【蒸留日記vol.3】北海道名産トドマツの精油抽出!
こんばんはこんばんは。
先日札幌市内で頂いたトドマツ(Abies sachalinensis)の枝葉が、思った以上の量ありまして、、、
えーと本日の蒸留開始がだいたい17:30頃。
さっきやっと本日3本目の蒸留をスタートさせました(笑)
いよいよ同じ作業3度目なので疲れの色が出はじめ、息抜きにこうしてnote執筆する運びになってますw
昨日、トドマツ枝葉をもらっている作業のレポートnoteです⤴︎⤴︎
トドマツ(Abies sachalinensis)と見込んでますが、街中の庭園樹だったので移植樹のヨーロッパモミ(Abies alba)なんじゃないか?とも睨んでいたり。。。(可能性について追記しました!
●トドマツは北海道最大の森林資源!
“トドマツ”は北海道の農業高校に入った人にとって、常識といっても過言ではないくらい北海道では最もポピュラーでありふれた針葉樹です。
自然に生えているだけでなく、木材生産を目的として人の手によっても植えられ続けています。
本州にとってのスギが、北海道においてはトドマツということになりますね!
そしてなななんと全国47都道府県中、北海道にしか生えていないレアキャラっぷり!
津軽海峡がブラキストンラインという"生物相境界"をなしているんですね。
SDGsで有名な下川町では町が企業と一体でトドマツを売り込んでいます。
トドマツブランドでも有名だったりしますね!
またトドマツは自身が作り出し放出する「フィトンチッド」という物質による空気清浄機能が優れていることも有名ですね。
本来はトドマツが自身を防御するために作り出す物質ですが、”毒も少量ならば良薬”として動物にとっては健康効果が証明されていたり、、、!
その北海道限定であるトドマツ(Abies sachalinensis)の簡単な見分けかたはなんといっても、グレーでツルツルの樹皮!
樹木の幹を想像すると、バッキバキにひび割れた茶色いものを想像しますが、トドマツはグレーで独特の班模様があり、まったくヒビ割れがないのです。
そんな針葉樹を探すと、、、
ほら、いますよトドマツが。
似てるヤツがエゾマツだったり、カラマツだったり、ドイツトウヒだったり、ヨーロッパモミだったりがいるのですが、どれも樹皮(幹)がバッキバキにひび割れているはずです。。。
●北海道の自然が生み出すアロマ、いざ抽出!
やっと北海道林業らしいことしてるなぁ、、、って気がします。
まさかこの歳になってこうしてNature Green相手に作業ができるとは思いませんでした。(ある種夢に近い憧れ…!)
というか蒸留できる素材にありふれているのが魅力でもある北海道!
トドマツオイルは北海道のアロマ・フレグランスショップだけでなく、東京銀座でもその名(のアロマ)を目撃することができる時代です。
3年前銀座の伊東屋を訪れたことがあるのですが、@AROMAさんのコーナーにしっかりトドマツのフレグランスがいたのを覚えています。
それでトドマツスッゲー!となりました。
たぶんそこからトドマツ蒸留の憧れが浮かんだんでしょうね、、、
エフゲニーマエダ氏、それまではトドマツからエッセンシャルオイルが採れるなんて知らなかったハズ。。。
ここまでの物量は想定していなかった件。
一軒の庭園樹で数えられるだけの枝から葉っぱを頂いてきたワケなのですが、いざ玄関に担ぎ込んでみると、、、すんごい物量。
多分トドマツ1本分もない枝葉の量です、ほんの一部程度の葉っぱ量。
とにかく急いで蒸留器をセッティングし、鍋にぶちこみました。
何回とも同じ光景ですが、本日は針葉樹であるトドマツの葉っぱを蒸留しています。
冷却水の水源は風呂水にし、外にうっすら積もっている雪を適宜放り込んでギンギンに冷やします。
北海道での蒸留は外から冷却源を調達できるのでオススメですw
蒸留水が冷却管からポタポタしだすような序盤、もうすでに油玉が冷却管を伝っていくのが見えました!これはすごい!
初回ラベンダーリーフ、2回目ニオイヒバときて3回目のトドマツでこのすぐさま精油と邂逅を果たせちゃえる感はオイルの収油量も期待大!
1回目の蒸留最中で過去イチのオイル量でした!
初めて蒸留を実施したラベンダーオイルとは、抽出量が比べ物にならないほど多いです!
これを1セット90分実施し、、、
蒸留鍋のフタを開けると、このような光景!
はじめは鍋満杯に放り込んだ葉っぱたちが持ってるものをほとんど吸い出されたかのように縮みこんでいます。
この残渣もなにか再利用できるといいんですけどね。
油を抜き取った後に何か都合のいい利用アテなんかないだろうか〜?
●これだけとれたよトドマツオイル!
さすがトドマツオイルの含有量!といったところでしょうか。
この葉っぱの塊がこんなにオイルを含んでいるとは思いませんでした…!
300ミリボトルを満杯にする量のオイルがとれました!すごい!
そしてうっすら黄緑色の色味がついているようです。
たくさん集めてみると色味がわかりやすいですね。
●細切れにすると抽出率が上がるらしい…!?
単純に、細切れにすればするほど断面積が増えるので樹木の成分もより染み出しやすいということなのでしょうか?
そもそもは、前より読んで楽しませてもらっていた富山のアロマセレクトさんのnoteで勉強させてもらいました。ついさっき!笑
蒸留時間を基本1時間30分にしているので、その間に1時間ほど作業すると次の蒸留分の細切れ素材を用意できます。
昨日の大枝から葉っぱ部分をむしりとる作業では緑色の部分だけをひたすらむしっていましたが、蒸留するにあたってまだ大きいサイズ。
しっかりと隙間なく蒸留釜に収まってくれるよう、念入りに刻んでいきます。。。
箱の大きさ的にぜんぜん減った気がしない。。。
2本目分も回収したハズなんですが、ぜんぜん減っている感じがしないトドマツの葉っぱ。
ラボに担ぎ込んだ時点ではそうは思わなかったんですが、見た目以上の物量があるみたいです。。。
これほんと半日がかりで片付けることになりそうだなぁ、、、と。
※【1/13追記分】本州モミではないが、トドっぽくもない…?
本記事ではトドマツ!として呼んでいますが、枝葉をもらっている当時、目見当でトドマツだと判断しただけなんですよね。
確実に判断できるトドマツ最大の特徴である樹皮模様は未確認でした。
加えてもらった枝葉の木が生えていた環境が都市部の庭ということもあり、開拓期に外国や本州から持ってこられた樹木である可能性を否定できませんでした!
トドマツ(在来種)
モミ(本州持ち込み)
ヨーロッパモミ(ヨーロッパ持ち込み)
という可能性が否定できなかったワケです。
そしてそこにヒントとなる新情報を発見!
平成30年に発行された『日本の林産物を活用した香りビジネス展開に関する基礎調査業務報告書』という林野庁による森林資源のアロマ活用状況をまとめた資料なんですが、、、
資料を読み進めていくとオイルをもつ日本の樹木それぞれの含有量の表があるんですね。
調査データによると、同じモミ属(Abies)だけれど、トドマツ(北海道)とモミ(本州)とはオイルを含む量が天と地の差であることがわかります。
本州のモミは、トドマツの1/8しかエッセンシャルオイルが採れないってことなんですね。
この歩留まりの低さは蒸留器の販売メーカーである黄河さんの抽出結果ページでも確かめられます!
オイルの採れやすさからみると、本記事でオイルを得た樹木はたくさんオイルが採れたので、モミ(本州原産)である可能性はなくなりました!
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