小論文・志望理由書では注意!「なので」は文の頭に置かないこと!
更新日:2024/09/25
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、文章作成における基本事項を紹介するのが、このシリーズ【文章作成の基本】。
(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)
小論文や作文などで「かっこいい」は使わない方がよい、という話を先日しました。それと同じくらいの頻度で目にするのは、「『なので』を接続詞のように文の頭に置くこと」です。この誤り、間違いもよく目にします。
これも、先日上の記事で言いましたが、話し言葉や俗語は「正しい表記・表現ではない」ため、小論文や志望理由書などで使うべきではありません。この文頭に置く「なので」も、そういう意味での「正しくない表記・表現」の一つです。
小論文や志望理由書で「なので」を文頭に置いてはいけない。
今回も辞書を引いてみましょう。
これが、国語辞典の「なので」の項目です。
まず、「なので」は、助動詞や形容動詞の活用語尾に助詞が加わった「連語(一つの『言葉』ではない)」であるということです。したがって、文節と文節との間で繋辞(つなぎことば)として機能させるのが、「正しい使い方」だと言えます。つまり、文中(文の真ん中)に置かれて機能する表現であって、「文頭に置くのは正しくない」ことがわかります。
ただし、これを「なんで」という表現で用いると、〔話〕=「話し言葉」となると辞書にはあります。これは音便化したくだけた表現であるため、文章作成時には絶対に避けるべきものと言えます。
また(元の使い方や意味から派生した)二番目の意味として、(接)つまり文頭に置く接続詞的な意味や使い方も掲載しています。しかし、〔話〕とあるように、それが「話し言葉」であるということも併せて明記しています。したがって、接続詞のように文頭に置き、文と文をつなぐ使い方は、やはり話し言葉であるため「正しくない」と、ここでも言えるわけです。
以上のように、「なので」を文頭に置いて接続詞のように使うのは正しくないので、止めましょう。
なお、接続詞については以下の記事で扱っています。
まとめ
この「なので」は、相当使い勝手がいい表現なのか、中高生の文章には頻繁に登場します。中には、何回も文章中で繰り返し使う人も。そういう人は「口癖」のようになっているため、適切な表記・表現に意識して矯正していきましょう。
参考図書:三省堂国語辞典 第七版 2014年1月10日 第一刷
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