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ミツロウ&シアバターのハンドバウムは固すぎる?ならばワセリンベースに切り替えてみよーうの巻。
えーこんにちはおはよございます。エセ美容男子のエフゲニーマエダです。
今回のテーマは個人的には香水作りの過程でミスって買ったワセリンを活用してみよーうの巻としてお送りいたしまっす!
いやほんとワセリンを材料として何か作ろうという気は今までで全く起きなかったんですが、ほんの気付きの点いくらかを紹介しつつ、保湿アイテムハンドメイド回やっていきます。
前回のひょんな思いつきで作った、『超シンプルな青い乳液』。小さくもバズりましたね。。。
この時期は保湿アイテム作りテーマに需要があるのか?と応えてみます。
●ミツロウ&シアバター製バウムの使用感は固すぎる?
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北海道で豊富に採集できる天然精油の薬効成分にあやかろうと自作スキンケアを形にしはじめた2023年。
その初回作がシアバター&ミツロウで作ったハンドバウム(上記写真)。
蒸留抽出したハーブ由来成分によってめっちゃ青く色づいている。毒々しくも美しい…
しかし約70℃で溶けるミツロウと人肌温(約40℃)で溶けるシアバターをベース配合とした保湿アイテムだと、使用感なかなか硬めというのが特徴でした。
(製作当初は長期使用を目指したのでそれでもよかったのだが…)
結果として冬場の低温がハンドバウムをさらに硬くさせて塗り込みずらいモノとなり、北海道や寒地での使用想定にネックとなりました。
指の腹の温度でバウム表面を溶かさぬことには塗り込むことが難しかったのです。
また、シアバターの性質のためか肌温度に近づけてもクリーム状に軟化とはならずに半結晶状→液状へと変質するようで、これまたクセのある使用感となっているようでした。
●白色ワセリンを活用してみる。
![](https://assets.st-note.com/img/1699056262473-S3Pr6WBnM3.jpg?width=1200)
▶︎ワセリンの物理的性質を考察
自作香水に微量に混ぜて持続時間を伸ばそうと画策し、結果溶けずにそのまま使えずじまいのミスって買った白色ワセリンがあります。
常温の96°アルコールには解けなかったんですよ。
また別口の話ですが、、、
仕事で手荒れが特に激化した時期、ついに通院し処方された軟膏の成分表にワセリンの表記があったのを思い出しました。
今年8月後半の35℃を超える猛暑日、その処方軟膏が溶けていたのを目撃していたんですね。
それを見て、シアバターバウムを固化させている素材「ミツロウ」よりも「白色ワセリン」は案外低い温度で溶けるのではないか?と考えついたワケです。
そうとなると、熱に弱い大豆レシチンやポリソルベート乳化剤などを小難しく配合せずに冬場使用により適したスキンケアアイテムが作れますよね。
また、名前の似ているグリセリンとの大きな違いは、ワセリンは構成成分が炭化水素類いろいろ混ざった混合物という事。(ワセリンという分子は無い)
対してグリセリンはグリセリン分子ほぼ単一で構成された半ゲル状の物質になります。アルコールの仲間なので水と油双方に混ざる性質です。
▶︎ハンドクリームの軟度調整
そもそもワセリンは35℃以下であれば一応の固形状(クリーム状?)を保っているようでした。
この半クリーム状ともいえる状態を生かして軟らかく塗り込みやすい(時間をかけずに塗布できる)改良型の保湿アイテムを作ってみようか〜という挑戦になります。
①【乳液】コスパの低さを意識しつつ、温度を加えずにすぐ作れるアイテム→キャリアオイルとグリセリンベースの保湿乳液
(精製水や抗菌性を持たない芳香蒸留水を使用すると消費期限が短化)
②【ハンドクリーム】製作に大掛かりな加温を必要とせず、スピーディに塗れるアイテム→白色ワセリンとキャリアオイルベースの保湿クリーム
③【軟膏】やや硬度を上げて常温でも液化しにくくしたアイテム→白色ワセリンとミツロウベースの保湿軟膏
④【ハンドバウム】保湿液の塗り込みが完了した後のベタつかない仕上げアイテム→ミツロウとシアバターベースのハンドバウム
(リップスティックもこれで製作可能)
ベース素材の性質からざっと作れる保湿アイテムを質感別に整理すると、このようなタイプになるかと思います。
▶︎寒期&北日本での使用想定ではワセリンベースがベスト?
ミツロウと植物バターを使用したハンドバウムだと寒い日硬すぎて使えない!となった場合、軟度をワンランク下げたワセリンベースの軟膏やクリームあたりが適しているんじゃないか?と思いました。
薬局処方の軟膏薬のベースともなっているワセリンにミツロウやら精油やらをいろいろ加えてみて、いざどんな質感・使用感になるのか試してみましょう〜!
