「御校?」「僕?」「親や先生の言い方は?」志望理由書で用いる適切な呼称!
更新日:2024/10/03
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、文章作成における基本事項を紹介するのが、このシリーズ【文章作成の基本】。
(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)
本日は、志望理由書で用いる各呼称(呼び方)についてお話しします。
学校推薦型選抜(公募制推薦・指定校推薦)や総合型選抜(旧AO入試)などでは、志望理由書の作成が求められます。その中での適切な各呼称(呼び方)について、ここではまとめます。志望理由書は大事な「書類」です。「書類」に書く上での適切な呼称がありますので、それを確認していきましょう。
志望理由書で用いる適切な呼称
1.「僕」は不可。一人称は「私」で統一。
「僕」は不可です。もちろん「俺」はもってのほかです。意外と多いのは「自分」。運動系部活動の出身者の文章にまま見られますが、これも不可です。志望理由書や小論文では、全て「私」で統一してください。
2.親の言い方は「父」、「母」。
いわゆる親族語彙(親族呼称・親族名称)についてです。「お父さん」、「お母さん」、「パパ」、「ママ」は不可です。「父」、「母」としてください。「お姉ちゃん」、「お兄ちゃん」は不可です。「姉」、「兄」としてください。「おじいちゃん」、「おばあちゃん」、「おじさん」。「おばさん」は不可です。「祖父」、「祖母」、「叔父(自分の父母の弟)・伯父(自分の父母の兄)」、「叔母(自分の父母の妹)・伯母(自分の父母の姉)」としてください。
3.志望先の敬称は「貴学」、「貴校」など。「御校」は面接で使用。
志望先が大学の場合、敬称は「貴学」。専門学校の場合は「貴校」。各種学校は「貴校」となります。意外と間違いで多いのは「本学」。「本学」は、その大学の職員や教授が自らの属する大学に対して使う呼称です。受験生は、その大学の関係者ではないため、「本学」は不可です。なお、就職希望者においては、就職希望先が会社法人ならば「貴社」、店舗なら「貴店」が適切です。同じく就職希望先が官公庁の場合は「貴庁」、役所の場合は「貴所」が適切です。なお面接(口頭)では、「御大学(御校も許容)」、「御校」、「御社」、「御所(おんしょ)」など。
4.大学に在籍する学生の呼び方は「在学生」。
大学生に対して「在校生」は不可です。小学校・中学校・高等学校に在籍する生徒は「在校生」です。対して大学に在籍する学生は「在学生」となります。なお専門学校など各種学校に在籍する学生の場合は「在校生」。
5.大学の「先生」の言い方は「教授」、「講師」など。
大学の「先生」は、先生ではなく「教授」、「准教授」、「講師」、「助教」、「助手」と呼びます。大学の「先生」を包括的に呼ぶ場合は、「教授や講師など」でよいです。「貴学は充実した教授・講師陣で……」のように使います。専門学校を含む各種学校の「先生」は、「教員」です。「オープンキャンパスでは、教員の方から丁寧にご指導をいただきました」のように使います。なお、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の「先生」は「教諭」です。「私は小学校の先生になりたい」ではなく、「私は小学校教諭になりたい」という表記が適切です。保育園の「先生」は「保育士」。「保育園の先生になりたい」ではなく、「保育士になりたい」と表記します。その他の「先生」はその職業名を使います(養護教諭、医師や弁護士など)。
6.幼稚園の「生徒」の呼び方は「園児」。
幼稚園や保育園の「子ども」は「園児」。小学校の「生徒」は「児童」です。「小学校教諭になるためには、児童の心を理解できるようにならなければならない」のように使います。中学校、高等学校の「生徒」は「生徒」でよいです。大学・専門学校・各種学校の「生徒」は「学生」。
7.大学の長は「学長」。
小学校・中学校・高等学校・各種学校の長は「校長」ですが、大学は「学長」です。大学によっては「総長」(旧帝大)が使われていますが、「学長」でよいです(学校教育法による)。私立大は各大学によって異なる呼称があるので、自身の志望先大学の資料等で確認のこと。
まとめ
これらを間違えて使って、それだけが原因で落ちるということはまずありえませんが、その書類に目を通したとき、読み手の「大人」としては大変違和感を覚えます。志望理由書や小論文では、正しい呼称を用いましょう。
(なお、志望理由書関連の内容は以下の記事でも扱っています。)
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