朝の時間の攻略法~執筆編~
朝の方が作業効率が良い。
方々で言われている事だが、私は常々疑問に思っていた。というのも、私があまり朝が得意ではないからだ。体は起きていても頭は暫く眠ったままで、ちっとも働こうとしない。ようやっと覚醒してきたかという頃には大体出勤時間である。
それでも朝執筆をしてみようと思い色々試してみたが、やはり中々上手くいかない。やはり私と朝は相性が悪いのか。寝起きで作業なんて無理なのか。そう思って諦めかけたが、ふと「やり方が違うのではないか」と思い至り、備忘録として文字に起こしてみる。
あくまで私の場合は、という話なので、恐らく穴だらけの思考だとは思うが、どなたかの参考になれば嬉しい。
朝は執筆出来ない?
そもそも何故朝、起床後の方が効率が上がるのか。それは十分な睡眠を取ることで、脳内が整理され、起床後の脳はクリーンな状態になる。故に、複雑な作業でも作業効率が上がる。複雑なロジックを省いて端的に説明するとこういうことだ。
私にはそもそも睡眠時間が足りていないという大きな問題がある。長くて6時間、短くて5時間もいかない。どうにか改善したいのだが、気付けば8時間睡眠が出来る就寝時間をとうにオーバーしている。
睡眠時間をどう確保するかは今後また論ずるとして、では8時間眠れた日の朝はどうなのか、という話だ。
面白いことに、しっかり眠っても普段とあまり変わらないのだ。日頃の睡眠不足による睡眠負債のせいは勿論あるだろう。しかし休日だからと張り切って朝執筆をしようとしても、何も思い浮かばないのだ。一体これはどうしたことか。
思いついたら書ける
以前執筆をしようとしていた日は小説を書こうとしていた。パソコンの前に向かって1時間程。何を書こうか全く思いつかない。結局chatGPTの力を盛大に活用してアイデアを量産してもらい、これは! と思ったネタに食いつき執筆を開始した。
そうして書き始めて、驚いた。確かに書く速度は朝の方が速いのだ。それだけ頭の回転が速くなっている証拠だ。結局1時間程でキリの良い部分まで書き上げてしまった。アイデア出しの方が時間がかかるのはまあ、いつものことなのだが、それにしたって酷すぎた。
そして昨日も朝、同じようにパソコンに向かって、何も思い浮かばないと遠い目をする羽目になった。ちなみに今朝もだ。ネタ帳を見てもピンと来ない。困ったものである。
今朝は時間があったので、何故朝の方が効率が良いはずなのに何も思い浮かばないのだろうと考えてみた。朝食を摂りながら思索を巡らせている中で、ふと気が付いたことがあった。
数少ない朝執筆の成功パターンは、前日の内に雛形がある場合だということに。
二回に分けたら上手くいく
思い返せば、今まで朝書こうとして失敗してきた原因は、朝にアイデアを捻りだそうとして、そのまま執筆をしようと企んでいたときばかりだ。
結局出勤時間ギリギリまで何も思い浮かばない。一応思いついたアイデアがある日はそれをメモして残してみるが、帰宅後に見るとつまらなさ過ぎて逆に笑ってしまうくらいだ。結局仕事中に思いついたアイデアを元に記事にする、という日々が続いた。
そんな中、「続ける思考」を読んだ。著者は週一回Note上に文章を投稿しているそうなのだが、一回に書き上げようとすると中々上手くいかず困っていたところに、前日に雛形を完成させ、翌日の朝に推敲をして手を加えるようにしたら、自分でも納得の行く投稿が出来るようになったそうだ。一回で100点を目指すのではなく、50点と50点に分けて合計100点を目指す方が簡単だという発想だ。
この話を見て、自分も真似してみようと思った。夜に書き上げて、朝手直しを加える。
するとどうだろう、手直しの効率はやはり、朝の方が良いのである。朝の方が表現が洗練されている(ような気がするだけかもしれない)し、夜の執筆中には気が付かなかった誤字にも気付きやすい。
ということは、やはり今までの私のやり方が間違っていただけだったのだ。散々文句を言って申し訳ない気持ちになると同時に、何故もっと早く気が付かなかったのか悔しい気持ちにもなる。これからは、最低でも夜にアイデアを出してから朝執筆に取り掛かることにしよう。
悩みが解決したところで、どうしてこのような事態になるのか考察してみる。
朝は発想の種が無い
先程、朝の脳は整理されていると述べた。これが原因なのではないかと考える。
頭の中が整理され過ぎていて、アイデアの着火剤となる雑念が少ない状態だから、着想を得にくいのではないかという話だ。
「三上」という概念がある。これは欧陽脩という北宋時代の人物が唱えた、アイデアが浮かびやすい場所を示す言葉だ。馬上、枕上、厠上。つまり移動中、布団の中、用を足す最中という、他のことに気を取られている、或いは考え事をしようと躍起になっていない、リラックスした状態の方がいい考えが浮かぶということだ。
そして「思考の整理学」の中で、この枕上というのは朝起きた後、微睡んでいる最中のことだと話していた。睡眠中に情報が整理された結果、結びつきが起きて良いアイデアが浮かぶのだと。
私は「思考の整理学」が好きだが、この説には少し異論を唱えたい。朝、微睡んでいる最中にアイデアが浮かんだことなど、一度も無いからだ。寝る前に色々な物事を反芻していたら不意に何かを思い付いた、ということは何度もあるが。
もしかしたら普段から十分に睡眠を取れている人は、朝の方がアイデアマンになれるのかもしれない。しかし私は、日中や夜、仕入れた情報についてあれこれ思案している内に、今まで得た知識と結びついて「これってこういうことか?」「この論ってこれにも当てはまるんじゃないか?」と考えが深まることが多い。夜、入浴中に考えついたことは数え切れない。
ひょっとするとこの辺りは、完全に個人差が生じる部分なのかもしれない。朝は楽観的、夜は悲観的になりやすいらしいが、私は元々悲観的に考える人間だ。だから夜の方が脳との相性が良く、色々なことを思い出すのかもしれない。
そんな人間が、他の人の真似をして朝に色々考えようとしても、土台無理な話だったという訳だ。そしてその部分だけをあげつらって、「やはり朝に活動するのは意味が無い」と結論を出そうとしていたのは愚の骨頂だ。寝起きの脳の方が効率が良いというのは、やはり事実だったのだ。
まとめ
以上、朝執筆が上手くいかない原因と考察をお送りした。冒頭でも述べた通り、私の体感の話でしかないので恐らく間違っている。というか、もしかしたら「朝に複雑な作業をするのはいいが、アイデア出しまでしようとするな」と既に説いている人が居るかもしれない。だとしたら大層な遠回りをしてしまったものだ。
兎にも角にも、重要なのは私にとって最適な朝の時間の使い方が定まりそうだということだ。これから更に効率を上げて、色々な物事に挑戦出来ると思うとワクワクする。
もしこの方法も間違っていたら、また結果を考察してやり方を変えてみようと思う。上手くいってもいかなくても記事にする予定なので、良ければまたお付き合い願いたい。