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詩「 ティータイム 」



夢にまでみた夢は

薄ら笑いする太陽

見知らぬ光がのぞいていた

すれ違う視点と視点のなかで

燃え尽きそうだった

枯渇してしまう

ビーカーのなか

何が透明だったのだろう

口止めをした

言葉が重ならないように

引き離した

心が重ならないように

距離と距離が追い詰めてきたら

鏡を割って逃げ出すのだ

どこにも行けないとわかっていても

一目散に騒ぎながら走り出していった

粒子のようにブツブツと何もない表面を

荒らして三千里

遥か地底までしみわたっていく

響かない感触が

いやだいやだと身をゆする

ゆれながら花がなくなっていく

莫迦なことをしたものだと

嘆き悲しむ白い髪が

生き物のように風になびいて踊る

立ち位置がぐらぐらする

骨が分解する

大地にむかって怪しくスローガンを振りかざすのだ

黄ばんだねじり鉢巻きだ

悪代官のような面をした

無粋が振りかざすのだ

実るように祈るように

たわけた緑色したカエルが

集団で無防備にジャンプ

水がはねた

深夜まで続くパーティーが

垂れ流した再放送を

まるで入念に準備した脚本のごとく扱って

やさしいメロディーが

コーティングしたまやかしの休日を

風船の中に閉じ込めて

針を刺して大爆発を起こしたときに

はじめてメロディーは

やさしくなるのだ

冷たい輩が目を白黒させて

美味しい美味しいと

テーブルにむかってダイブするのだ

消火器はピンク色

煙をあげて唸る

群衆はねずみ色

困難に向かって嬉し泣きしながら

あてのない深呼吸

もう繰り返さない

もう言葉を埋め込まない

何もない更地の真ん中で

お手上げすれば

それが一番いいんだ







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