●ワセリンベース軟膏を作ってみる。
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実にシンプルに、これら基材2・香料2の合計4品で作ってみます。
体感的な憶測ですが、このミツロウをキャリアオイル(植物油)に切り替えるとワセリンの軟度が増してクリームっぽくなる予想です。後で試してみましょう。
ワセリンは本当にどこの薬局・ドラッグストアでも買える¥3~400ほどの一般的な白色ワセリンを使用します。
ミツロウは精製のホワイトのものがあるのでこちらを使用。
黄色い未精製ミツロウを使うと色はイエローに傾きますが、肌に嬉しいビタミンEのミツロウ由来トコフェロールを添加することができます。
ヤロウ精油は北海道産自家蒸留のもの。
ラベンダー精油は最近執筆している大型企画のソレで持っている、香りがより花っぽいeaseのコモンラベンダー精油をチョイス。
(フローラル感が強いのでお好きな方には超オススメ)
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目分量ですが、過去のハンドバウム製作のカンから軟度を考えて15粒ほどの精製ミツロウを投入。
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で、今回の主役である白色ワセリン。
どんな感触なのかバターナイフですくってみると案外粘りのあるハーフクリーム状といった硬さでした!
ワセリンは植物由来油脂ではなく、鉱物由来(石油精製物)の不純物をめっちゃ取り除いた油脂なので植物性にこだわる方は避けがちという噂を聞いています。(医薬品使用準拠なのでごく安全です)
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10ml缶につめてみました。この状態だと接着剤のような見た目ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1699052606520-N1j8kHhKXH.png?width=1200)
ガスコンロ加熱すると温度が一気に上がりすぎてしまうと思ったので、今時期活用できるストーブ熱でゆっくりと溶かしてみました。(5分ほど)
ワセリンはわりとすぐに溶けますが、ミツロウは70℃ほどで溶けるので時間をかけしっかり溶かし混ぜ合わせます。
![](https://assets.st-note.com/img/1699053098788-f58XlwsCp9.png?width=1200)
ミツロウが溶けるギリギリの温度までの加熱だったので、ストーブから離してヤロウとラベンダー精油を添加するとすぐに固化が始まります。
香りの劣化を防ぎたいので加熱しながらの混ぜ合わせはしませんでした!
レシピはヤロウが5滴に対してラベンダーは控えめの7滴としました。
香りがよりフラワーっぽいコモンラベンダー精油を使用したためか、今回ヤロウ精油特有のアロマと喧嘩せず良い感じにアロマブレンドできたよう…!
やっぱり同じLavandula angustifolia精油いえど、細かな香りの異なりまでちゃんと選びたいですね。
(精油は販売メーカーごとに香りが異なっていることがよくあります)
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で冷えて固まるのを待ち、ここにハンドバウム系第4作目が完成!
ベース基材をシアバターからワセリンに大きく変更しているので統別としてはワセリンベースタイプは初回作となりますね。
ではでは、気になる肝心の使い味のほどはいかに。。。
●完成品の使用感
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期待通りでした!!!
▶︎1.使用感!
というのも、今年1月より作ってきたシアバターベースのハンドバウムだと常温下では硬めの使用感で、指ですくい取るのに熱が伝わって軟化するまでやや時間がかかっていた(とはいっても5秒ほど)のですが、このワセリンベースだと指の腹で軟膏表面をなぞるだけですぐにすくい取ることができました!
▶︎2.見た目!
あとはハンドバウムに比べて水々しい質感(油脂なので水分は含んではいない)を実現できているのも次なる特徴でしょう…!
シアバターは固化すると白っぽいためにハンドバウムの色も淡くなりがちですが、半透明のワセリンをベースとしたことでヤロウ精油の添加量を少なくみても比較的青色の濃さを実現できているようでした!
▶︎3.調香(アロマブレンド)!
日常的に肌保湿に使用するからには香りが心地よいものでなくてはなりませんよね。
薬効にあやかりたいヤロウ精油は独特の甘重いハーブ香があり、このクセ強な香りをどう誤魔化せるかがアロマブレンドの課題となるワケです。
香料(精油)のブレンドは調香役の腕次第なのですが、毎度鬼門である青いヤロウ精油とのブレンドに関して今回は特にうまくいった感じがしました!ラベンダーの香りが負けなかったんですよ〜!
これも日々の香水調香訓練の賜物と思いたいですね!
と!!
こんな感じで使い余していたワセリンを使用して満足のいくクオリティの保湿アイテムを無事作ることができました!
シアバターベースのハンドバウムを作ったときよりもカンタンに作れている気もしますね…!
必要素材としては白色ワセリン、ミツロウ、精油、熱、缶ケースの5つだけなのでぜひこれからの時期の感想対策にお試しあれ〜ヽ(´▽`)/
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