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天ク美オタクは霞が関の夢を見るか 官庁訪問体験記①
ご無沙汰しております。初めましての方は初めまして、X(旧Twitter)のFFの皆様はいつもお世話になっております。さて、この度私Noahは、本年度の6月に行われた国家公務員総合職官庁訪問に挑戦し、無事に某省庁から内々定をいただくことができました。
教養区分受験記と同様に(とはいえ諸事情で教養区分受験記以上にぼかすところがあるのはご了承ください)実際の体験をここに綴ろうと思います。相変わらず拙い文章ですが、どうかお付き合いいただけると幸いです。
全部一気に書くと非常に長くなるので、恐らくは三部作か四部作くらいになると思います。
官庁訪問とは
本題に入る前に、国家公務員総合職の官庁訪問について軽く説明しておく。官庁訪問とは、ざっくり言うと民間企業就活における面接試験に相当するもので、大体6月中旬に実施される。
日程
今年の日程は6月11日から6月24日まで、何と2週間もの間霞が関で(休日を挟むとは言え)ぶっ続けで毎日面接をし続ける狂気のイベントである。ざっくり分けて4クールに分かれており、今年の場合スケジュールは
・第1クール:6月12日~6月14日
・第2クール:6月17日~6月19日
・第3クール:6月20日~6月21日
・第4クール:6月24日
となっていた。詳しい説明は人事院に譲るが、基本的にこの各クールで受験生は最大3省庁に訪問し、第4クール6月24日の午後5時に内々定をどこかの省庁から言い渡されることがゴールとなる。
難しさ
当然だがこの官庁訪問、参加できるのは国家公務員総合職試験に最終合格した人間のみである。つまり、一応は国から「国家公務員総合職職員としてやっていける学力と素質はあるね」と認められた人間のみが挑戦権を持っているのだが……
この官庁訪問、有名な話ではあるがめちゃくちゃ志望者を落とす。再チャレンジ勢や辞退者の存在もあることから人事院の資料から正確な倍率は測れないが、総合職事務系に限れば概ね志望者の3割程度しか最終的に内々定を勝ち取れない。
合格するだけでもそれなりに難しく、10倍以上の倍率を潜り抜けてきたような最終合格者を7割近く振るい落とすのがこの総合職官庁訪問なのである。
具体的な内容
形式的な話をしたので次は中身、官庁訪問の具体的な流れについて説明する。官庁訪問は1日の朝から晩まで行われ(省庁によっては終電を書かせるらしい)、その中で複数回面接やグループディスカッションなどをこなしていくのが基本的なスタイルになっている。
面接は大きく分けて、①入口面談②人事面接③原課面接④出口面談の4種類に分けられ、殆どの場合は1日で全部経験することになる。各種類の大まかな内容としては
①入口面談
その名の通り1日の最初に行われる面談。人事の職員が訪問者に対して1日に流れの説明や原課面接で訪問したい部局(場合によっては課室まで)のヒアリングなどを行い、実質的な選考はここではほとんど行われない。
②人事面接
これが一般的な就活の面接に最も近いと思う。事前に提出する志望動機や志望省庁などを記した訪問カード(いわゆるエントリーシート。省庁によって名前は色々変わる)を基に人事課の職員から色々と質問をされる面接。ここの評価で官庁訪問の成否が決まると言っても過言ではなく、後述する原課面接での学びなども含めて深掘りされまくる。
③原課面接
一般的な就活における職員訪問に相当する面接。原課(=官房(人事、総務、会計など)以外の課室)で実際に働いている職員の元へ赴き、説明を聞いて質疑応答を行ったりディスカッションを行ったりする面接で、会議室を区切ったブースで行われたり実際の職場で周りの人が働いている中で行われたりする。これが評価の対象かどうかは省庁によってまちまち。
④出口面談
入口面談と反対に、1日の最後に行われる面談。ここも担当者は人事の職員で、訪問者に対して1日を通しての評価を伝える。ここで比較的高い評価なら次のクールに進むことができ、芳しくなければそこでその省庁の官庁訪問は終了(=以降は訪問できない)である。
ここでの評価は省庁や職員によっては非常にウィットに富んだ文言(霞が関文学ともいう)で伝えられることもあり、訪問者を疑心暗鬼に導くこともあるとかないとか。場合によっては省庁側から宿題が出されることもある。
