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詩「 夜明け前のストレンジャー 」


迷路はやはり

はじめから迷路だった

だからもう迷うしかない

順路はやはり

はじめから順路だった

だから順番を守ってくれと懇願する

存在しないものを存在していることにして

混乱を極めた世界は

黒地に白い亡霊がとびまわっている壁紙みたいだ

頂点の裏側にある

病弱なるペテン師

黒と白の細胞の黒と白が入れ替わって

意識にゴチャゴチャとはいってきて

よくわからないことを唱え始めたと思えば

突如として呼吸困難におちいって頭をかかえて

レインボーにダイブ

気難しく考えすぎる湯気が

とどめを刺してくる

何か攻めてくるんですよ

沈められて花はとける

明日をうかがい黒髪がうっすら影になって

誰かが信じているものは不明確なハイボールであると定義していた

鋭角はもう戻ってこない

天気が晴れになり蝶のように羽が生えてくるから

羽化の邪魔をするな 何かをいうな

そこから動くな 何も感じるな

そうすれば上質の遊技場ができあがる

観客の目は皆濁っている

百万本のマッチを擦ってみる

炎の点 燃え上がる

消えない寒さ 消えてしまう街灯

悲しい気分になって涙があたたかい

迷路に迷い込んで

混乱が愛おしい

評価なんて信用できない

1000の常識が存在して

百万本のものさしが供花とともにそこに立っている

極上の混乱に生きていることは もつれた紐






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