【蒸留日記 vol.110】枯れたクロエゾマツ枝チップを蒸留する!
こんちゃこんちゃ、本日も暑かったですね!
日中にそこまで大きく動かない農作業やってたんですがその場にいるだけで汗がたれてくるような暑さになってきましたね。夏いよいよ、って感じ。
さてさて!
今回蒸留日記のテーマはタイトルの通りで、葉っぱなどが付いていない、昨年秋に剪定してすでに枯れた枝を樹皮もろとも枝をバラバラにして蒸留にかけてみます!
枯れた枝から抽出される精油の香りや収油率(Oil Yield)を見て葉っぱ付き枝の結果と比べていきたいと思います!
■材料準備!
これは6月21日の裏庭の写真なんですが、丸で囲ったところに茶色い枝が山積みされていますね。
今回のボタニカルはこれです。これを使いました。
まずはいつも通り、細枝(Twig)はチッパーで即座にバラバラにします。
素材は細枝だけではないので。。。
大学の先輩から預かっているパイプカッター?でチッパーに通らない太い枝(Branche)を裁断していきます。とりあえず断面を増やして松ヤニから精油成分の揮発を多く狙う算段です。
気温が高いので手早くやります。(焦りすぎて何度かキックバックやらかしたコワイ)
見ての通り、クロエゾはどうやら樹皮にヤニ溜まりがあるようで、樹皮(Bark)もすべてひっぺがして蒸留にかけます。
おそらくクロエゾマツ枯れ枝素材の主な精油含有部位は、この樹皮がメイン。
すべてひっぺがした。指でちぎると指がヤニまみれになってかなり厄介ではあった。50%の消毒液でどうにか洗い落とせた。
■蒸留準備!
細枝チップ(Twig chips)、太枝(Branches)、樹皮(Bark)すべての素材の重量を一挙に計測!バケツ重量は852gだったので差し引いて、、、
ボタニカル重量は3915g:ほぼ4kgでした!
蒸留釜へのボタニカル充填方式
まず先、下層に大きめの素材を配置します。
まぁ単に細かいチップ材料が隙間から蒸気水部分に落っこちて鍋底がコゲ付かないようにするのがひとつ。
次、上層にチップ材料を配置します。
理由のふたつ目が、下層での蒸気発生空間を確保することと、3つ目に下層の空間で蒸気圧をやや上げて、下層素材部分の温度を上げて松ヤニからの精油の揮発をさらに促すためですね。
単にといいつつ3つ理由がありました。
蒸留時間は2時間半としました。
■蒸留結果は…!?
蒸留開始から20分経過時点でのようす。
すでに厚く精油層が溜まっていますね!ちゃんとオイル出てくれたみたいです!
素材をチップ化しているためか、蒸留直後は白く濁っていますね。さまざまな精油成分が多く析出するからでしょうか?
さて4キロほどの乾燥材料からどれだけの精油が出てくれるのか…
すいません!笑 ヤロウの蒸留シーズン中なのでパッキンからカマズレンが滲みてカマズレンの色がついちゃいました!笑
香りにはそこまで影響与えてないことはわかってます。
今回の蒸留で得られた精油量は18.5mL。
1.収油率(EO Yield)
比較として蒸留日記vol.95での葉っぱ付き枝葉での収油率を参照すると0.536%でした。
そして今回乾いた枯れたクロエゾマツ枝からの収油量は18.5mLで、収油率は0.472%…
あれれ、生木だろうと枯れ枝だろうとほぼ変わらないですね。
わずかに0.05%分ほどは減っていますが、樹皮の内側に松ヤニ溶解成分として長期間保存されていたんでしょうかね?
枝が死んで乾いても案外精油は飛ばずに保存されていることに驚きました。
2.香りとか(EO scent)
うーん…やっぱり時間経ってて酸化されちゃってるせいか、香りに酸っぱさが目立ってる気がしますね…
あとはウッディ感がさらに強く重くなりました!
正真正銘の樹木(木材)から得た精油、って感じのアロマになってます。
香りにハマるかどうか…これ人によってはクセになる香りかもしれません。
やはりクロエゾ精油はその香りのどこかにムスキーな香りがいるので、これがどうもクセになる感を醸しているので…本当に不思議な精油だと思います。