それではここから私の実際に体験したことを記していこうと思う。繰り返すが諸々の事情で完全に体験したことを書くわけにはいかず、所々ぼやけた表現になってしまうことをご了承いただきたい。
第1クール
1日目 A省
前日に東京入りしたはいいものの、成田から東京都心部への接続を完全に舐めていたためホテルに23時半にチェックインする事態に。持ってきた荷物が大量だったのもあり荷解きやら晩御飯やらで就寝はなんと1時を回ってしまった。
朝寝坊だけが心配だったが、きっかり朝5時に目を覚まし、持ち込んだ食料で朝食を軽く済ませた後、軽くシャワーを浴びてから身支度をさっさと済ませ、余裕をもって宿を出ることに成功。田舎者には無縁な満員電車に辟易しながらも、きちんと集合時間30分前に霞ケ関駅に到着。
この日の流れはざっくり言うと
入口面談→原課面接①→原課面接②→人事面接①→原課面接③→人事面接②→出口面談
といった感じ。
・入口面談:係長(採用担当)
官庁訪問カードの中身の確認と原課で聞きたい話の確認程度で早々に終了。
・原課面接①:課長補佐
最初は課長補佐級の職員の方を当ててもらい、本格的に官庁訪問がスタート。いきなり人事面接のような質問(志望動機や原体験)が飛んできたのは焦った。一通り済んだ後にその方が所属する課室に関する政策について説明を受けた後、質疑応答とディスカッションを行った。
説明された政策に対しては日頃から感じている疑問と考えがあったため、それをディスカッションの中で真正面から伝えた。それも含めて職員の方からはよく政策に対する考え方が出来ているという評価を頂き、最後のフィードバックでも日常生活に根差した細かい部分に着眼した鋭い指摘だったという言葉を頂いた。
1時間以上もの間政策に関するディスカッションが続き、細かい部分にまで議論が及ぶ中でしっかり事前知識と説明してもらったことを応用しながらついていけたので、かなり順調な滑り出しであると手応えを感じていた。
・原課面接②:企画官
1回目の原課面接から1時間もしないうちに再び呼び出され、2回目の原課面接がスタート。この方は以前参加したワークショップで登壇されていた方で、なんと職員の方も私のことを覚えてくださったので思った以上に緩い雰囲気で原課面接が進んでいった。
他省庁連携や国際連携の話をしつつ、好きなコーヒーの銘柄や趣味の話などのアイスブレイクを挟んでいるとあっという間に時間は過ぎていき、2回目の原課面接も無事に終了。
・人事面接①:企画官(採用担当)
昼休憩を済ませてからしばらく経ったところで再び呼び出され、次は人事面接と告げられる。人事課の採用責任者と一対一で面接することになった。
原課面接で学んだことや志望動機、ガクチカなどについて話し、最後に『A省のイメージは?』と問われた。少しだけ考える時間を頂いたのちに官庁訪問前のイメージと2回の原課面接で変わった部分、変わらない部分を伝えたところ、好感触だったことを覚えている。
・原課面接③:課長
人事面接を終えると日も暮れかけたため夕食休憩の指示が入り、コンビニ飯を済ませて少し眠くなってきたところで呼びされる。面接会場に連れていかれている途中、『次の面接は結構重要だから頑張ってね』と言われて一瞬で眠気が吹き飛ぶ。
そうして連れていかれた場所(後で聞いたが局長室らしい)で待つこと5分、『どうもどうも』という言葉と共に現れたのは浪花節が特徴的な気のいいおじ様。席に座るなりいきなり『これからの日本はどうなると思う?』という質問が飛んできてびっくらこいた記憶。それまでの業務説明+質疑応答(もしくは逆質問)スタイルではなく最初からフルスロットルで政策議論を持ち掛けられ若干たじろいだが、これまでの原課面接や官庁訪問以前に培った知見をフルに活用し1時間何とかついていった。
これからの日本の在り方や補助金行政について、行政官としての心構え等々省庁の所管とは少し離れた、俯瞰的な話が多かったのが印象的だった。あっという間に1時間半が経ち、『非常に楽しかった、ありがとう』という勿体ない言葉を頂戴しこの日最後の原課面接が終了。
・人事面接②:課長補佐
