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【読書の時間】あなたにとっての”美味しい”ってなんですか?

題名:おいしい記憶
著者:上戸 彩/小島 慶子他

▶︎この本を選んだ理由

食事系の本を読みたいなと図書館で探していたら目に止まった一冊。
いろんな著名人のエッセイが集められていたので、いろんな食に対する価値観が知れると思い読んでみました。

後半には、キッコーマン株式会社が毎年公募している「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください コンテスト」の入賞作品10本が掲載されています。

他人が「おいしい」と感じる場面をちょっと覗いてみたい、そんな方におすすめです!

▶︎感想

美味しいものと言っても一人一人その捉え方が違う。

高級食材や味付けというわかりやすいものだけではなく、
どんな環境で誰といつ、どんなものを食べたのか。

全く同じものを食べたとしてもその状況が違うと感じる味も違ってくる。

残るのは、味を介した記憶。

私の美味しい記憶はなんだろう。

幼少の頃、学生の頃、社会人成り立ての頃、子どもが生まれた後、現在。

時間軸で見るといくつか思い起こされる。

その年代で変化はあるものの
食への興味として一貫しているのは、未知に対する好奇心である。

子どもの頃は、
本来なら口にしないものへの興味が強くでていた記憶がある。

角砂糖をそのまま食べたらどんな味なんだろうとか、
お酒のおつまみや仏壇やお墓に供えてあるお菓子に妙に興味があった。

20代から30代前半においては、
行ったことのない店、食べたことのない料理、流行りのスイーツや雑誌に載っているお店、ちょっと背伸びしたおしゃれなお店など、
未知なる世界に触れることで経験値上がり、それが自己成長に繋がると思っていた。

30代後半から現在40代前半ではどうだろう。
流行りのものを追いかけるよりも、
自分が欲しているもの、好きなものを好きなように食べることを求めるようになった。

これまでの過程を経てたうえで、
好奇心の追求は、面白さがあるが
一方で、終わりがなく無限に広がっていく。

そんな中で記憶として残るのは、
シンプルに、明日もまた食べたいと思えるかどうか。

今の自分にとってそれは、
自分で作る毎日の朝ごはんだ。

これは、自分の料理が上手くて美味しいということではない。

ベストなコンディションで、
好きなものを好きなように食べる。
ただ、それだけのことである。

例えそれが納豆ひとつだったとしても成り立つことである。

これからも1日のスタートを心地よく過ごせるように、”美味しい”朝食を食べていきたいと思う。

▶︎印象の残った一節

中でも印象の残った一節を3つ紹介します。

家庭で作る料理に、店で出すもののようなおいしさを求めなくてもいい

正に同じことを考えたことがある。それは、子どもが家の食事よりも外食を美味しそうに食べていた時。
ショックを受けたと同時に、外食は万人に受けるように作られていて、それを対価にしているわけだから美味しくないと成り立たないと自分に言い聞かせた。
家での食事は、別の価値があると信じている。

食べたいものを好きなように食べる

これは、今の私の価値観そのもの。
高級食材も流行りのドレッシングもいらない。
自分の体と向き合い、欲するものをシンプルに味わう。それが日々の活力になりニュートラルを保つ秘訣である。

いつかは、私が母の料理に感じたように「ママのあの味が好き」と言ってもらえたら、嬉しいな。

最近同じことを思った。
というのも私自身が最近になって私の母の味が好きだと思えるようになったからだ。
これには、自分が親になって今まで気づかなかった感情に気づいたという背景がある。
これと同じように我が子もいつかママの味が好きと思ってもらえたら純粋に嬉しい。


最後まで読んで頂きありがとうございました!
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