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フランスの最北ラベンダー畑を求めて。。。

ラベンダー関連の論文を調べていて、こんなレポート資料をみつけました。

https://dumas.ccsd.cnrs.fr/dumas-04345383v1/file/2023_Mignot_Romain_SIV.pdf

このレポート中に挿入されている図表についてなんですが。

(見方によって)生産物データが取られているラベンダー畑の位置を示す図
表示がコミューン(いわゆる村)レベルの行政区分で表示しているので詳細な場所特定ができそう!

https://www.franceagrimer.fr/fam/content/download/66864/document/MARCHE%20PPAM%20WEB.PDF

一応こちらが上記レポート資料の引用元ページ。
フランスの農業情報統計機関の報告書のものらしいです。
そして2018年の報告データによる作図のようで。。。
まぁわりと最近のデータを反映したものだそうです。

いわゆる、栽培ラベンダー畑の規模と畑のある自治体でマーカーした図のようです。
研究論文でよく目にする天然ラベンダーの分布地とは違い、栽培ラベンダー(コモンとラバンジン)の表示。つまるところ、畑の位置ですね。

南仏プロバンスあたりだけにあるものかと思いきや、かなり内陸だったりトゥールーズ近郊にも存在しているものなんですね。
ラベンダー主産地のプロヴァンスからここまで離れているとまず気候そのものが大きく変わっていることが予想できます。

で、わたしらの北海道でのラベンダー栽培と近い環境を参照したいので、かなり北部に位置するラベンダー畑をこの図表からアナログ的に探し出してみることにしました!

方法論としてはごく単純で、Google Earthのイメージオーバーレイ機能を用いて、地形を0m表示にした地球儀にこの画像を貼っつけて重ね合わせ、畑の位置を探る方法です。

オルソ化(魚眼解消)は済んでいないのでところどころズレは生じているが
かなり正確に統計資料化されている地方のラベンダー畑を探ることができる

で、こうなりました!
意外とラベンダーオイルなどを作っているラベンダー畑はフランスの各地に散らばっていることがわかりますね。

エフゲニーマエダの常識では、フランス国内最北のラベンダー畑および蒸留所はディオワ市北部のカマロク村にあるフォーバレー蒸留所が最北かと思っていました。(蒸留所のすぐ背後にヴェルコール山地の高い崖がそびえる)

ところが、フランス政府の農業データベースを参照すると、、、
AOP(ラベンダー産地呼称協会)の組織内でなくとも、わりとフランス各地にラベンダー畑は点在しているようなのです。
パリ近郊だったり、スイス近郊だったり、スペイン国境地域だったり。

ではでは、次に本場南仏プロバンスからは遠く離れたそれら畑にグーグルストリートビューで飛んで行ってみて、さらにアナログな方法で現地視察してみることにしましょう!


●最北東?グランデスト地域圏のラベンダー畑 サント・クロワ・アン・プレーヌ

フランス北東のライン川沿い、ドイツとスイス国境に近いエリアに位置するラベンダー栽培地情報
上:グーグルアース+データマップ重ね合わせ / 下:グーグルマップの自治体エリア表示

フランス政府のラベンダー栽培者データマップのポリゴン形状から推察して、グランデスト地域圏はオーラン県サント・クロワ・アン・プレーヌという自治体(町or村?)であると絞り込めました。

しかし、[Sainte-Croix-en-Plaine + Lavande]でググったのですが、当地のラベンダー栽培地・栽培者に関する情報はぱっと見、全く出て来ず。
むしろ南仏のヴェルドンのラベンダー畑情報が検索結果に出るという情報の少なさぶりでした。

データによると、2019年までにはこの自治体で最低10ヘクタールのラベンダーを含むハーブ類(芳香作物)が栽培されたという記録になっています。
時間作ってフランス語情報で詳しく調べてみることにします。

●パリ近郊の大規模ラベンダー栽培地 ラ・フェルテ=ヴィルヌイユ

パリ市から125km, オルレアン市から45kmの距離に位置する大規模なラベンダー栽培情報エリア

パリに近いウール=エ=ロワール県、ロワレ県、ロワール=エ=シェール県の3県境に位置する、栽培規模が50~250ヘクタール相当の登録がある自治体が集中する地域があります。
データベースでみてもかなり北側のエリアです。

①ボース・ラ・ロメーヌ

点在する栽培地のひとつボース・ラ・ロメーヌにはラバンジン畑があるよう。写真付きでレビューページが存在しています。(生産者情報ではない)
https://ferme.tel/41-loir-et-cher/beauce-la-romaine/ferme/6754-les-casiers-de-la-petite-beauce.html

②ラ・フェルテ=ヴィルヌイユ

ウール=エ=ロワール県側の栽培地ラ・フェルテ=ヴィルヌイユ(La Ferté-Villeneuil)一帯でも有数のラバンジン栽培地域のようです。
コモンラベンダー(Lavande fine/L.angustifolia)のワードを差し置いてLavandinのワードが先行列挙するので、おそらくラバンジン(品種不明)を主力栽培している地域・事業体のようです。蒸留所もラ・フェルテ=ヴィルヌイユに所在しているという情報も。(以下Youtubeで全景が見れます)

③クロイエ=シュル=ル=ロワール


●ブルターニュ地方のラベンダー畑 サン・ジャキュ・レ・パン-アヴェレン

大まかな位置関係としては、有名観光地:モンサンミッシェルのすぐ南に広がる、ワインでも有名なブルターニュ地方のモルビアン県。
フランスの大西洋岸側の地域で、おそらく強く海洋性気候を受けていると思われる地方です。
県内の東縁に位置するサン=ジャキュ=レ=パンという自治体に所在する芳香作物農家さん。
おそらくこの方々のラベンダー栽培データが反映されていました。

モンサンミッシェルから南西に120km先に位置する芳香作物農家

コモンラベンダーとラバンジン双方の品種栽培がみられました。


●ブルゴーニュ・フランシュコンテ地方ドゥー県オルナン- Le Soin Jardine

大まかな位置関係としては、隣国スイスのジュネーブから北に100km北上したブルゴーニュ地方ドゥー県のオルナンという自治体に所在する芳香作物農家さん。
おそらくこの方々のラベンダー栽培データが反映されていました。
かなり内陸性の気候であり、ジュノー山脈やアルプス山脈の直下であることからかなり北海道内陸(富良野エリア)に近い気候を持っているのではないか?と予想しています。

スイス国境から30km,スイスはジュネーブ中心地から
ジュラ山脈を超えて北に100km先に位置する芳香作物農家

コモンラベンダーの栽培が確認できました。

●ピュイ=ド=ドーム県ル・シェ・シュル・モルジュ&サルドン

フランス中部のピュイドドーム県北部に位置するラベンダー栽培農家。
カンタル山地など大きな死火山地形が地域の気候を生み出している。

(仕事で外出するので続く)

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エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。