天空のオアシス、白馬大池山荘へ行こう -非日常な情景を求めて-
さあ非日常を求めて白馬大池山荘へ行ってみよう
天空のオアシスである白馬大池山荘は、ロープウェイとゴンドラリフトをのち継ぐことで意外とお手軽に到達できる。
具体的な行き方は他の記事に譲るが、お手軽とは言っても登山口から山荘までは片道3時間程度かかる。
片道3時間もかかるのかと驚かれるかもしれないが、その道中には決して単調な景色の登山道が続くのではなく様々な表情を見せてくれるため決して飽きることはない。
道中の天狗原を少し登ったところから下を向くと、目の前に広がる雲との距離に圧倒される。
また、人の背丈を超えない木々は高所にやってきたことを実感させてくれる。
登山客の息遣い以外に鳥の囁きもあらゆるところから聞こえてくる、滅多に姿を見ることはできないが、じっくり目を凝らして探してみるのも楽しい。
山荘直前の急斜面のボコボコ岩場は最後の試練
個人的に白馬大池山荘たどり着くまでの試練といえば、天狗原を超えた後に待ち構えるボコボコとした岩が無頓着に居座る岩場だと思う。
岩と岩の間に足がはまるほどの隙間が空いているので、その間に足を落とさぬよう慎重にルートを見極めて登っていく必要がある。
また、グラグラとした岩に足を乗せてしまい、斜面に岩を転がり落としてしまわないようにも気をつける。自分だけでなく後方にいる登山客へも注意を払いながら登るのは少々気を遣う作業だ。
実はこの岩場、登山中より下山中の方が眼下に大きく広がる急斜面が露わになって恐怖心を最大限に煽ってくる。慎重にスピードを出しすぎずに降りよう。
標高2379mに突如現れる天空のオアシス
前述した岩場を登りきると標高2437mの乗鞍岳に到達する。
お気づきかもしれないが、白馬大池山荘はここから少し降ったところに位置している。登りきったのにも関わらず少し降るのは何だか忍びない気持ちになるが、目の前に広がる情景を見ると天空のオアシスとはこのことかと間違いなく感激してしまうだろう。
乗鞍岳を登りきった後、標高を下げつつ、少し奥まった場所に位置する湖畔の隣に佇む赤いトタン屋根の建物が周りの自然と対比的に映り、人工物であると一瞬で気づく。
さあ、天空のオアシスに到着だ。
必要最低限、でもそれが良い
限られたスペースを最大限有効活用して登山客を暖かく迎えてくれる山荘、上下に二段になった就寝スペースを複数人で分かち合って使う。
割り当てられた就寝スペースは大の大人が3人も入ればギュウギュウ詰めだがここは山の上、屋根があって安心して横になれる必要最低限のスペースがあるだけで十分。疲れた体はそんな些細なことは気にしない、むしろこの狭さが安心感と心地よさを感じる。
山荘での食事は一体感こそが1番のスパイス
夕食の時間はグループによって決められており、全員集合して食堂で頂く。
全員同じメニュー、同じお皿、同じお箸、えも言えぬ一体感を感じ、この一体感こそが山荘での夕食の1番の隠し味なのだと納得する。
提供される食事だって必要最低限だと思う、山の上では食材をはじめとしてあらゆるものが貴重だ。そんな中で、丹精込めて食事を作ってくださるのだから感謝の一言以外ない。ご飯粒1つ残さず全て美味しくいただいて、登山の糧にする。
夕暮れ時、昼夜の境界が鮮明に浮かび上がる
夕焼けは昼が夜に転換する合図、しかし、地上にいるとどこか遠くで発生している現象でいまいち実感が湧かず夜になっている。
標高の高い場所で見る夕焼けは、圧倒的存在感を伴ってやってくる。嫌でも昼夜の転換を意識させられるほど雄大な景色が広がる。
カメラを通して夕焼けを長時間露光すると、空気が澄んでいることが原因し夕焼けと星空を同時に撮影できた。実に階調豊かな贅沢な夕暮れ時である。
平な土地は星空観察にもってこいのロケーション
太陽が完全に沈むと夜空は満点の星空が広がる。新月ではなかったものの、光害が少なく澄んだ空気のおかげで、月光に負けじと星空が煌々と輝く。
小屋周辺は平な地面になっているので三脚を置いて全方位思う存分星空撮影を楽しめる。
月光に負けじと輝く星空から視線を少し移すと色とりどりなテントも負けじと輝いている。まるでテントの明かりは地上の星で、その周辺を移動する登山客のヘッドライトは地上の流星のようで空と地上どちらを見ても美しい。
下界との隔絶感を強調する雲海の塊
朝起きて、白馬岳方面の尾根を登ると雲海に遭遇し絶句する。
視線を向ける方向全て雲海で覆われ、地上の様子を少しも垣間見れない。
完全に下界と切り離されてしまい孤独感に襲われるが、これも早朝に見られる一瞬の景色、数時間後には全て元通りだ。
寝ぼけ眼を、あの雲海をすくい上げて洗えばシャキッとするだろうかと考えてしまう。
なだらかに長く続く尾根は手招きをして待っている
白馬大池山荘から白馬岳方面に進路を取るとなだらかな尾根が延々と続いている。
自分だけのペースで行けるところまで1歩1歩進んでいこう、天候に裏切られなければ山と景色は逃げないし、360度に全周囲に広がる絶景は疲れた体に対する最高のエネルギー源だ。登山中に飲むどんなエナジードリンクより効く気がする。
おわりに
道中、全ての時間帯に見える景色が非日常、心の栄養補充に白馬大池山荘ならびに散策に出かけてみてはいかがでしょうか?きっと自分だけの非日常な雄大な景色が見つかるはずです。
より高解像度な写真は以下のリンクより
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