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「香水の薫りがするお香 siki」ブランドを始めた理由とこれから。
はじめましての方、毎度どうもな方も、こんにちはマエダ イオリです。三重県津市を拠点に、香水の薫りがするお香ブランド「siki」のプロデューサーをしています。
今回はsikiの誕生秘話をつづります。
2024年6月 お香ブランド「siki」がローンチしました。
「自分のブランドを創りたい。」
漠然とそんな想いを抱えて生きていました。クリエイティブから離れた仕事をしてきた自分にどこかコンプレックスすら持っていたかもしれない。
ローンチまでの日々は、想いをカタチにするため自分のコダワリと向き合い続けた1年でした。辿り着いたのは香水の薫りがするお香。
「siki」は僕のコダワリが辿り着いた末に誕生した、お香ブランドです。
fragrance incense sikiとは??
「siki」は香水の薫りがするお香のブランドです。
香水の原液となる濃厚な香料からお香をつくってます。
siki:四季
「日常に季節を感じる余白をつくる」をステートメントに掲げています。
忙しい日々の中で、空や木々に目を向けてリラックスする余白をお香を焚くというキッカケでつくりたいと考えてます。
街と自然の共存
私たちの生活は街と自然が共存しています。ビルの隙間風も木々の騒めきも共に季節を感じさせます。
そんな背景から、まずはcityとnatureの2種類のお香からスタートしました。
city:ラグジュアリーホテルのロビーをイメージした薫り。
洗い立てのシーツのような清々しいアルデヒド(石鹸)のトップから、ローズ、アイリス、ホワイトリリーなどのフローラルノートへ。 ラストは温かみのあるムスクが人肌を感じさせ、都会の喧騒から解放されたような癒しの空間を演出します。
nature:リゾートホテルやヴィラをイメージした薫り。
瑞々しく爽やかなザクロやレッドベリーのトップノートから次第にパチュリーやホワイトセダーウッドのウッディーノートやアンバーへ変化し香りに深みを感じさせます。
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ジグネクチャーアイテムとして、京都 鞍馬石を加工して製作したお香立natureもローンチで同時発売しました。
手を加えない自然な石の魅力がダイレクトに伝わるプロダクトです。
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ジグネクチャー第二弾としてビルの石壁をイメージしたcityも現在製作中です。
水晶など鉱石を加工して手に取りやすいお香立としてつくりました。予想を超える好評でローンチ2週間でsold outしてしまいました。現在は石の種類やサイズも増やしてラインナップしています。天然石は個体差があるので、ポップアップでは手に取って選んで頂けます。
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お香の種類も春までの2種類追加される予定です。50本と100本のセットも出来上がります。
siki立ち上げの背景
なぜ突然お香ブランドsikiを立ち上げたのか?そんな質問をよくいただきます。
遡るとお香とは少し離れます。
僕は本業でもあるクリニックの経営が軌道に乗り、新しいビジネスとして障害者の就労支援施設の立ち上げを検討していました。僕が見る限り福祉業界自体がポジティブな状態ではなく、周辺にイケてる施設も見当たりません。多くの施設は以下の悩みを抱えていました。
・採用募集しても人が集まらない。
・利用者が集まらない。
・モノを作っても売れない。
これはチャンスではないか。働く人・利用する人・購入する人のすべてが魅力的に感じるブランドをつくれば課題を解決できるはずだ。全国規模で見ると、素晴らしいブランドを持つ施設がいくつかある。
まずは、社会に認められるプロダクトと楽しくクリエイティブに働ける職場を準備しよう。そんな想いからブランドの立ち上げが決まりました。
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なぜお香なのか
僕がつくるブランドなので、想いが込められるモノでなくてはいけない。なにをつくるか決まるまで非常に難航しました。好きなモノ=つくりたいモノではない。
自分自身が購入したいモノじゃなければ、自信を持って販売できない。今まで、一流といわれるサービスや製品に多数触れてきた自負があり、僕の購入ハードルは絶対に低くない。そんな自分が欲しいと思うモノ。。。。。
散々悩む中で、定期的に購入するのに好きなブランドが定まっていないモノがありました。それがお香です。
今まで様々なモノを使用してきましたが、コレというモノに出会えていませんでした。僕が挑戦する余白を感じます。
将来的に障害がある方が製造することも可能そうです。
理想のお香を創ろう、こうしてお香ブランドをつくることが決まりました。
香水の薫りがするお香ができるまで
理想のお香開発は簡単ではなく、構想からローンチまで一年以上の期間を要しました。アリモノの香料ではどこかで嗅いだことがあるお香になってしまい、sikiとしてリリースする価値を感じません。
ターニングポイントは、試作中の遊びで愛用する香水でお香を作ってみたことでした。芳醇な煙の中に奥深い薫り….コレだ!!!!
しかし、市販されている香水でお香を作ると一箱10,000円以上の販売価格になってしまいます。これは香水から自分で作るしかない。
お香を作る為の香水作りという回り道が始まります。まずは香水の原液を希釈せずに卸してくれる業者探しから苦戦しました。30件ほど問合せて、交渉に末一件だけ対応してくれる業者さんが見つかりました。
そこからは、イメージするニュアンスで香水を作る→お香のサンプルをつくるの繰り返しです。香水として良くてもお香としては微妙というパターンもあります。煙で薫りが濁ったり熱で薫りが飛ぶのです。数えきれない試作を繰り返し、現在販売する2種の元となる香水が完成しました。
いざお香の量産にすすむと、今度はsikiが希望する配合では強度が足りないことが発覚。香料が多すぎて量産時に折れてしまうのです。
薫りのコダワリは捨てきれず、通常より一回り太くして炭とノリで圧縮して成型する製造方法で解決しました。(通常はタブ粉と水を練って製造する)
製法をかえた副産物として、コゲ感がないクリアな煙と美しい砂のような灰が手に入りました。結果的にこの製造方法がよりsikiらしさをつくることに繋がりました。
周囲に協力して頂きながら、七転八起で完成まで辿り着くことができました。
sikiのこれから
ローンチして約半年。沢山のお客様に恵まれていますが、まだまだ未完成で改善することばかり。
実はお香も増産する度、少しずつブラッシュアップしてます。(現在Ver.3)
直近2025年の動きとして、お香の包装を友人の障害者就労支援施設に外注しました。ゆくゆくは配送作業も外注させて頂く予定です。私たちは、sikiの運営やクリエイティブな業務に専念できる環境をつくりたいと考えています。
アーティストとのコラボも少しずつ始まります。ハンカチ・手拭いなどの布モノをリリース予定です。
長期的な目標としては、障害者就労支援施設としての自社お香工場の設立です。まだ背中も見えない目標ですが、そこを目指してブランド運営しています。
以上がsikiを立ち上げた経緯とこれからの目標でした。
興味を持って頂けたら、ぜひECサイトとインスタグラムを覗いてみて下さい。
長く愛用して頂けるブランドを目指して邁進していきます。
ご意見・ご感想は随時受け付けておりますので、お気軽にコメント下さい。
長いnoteを読んで下さり、ありがとうございました。