪れました。 親方から呼び出され、こう告…

−寿司屋のこばなし− 一高のガリ のはなし

さぁ!とことん語らせてください(笑) 先日Instagramで紹介した「一高のガリ」について。 ど…

第16話 悔しさと決意。

寿司技術コンクール九州大会の当日、会場は熊本市でした。 周りを見渡すと、私よりも遥かに技…

第15話 すし技術コンクールへのチャレンジ

「おい、お前、今度すし技術コンクールに出るだろう?」 「いや、どうするか悩んでるんですよね…」 「何言ってんだよ、出ろよ!」 そんな会話が少しずつ聞かれるようになっていました。 「すし技術コンクールって何なんですか?」 「4年に1度開催される、すし職人たちの技術を競う大会だよ。 俺たちはみんなこれに参加してきた。 ほら、ゆうさんは全国で銀賞を取ったし、やすおさんも全国で銅賞を受賞した。 一心鮨の登竜門なんだ。」 「それって、僕も参加できるんですか?」 「もちろんだ。ただ、

今年もよろしくお願いいたします。

皆様あけましておめでとうございます。 昨年から始めたこちらのnoteも、多くの方に知っていた…

−寿司屋のこばなし− 一心鮨の変遷 のはなし

ここまでの私の文章の中で登場していた、父が経営し、私が修行をしていた「一心鮨」ですが、こ…

−寿司屋のこばなし− お客様から教えられたこと のはなし

「お客様が二度とお見えにならなくなるなんて、何があったんですか?」 とご質問を頂いたので…

第13話 栄寿司での研修 その2

研修の3ヶ月間は休憩中も、握りや巻き寿司、笹切りの練習に励みました。 日々、技術を習得し…

第12話 栄寿司での研修 その1

栄寿司での1日は、朝7時半に浦和の市場での買い付けから始まります。 そこで市場の加工場を借…

第11話 寺岡師匠との出会い

実家での修行が始まって約1年半が経過した頃には、 大きな魚も捌けるようになってきました。 …

−寿司屋のこばなし− 寿司の極意 のはなし

「いいか、一洋。寿司は仏の手で握るんだ。  分からない時は仏像の手を見るんだ!  絶対に忘れるんじゃないぞ‼️」 はぁ…仏の手、なんですね。 「そうだ。指の先まで神経を行き渡らせるんだ。  将棋の棋士を見てみろ。指す時の所作の美しさを。  美しさは美味しさに繋がる。  もう一度言うぞ、仏の手で握るんだぞ‼️」 これは研修中の私に、師匠である寺岡政志に言われた言葉です。 その時は何を言っているのか全く理解できませんでした。 しかし、寿司職人として歩みを止めずに20年以上経