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詩「 網 」



静けさの始まりはさみしさの故障

差し障りだらけの日常の上等さを知るべきだなんて

信じたくもないけど手ごたえを認識して

永遠に続き終わることもないであろう化学式の過程のように

過ごしてみないかと問いかけていた

花はすべてカットされてしまった

闇の中浮かぶ今が照らされて

どことなく愛おしいのに

なぜかひとつになれない

街はただ黄昏てそこにあるだけ

無言のまま月とともにいるだけ

響きだ。

まじわって響くのが海

ゆらゆらと不機嫌で

くずれかけの橋をのみこんだ

手紙を書いていたのにいつのまにか眠ってしまって

心模様がしましまになって一本一本がひらりと

リボンのようにひるがえって結び目はかたくなって

そのまましこりになっているけど

共に世界観をつくりだして

抜け出せなくなってだけどそれがとても心地よくて

ずっと見たことがなかった映像だ

ヤジをとばしても耳に入らない

文句をいわれてもとろけていく

ごまかしのきかない正面

つついてつぶれてまた盛り上がって

パチンとはじけてを繰り返した祈り

底の底の底まで届いていく

手ごたえはさまざまなパターン

選びきれない

選ばれもしない

理解されない

ほどけない

爆発した複雑なる色

泣き叫ぶ極楽鳥

ひとつひとつが鱗で鎧

何かを書いていないと気が済まない

白紙を汚していないと楽しくない

差し障りは真の悦び

さみしさはただのさみしさだ










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