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「追求」?「追究」?「追及」?

更新日:2024/11/16

   小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導からよく見かける、中高生の間違えやすい表記を紹介し、世の中高生・受験生に警鐘を鳴らすのが、このシリーズ【間違えやすい表記】。

 本日は、同音異義語である「追求」・「追究」・「追及」の区別です。使い分けが正しくできていない答案をよく見かけます。これらの熟語の使い分けについて、本日は確認していきます。中学生の答案で多く見かける誤りですが、高校生の方もまれに間違えています。

 これらは、「ついきゅう」の対象について考えると、使い分けが正しくできます。つまり、その対象が「求める(追求)」ものか、「究める(追究)」ものか、「及ぶ(追及)」ものか、考えてみるとよいです。

 手元の読売スタイルブックによると、「追求」「目的達成のために追い求める」とあります。その対象は、利益・利潤・理想・真実・幸福などです。人間が日常生活で「欲しい」、「手に入れたい」と渇望するようなものがその対象となります。「幸福の追求」といったら「幸福になりたいと追い求める」ことです。

 「追究(=追窮)」「明らかにするために研究する」とあります。ですから、その対象は学問・真理・本質・原因など、その物事の解明のカギとなるようなものです。なお、「幸福の追究」といった場合は、「幸福とは何か、研究する」というような意味になります。

 「追及」「悪事などを暴くために追い詰める」ことで、疑惑・責任・容疑者・余罪などがその対象となります。「この悪いことはお前がやったんだろう。責任をとれ。」と追い詰めるような状況です。ですから、「追及の手をゆるめない」、「追及をかわす」などの使い方があります。

 このように、その「ついきゅう」の対象が何か考えると、どの「ついきゅう」が適切なのかわかるでしょう。同音異義語は間違えやすいので、それぞれの意味に自覚的になりながら使い分けるようにしてください。

〈参考図書〉

読売スタイルブック2020 初版 2020年3月25日


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〆野 友介 | 教育系noter | 小論文・作文指導者| 志望理由書の作成指導も |
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