課長面接後すぐに人事面接が入り、待合室に戻ることなく面接会場に直行した。官庁訪問1日目ももう終わりが近いということでそこまで長い面接ではなく、1日を通じての振り返りや志望動機やA省でやりたいことがどう変化したかを聞かれた。
出ていくときに『お疲れ様、今日一日よく頑張ったね』と声をかけていただいたことを覚えている。
・出口面談:係長(採用担当)
すっかり日も暮れ落ち、同じテーブルの訪問者とその日の感想を言い合っている時に「出口面談です」と呼び出された。入口面談と同じ職員の方が再び対応して下さり、一日の評価や2クール目の案内がされる。「1日を通じて色々な職員に会ってもらったが、能力と人柄共に省としてトップに近い評価をしている。2クール目以降も引き続き知見を深めて欲しい」と告げられ、1クール1日目は終了。
事前に「終電になることもある」的な話を聞いていたこともあり、覚悟をしていたが、意外とそこまで遅くはならず、帰りに銭湯に寄るくらいの余裕はあった。
2日目 B省
2日目もきっかり5時に起床し、同じように霞ケ関駅へと向かう。これは余談だが、霞ケ関駅は丸の内線・千代田線・日比谷線の各線でホームがかなり離れており、省庁へと向かう出口によっては電車を降りてから駅内でかなりの移動を強いられることもある。実際これで到着時間を見誤り無事遅刻した知人もいるので、これを読んで官庁訪問へ行く地方在住の方はちゃんと駅構内図を調べておくことをお勧めする。
それはさておき、この日の流れは
メンター面談→入口面談→人事面接①→原課面接→人事面接②→出口面談
といった感じ。
B省は訪問者に『メンター』と呼ばれる若手職員を付け、この職員が官庁訪問中様々なことをお世話してくれる形となっている。こういった形を取っている省庁は少なからず存在するが、全員に平等にメンターを付けるところもあれば、いわゆる『見込みアリ』の人にのみ付けるところもあり、その運用は省庁によってまちまちである。
・メンター面談:係員
メンターは入省してそこまで日が経っていない若手職員が担当する。私は学部卒(予定)なのでそんなことはなかったが、場合によっては学部卒若手職員が年上の院卒(予定)訪問者のメンターになることもあるらしく、その時は若干気まずい空気が流れるという謎の経験談を聞かされた他は官庁訪問で不安なことはないか、どういう分野を回りたいかという事務的な確認だけで終了。
・入口面談:係長(採用担当)
続いて人事課の職員による入口面談。志望動機の確認と、『この省で何を実現したいのか』ということについて軽くプレゼンをすることを求められた。自分の経験を交えつつ、問題意識を伝えた後に省庁が所管する法律や制度をどういう風に活かし、ステークホルダーに働きかけていくのかも盛り込んで自分が実現したいことをまとめたところ好印象だった。
・人事面接①:課長補佐
この日は人事面接から本格的に官庁訪問がスタート。訪問カードに基づき志望動機やガクチカについてかなり突っ込まれ、何とかそれに打ち返していたところ、ここで致命的なミスを一つしてしまう。
官庁訪問では、志望動機を述べると必ずと言っていいほど『原体験』について話すことを要求される。要するに、『何でそれをやろうと思ったの?』という理由付けを自分の経験に基づいて話せということである。これは官庁訪問とは少し違う例だが、医者になりたい人が『生まれつき難病を抱えていたが、医療技術の進歩で完治まで持っていき命が繋がった。自分が受けた医療の恩恵を他の人にも齎すためにも医師を志した』と言うような具合である。
そして、官庁訪問における原体験は『エピソードがその省庁を志望する理由とマッチしているか』だけではなく『(国家一般職や地方公務員、民間ではなく)なぜ国家総合職で入省したいのか』というところまで結びついている必要がある。どれだけいい志望動機を書いても、原体験があやふやだと一気にその評価は下がるのである。
そして、私はこの原体験の伝え方を間違えた。正確に言うと、面接官が『原体験は?』という感じのストレートな質問ではなく少し捻った聞き方をしてきたので、それにうまく合わせようとした結果原体験の伝え方が志望動機が少しズレてしまったのである。そしてそのまま修正をする機会を逸し、消化不良のまま人事面接を終えた。後述するが、ここでのミスが評価に響いてしまうのである。
・原課面接:課長補佐
B省は何と原課面接が一回だけという(恐らく)珍しい省庁で、そのためか入口面談では課室まで詳しくヒアリングをされた。
