父が働いた日
母の留守中、電話が鳴った。二階にいた私は、子機で取ろうとした瞬間、階下で父が取った。
電話なんて何年も取らなかった父、しかも難聴。様子を見ていると、
「はい、なんですか?なんですか?わかりません」
と言っていたので、私が代ろうとしたら、受話器を置いてしまった。父は、窓のそばにいき、外を見ながら、首を傾げていた。
私がまた二階に戻ると、宅配便のトラックが家の前に止まり、少しすると走りさっで行ったので、うちではなかったかと、なんとなく階下に降りてみたら、父が、宅配便を持ったまま玄関に向いて不思議そうに佇んでいた。
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