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✕「実『積』」✕「成『積』」→○「実績!」○「成績!」

更新日:2024/09/14

 小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導からよく見かける、中高生の間違えやすい表記を紹介し、世の中高生・受験生に警鐘を鳴らすのが、このシリーズ【間違えやすい表記】。

 本日は、「実績」や「成績」の「セキ」を「積」と間違えるケースについて、解説していきます。

 「実績」も「成績」も似た漢字である「積」と書きたくなる気持ちもわからなくはないです。しかし、どちらもここは、「積」ではなく「績」です。中学生では結構作文などで間違えて書いているのをよく目にします。

 この「績」という漢字なのですが、二つの意味があります。一つ目は「糸をつむぐ」という意味。これは「紡績業(織物を作る業種※ちなみに「紡」も「績」も共に訓読みで「つむぐ」と読む)」などの熟語などでわかると思います。そしてなぜ「糸へん」なのかも、この意味を知るとわかります。

 しかし「績」には、二つ目の意味として、「手柄・仕事の成果」という意味があります。「実績」や「成績」の「績」はこちらの意味ですね!

 「成績」は「試験や試合などでの成果(得点や評価)」ですね。「実績」は「実際の成果=成績・評価」です。他にもこの意味で使われている熟語として、「業績(企業の仕事上の成果=売り上げなど)」、「戦績(競技試合などの成果や勝敗などの成績)」などがあります。

 一方「のぎへん」の「積」の主だった意味には、①「つむ」②「たくわえる」③数や式を掛けて出した数値(掛け算の答えとしての『積』)④平面や立体の大きさ(『面積』・『体積』)があります。しかし、この漢字には「成果」という意味はありません。

 「実績」や「成績」の「セキ」は、「糸へん」の方の「績」です。しっかり確認して、間違えないようにしましょう。


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〆野 友介 | 教育系noter | 小論文・作文指導者| 志望理由書の作成指導も |
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