原課面接が評価対象かどうかは事実上ブラックボックスとはいえ、それでも全ての行動のパフォーマンスを気にしてしまうのは官庁訪問参加者の性。一回こっきりの原課面接は、非常に緊張したことを覚えている。
そんなB省の原課面接だが……正直に言えばあんまり書くことがない。本当に『ザ・原課面接』という感じで『政策説明→質疑応答→逆質問』という王道をしっかり押さえているなーと感心した覚えがある程度である。政策の話は面白かったし質疑応答がいつの間にか政策議論みたいになって白熱したのだが……
B省の職員の方は全体的に真面目な雰囲気で、原課面接でいきなり人事面接を始めたり好きなコーヒーの銘柄について熱く語ってくるA省の職員の方とは大きく違っている印象が強かった。一口に『役人』や『官僚』と言ってもこうも違うタイプがいるものかと思った記憶がある。
・人事面接②:課長補佐
まさかの1回目と同じ人。1回目でミスをした自覚があったため若干気まずかった。原課面接で得た学びや志望動機がどう変わったかなどを伝えた後に、若干パーソナリティに係る質問をいくつかされ、2回目の人事面接は特にミスをすることもなく終了。
・出口面談:係長
何と日が暮れるか暮れないかといううちに出口面談に呼び出された。今回は入口面談とは別の職員の方が担当して下さり、1日目と同様に評価を伝えられる。
「人柄と能力、特に政策知識やこれまでに培われている教養に基づく思考力については申し分なく、省庁職員として十分にやっていける人物であると考えている。但し、志望動機と原体験の結びつきの弱さや実現したいことについての省のミッションとのズレが存在しており、弊省としてはそこを修正していただきたいと考えている。2クール目に期待している」という何とも言えない評価(=当落線上、ボーダー)ではあったが無事2クール目に進むことは出来た。
1日目のA省の志望度が高いままであったし、人事面接での原体験の伝え方がまずかったことも自覚していたので2クール目に残っただけでも幸運だと思うべきと考え、2クール目で挽回することを決意し、2日目も終了。
3日目 C庁
3日目のC庁は正直な話をすると「業務が面白そう」というくらいの軽い志望動機で訪問した(説明会に何回か出たくらいでワークショップの類も一回も出たことがないし、何なら訪問カードは1時間で書いた)。
ここの官庁訪問は「とにかく待機時間が長かった」ことを覚えている。この日の流れは
入口面談→原課面接①→原課面接②→人事面接→出口面談
とかなり簡略だった。原課面接の時間自体も気持ち他の2省より短かったような。
個人的に、官庁訪問で見られている体力は大体二通りあると思っている。一つ目は「単純な持久力」、すなわち、ずっと面接やらグループディスカッションやらをし続ける中で、頭を回転させてついていけるかという体力である。二つ目は「忍耐力」、一つ目とは逆に何もない時間がずっと続く中でどこまで平静を保っておけるかという体力である。
官庁訪問、特に第1クールと第2クールは面接以外での態度も見られているのではという疑心暗鬼も手伝って、待合室の雰囲気はかなりピリピリしている。同じテーブルの志望者と話すくらいは出来るが、それもタイミングによっては全員面接で出払っていて独りぼっちということも珍しくない。
そのため、待機時間が長いというのはそれだけでかなりの苦痛になるのだ。中高の定期試験で問題を解き終わってから試験時間が終わるまでの虚無の時間、あれがずっと続くといった感じである。
・入口面談:係長(人事担当)
最初からかなり突っ込んで志望動機を深掘りされるなど、前の2省とは随分入口面談の形式が違っていた。3日目訪問なので仕方ない話ではあるのだが、とにかく志望度と志望動機はかなり気にしている様子だった。
趣味欄に旅行と書いていたためか「これまで旅行した中で一番良かったところは?」という質問が飛んできた。2分くらい迷った末に金沢と答えたら「その理由は?」とさらに深掘りされてまた2分考える失態(?)を演じてしまった記憶がある。
・原課面接①:課長補佐
前の2省と同じく最初は課長補佐級の職員の方を当てていただき、官庁訪問がスタート。何とこの方が大学OBであり、最初の十数分は大学トークで大いに盛り上がった。
