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短編・二人称ホラー小説『あなた』 ~変死覩者~
前書き
エロティシズムな空間や思想の渦巻く世界では、霊的な心霊現象は起きにくいとされています。原因は分かりませんが、個人的には「性の誕生は生の誕生」と、勝手ながら神聖な行為の一部、と私は解釈しています。
もしくは
性の話は万国共通とも言います。国や地域、人種だけでなく時代をも越えて共通なために、どうしても「悪意」ではなく「興味」の対象とされるのかもしれません。
しかし
多様性なこの時代。その「興味」が決して良い意味ではなくなっていくかもしれませんね・・・・・・
追伸
本作は『官能ホラー』という、私自身が見たことがないだけかもしれませんが、新たな挑戦をさせて頂いております。
「ホラー」+「エロ」という、B級映画オタクであれば至極当たり前な組み合わせでは御座いますが、一般的には凄くニッチでありどんどんと自分で読者層が限らせに行っているとも自覚しております。もはや個人的な趣味ですので、温かく見守って頂ければと共に、本作は決して見ない方がいいとも進言しておきます。
ホラー好きな方と、サブタイトルにもありますようにただのエロではなく「変質者」「変態」しか読まないで下さい。少しでも自分が「正常」だと自負されていて、常識的な感性が支配され変質に関して潔癖でいらっしゃるような方にとっては不快極まりないこと請け合いでございます。アップしながらも観覧注意どころか観覧拒否に近いです。
が
私のずっと前からのフォロワー様方からすれば「今更かよ」というお言葉も聞こえてしまうかのようです…
因みに
できるだけ直接的な表現はしないようには致しました。
新居
「あん・・・あ・・・ん・・・え?・・・ちょ、ちょっとまって、あれは・・・・・・?」
「ええ?・・・なによー」
あなた達はベランダの方へと視線を送った。立体駐車場のスポットライトで、外はもう夜更けにも関わらず明朝のように燦々と明らんでいる。そのライトを背負うかのように後光として人影のようなシルエットが締め切ったカーテンに照らし出されていた。
「ちょっと、見てきて。怖い・・・・・・」
「ああ、待ってて」
ゆっくりベランダへと、足音や気配をさせないように近づきカーテンを勢いよく開ける。が、そこには誰もいなかった。
「・・・多分、誰かが通った時に駐車場の明かりがついて、看板と鉄骨とかの影が組み合わさって人影みたいに映ったんだよ」
左右を見渡しながらそう言うと、センサーで点いたライトのタイマーが過ぎ辺りはまた真っ暗な闇に包まれた。安堵したあなた達は再度、ベットのスプリングの軋み音をけたたましく鳴らしながら、夜の営みへと励み近隣への配慮をすることもないような喘ぎ声と共に、一夜が過ぎていった。
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