![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79572017/rectangle_large_type_2_d5bdbb48af87fca2292cda29dc024e2c.jpg?width=1200)
フェスで浴びるバンドのステージ #犬王
『犬王』
原作:古川日出男「平家物語 犬王の巻」
監督:湯浅政明 脚本:野木亜紀子
🔆ネタバレあり感想🔆
前置き
"フェスのトリで、犬王というバンドのステージを
みている"という感覚だった。
わたしはライブキッズで、ライブハウスもフェスも
音楽もだいすきだけどほんと、そういうときの、
"音楽を浴びた!"という感覚に1番近かった。
湯浅監督、野木さんで、ああ磐石の制作陣だなと
発表当初から思ってたけどなにより、スクリーンで
シネマ音響でアヴちゃんを拝める?!?!!!と
思って、ずーーっと公開を心待ちにしていた。
うちの県には、なんと公開対象上映館が、ひとつ
しかなかったから、高速乗って往復3時間かけて
観てきた〜!観られてよかった☺️
映像と音で"浴びる"
始まりからすごかった、
一コマ一コマをあの速さで、時の流れを表すとこ
めっちゃすごくて鳥肌だった…
初手に流れた映像が、後にになってもう一度きて、
伏線回収される流れ気持ちよくてとても好き。
忘れた頃に回収してくるの良かった✨
特に、辻斬りの犯人のところ。
辻斬りの噂が出たあと、犬王のシーンに切り替わる
から、これが正体かな…?てなるけど観ていくと、
そんなことする子じゃないな、ミスリードだな!て
思った。けどその後すっかりその話題忘れてて、
最後の方に、犯人がわかる流れよかったなあ
犬王の産まれてくるシーンどうして突然異形の子
産まれてるんだろう、南総里見八犬伝とかみたいに
呪い系のなにかなのかな……??とか色々考えてた
呪いじゃなくて、彼を生かすためにそうなってたの
新しくて良いなあとおもった
"ミュージカルアニメ"と謳ってるだけあって、
やっぱり音楽シーンはすごかった………!!!
まずはアヴちゃん、アヴちゃんを起用して下さった
制作陣の方に心から感謝したい…!!!
スクリーンでアヴちゃんの声を聴くことが出来て、
とても嬉しかった
犬王の歌唱を表現できる人、というのは勿論のこと
歌以外のシーンでも、特に子供の頃の犬王とか、
小さいことを笑い飛ばせていたずら好きな男の子の
声にぴったりで、最高〜!演技も上手だった
だいすきが高まった、帰りの車はもちろんずっと
女王蜂オンパレード✨
(「夜天」/女王蜂 は、自分のお葬式あるときには
絶対かけて欲しいなと思うくらい好きな曲だから
ぜひ1度聴いてみてほしい…魂のおすすめ曲)
申楽と琵琶法師のストーリーだし、絵柄も和風で
完全に伝統芸能系の音楽なのかなと思ってたら、
度肝を抜かれました。
完全に!ごりごりのロック…!ばちばちのサウンド
初手の友一の橋のとこでの演奏で、?!?!?!?
となった、ばりかっこいいです………………!!
森山未來さんの渋い歌声、歌い方もまじ最高……
曲自体は、同じ節の繰り返しで単調だけど、
カメラアングルの面白さとか細かい演奏シーンで
飽きづらさを演出してるな〜と思った。
確かに、その時代のその場面では、
友一のあのスタイルは完全に新しくて、斬新で、
そのことだけで既に道行く人々にとっては情報過多
だから、節は単調で繰り返しくらいじゃないと、
ついていけないのでは、とか思ったり。
いや、それにしてもバンドサウンドまじかっこいい
からの、犬王のターン!!!
そんな醜い四肢で舞台に立つな!と言われた後に
自分の名前を冠した舞台に立つの、めちゃくちゃに
映える
舞台の演出シーンが終始細かいところほんと好き。
当時の時代でも、"これありそう"と思わせる感じ
とても良い〜…
観客に、共感して世界観に入り込んでもらうためのギミックのひとつだなあとしみじみ。細かい。
手拍子やコール&レスポンス促したりするのとか、
徐々にノリ方がわかって爆発する人々とか、
ほんとうにフェスそのもので、臨場感がすごい。
(今年は夏フェスいけるといいなあ…そろそろ戻ってきてほしいよあの空間)
大石さん、インタビューでも本当に大変だったと
仰っていたけど、ほんっとうに大変だったろうなと
思いました…素敵な音楽を浴びることが出来て、
最高でした心からありがとうございます……!!!
最初の壇ノ浦の村のシーン、めちゃめちゃに山口弁
で、県民としては、にまにませざるを得んかった🤤
亡霊のお父ちゃんの、甲高いのめちゃ可愛かった。
ストーリーも、個人的にはとてもすきだった。
わたしは、主人公補正のご都合ハッピーエンドだと
一気に萎えるので、あのラストはとてもすき。
「今、ここに有る」これは友魚と犬王の中での、
とても大事な言葉だと思うんだけど、それぞれの
選択がはっきり別れてたところが、ううう…
生きるということを犠牲にしてでも、生き方を絶対
曲げないことが自分たちの存在を証明することだと
命を燃やして叫び続ける友魚と、
大切なものを守るためなら、せっかくなれた素顔に
笑顔という仮面を再び被って自分を犠牲にする犬王
(笑顔の後で、無表情で演舞してるところがすごい
ぐっときた…)
どっちも、"今有る"ことを大切にした結果なんだと
思うと、ぁぁぁ〜…となる。
"名前が変わるとみつけられない"と何度も出てきて
名乗る、ということにとても重きを置いている作品
だなと思った。
最期の最期、首を落とされる瞬間に自分で名付けた
「友有」ではなく、友魚として死ぬところなんとも
言えん…そうか、そうなのか……となる…😭
生き方によって名前が変わり続けた友魚の亡霊を
ずっと"犬王"である彼が、長い年月をかけて、
見つけだしたのとてもロマンあって素敵だな……
最初に2人が出会った夜の橋で、星空の演奏シーン
すごく綺麗ですきだったけどラストにそれがまた
くるのもよかった、また無邪気な笑顔の2人がみれて
嬉しかったよ……………
3種の神器の設定とか、あの仮面との契約違いとかの
へんは正直飲み込めてない部分もたくさんあるから
これからもう少し深掘りしていきたいな〜!と
作画も、音楽もめちゃくちゃすごくて、
余韻ひたひたです、
素敵な作品を生み出してくださったことに感謝💐
2022.05.29