自分の興味ド真ん中の政策をやられている方で、分野の将来性や抱えている問題、他国との国際協力などの幅広い話を聞かせてもらった。ちなみに話している途中にも随時大学トーク(と地元トーク)が挟まっていたので多分半分くらいの時間は大学と地元の話をしていた。
後半は質問したいことを山ほどぶつけ、大満足の状態で1回目の原課面接が終了。
・原課面接②:企画官
昼食を済ませてから1時間ほど経過したところで2回目の原課面接に呼び出される。今度は先ほどと打って変わって、自分があまり興味のなかった分野の方を付けてもらった。このように、官庁訪問では自分が興味を持っている分野だけ回るとは限らず、省庁側からの『知見を広げてこい』という意図もあってか興味関心が薄い分野へと回されることもままある。
説明会も出たこともないし、白書の該当ページに何が書いてあったかすら若干あやふやだったためこれは終わったか?と戦々恐々としていたが、意外にも初めて聞く話が大量にあるおかげで質問したいことには困らず、職員の方が話しやすかったこともあって危惧していたような事態には発展しなかった。逆に私のパーソナリティ(官庁訪問的には多分珍しい大学&変な学部のため)に興味津々のご様子で質問攻めにされた時は面食らったが。
1時間ほどで人事課の目論見通り大量の知見を獲得し、職員の方に握手までしていただいて2回目の原課面接は終了。チョロいので『C庁も悪くないな……』などと考えながらエレベーターに乗った記憶がある。
・人事面接:企画官(採用担当)
何と2回目の原課面接からここまでで3時間の待機。しかもその間にバンバン志望者が出て行っては帰ってこないという事態が発生し、私が人事面接に呼ばれた時点で待機室には5人程度しかおらず、最初に6人いた私のテーブルは私以外誰もいなくなった。
不安な中待合室を出ていくと個室に通され、中には人事課の企画官が待っていた。何故か座った椅子と企画官のテーブルがめちゃくちゃ離れていた。
面接内容はいたって普通だったが、第1クール最終日というのもあってか「3日間訪問して疲れてない?」という感じの質問が来たことを覚えている。正直かなり疲れていたがストレートにそれを言うのがダメなことは分かっていたので「体はちょっと疲れてるかもしれないですけど、いろんな話聞けてるんで楽しいです!」みたいな感じに若干濁した。
・出口面談
人事面接からさらに1時間半が経ち、待合室の人数は開始時の30人程度から3人まで減りこれは1人残るまで終わらないデスゲームかなどと軽口を叩いていると呼び出され、出口面談をする旨を伝えられる。ここも入口面談と同じ職員の方が再び対応して下さり、「1日を通して高く評価している。2クール目はより重要なステップを踏んでいただきたい」と告げられ、1クール3日目は終了。
第1クールの中で最も疲れた1日だった。帰りに友人と合流し中華料理屋で1クール目の感想(彼も全勝してた)を語り合った後にホテルに帰着。1クール目を全勝で終えられた安堵感を胸にその日は泥のように寝た。
番外編 休日
今年の日程では第1クールは水木金に行われ、終わった後は土日が待っている。官庁訪問中の土日は、人によっては省庁から出された課題に取り組んだり、あるいは民間就活や他の公務員試験を受験するなどしているという話もよく聞く。実際に筆者の友人も地元まで地方公務員試験を受けに帰っていたそうだ。
そんな中私は……
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赤坂離宮で優雅にアフタヌーンティーを嗜んでいた。
呑気すぎるだろと言われても仕方ないのだが、あまりにもストレスフルな官庁訪問期間中、楽しいことをやっていないと精神が持たない気がしていたので、休日は何も考えずに東京ライフを満喫すると決めていたのである。
同じく官庁訪問を受けている友人が暇していると言っていたので、せっかくの機会だしということでこの赤坂離宮のアフタヌーンティーを楽しんでみることにした(1セットが2名用なのでぼっちではこれを頼めないのである)。
雲一つない晴れ渡った空の下、美しい離宮を見ながらゆっくりと堪能できるこのアフタヌーンティー、何と1セット6,600円という破格の値段である。読者諸兄も機会があったら是非楽しんで欲しい。
今回はここまで。次は官庁訪問の天王山、第2クールについて書いていく。それでは