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詩「 不備 」
括弧の中に閉じ込めても
逃げ道はいくらでもあった
どうせ馬鹿話しかしていないのだろう
聞く耳は沢山発生しては
偉大なる業績を積み上げていく
こちらに向かって倒れてきた
ぎりぎり一ミリあたりで
気づいたところで遅いのだ
たったのそのくらいの時間
それがもう油断になる
染みついた圧力の跡が
それを物語っていた
はっきりとしたくっきりとした
点は線の塊
図形は千の塊
塗りつぶされていたとしても
それは線がおどっているだけなのだ
どこをめくっても長い舌
互い違いになっているようで
同じことしかしていない
巧みな言葉の洪水はとても美味しい
妄想という名の蛇
苔にまみれて必死で燻り出した議論の中身
まったく意味をなしていない
器の中のお茶の量がただ減っていくだけ
消えていく時間消えていく人々
残っているのはわずかな点
食いかすにも似た
せめて花を咲かせましょう
せめて鋭さを投げつけましょう
造った内臓ではなく
模型のような骨ではなく
質が実となってでっかい幹になるように
静かに叫びましょうか
破綻は異端を産み出すのだから
痛みは凄みをかもしだすかもしれないから
根底にある煮汁の旨味は
誰もわからないのかもしれないから
磁石のようについたり離れたりするだろうから
静かな叫びを
静かな制止を
静かな時間ともに
激しく破裂
いつでも組み立てる準備ができている
存在しない時間に無理やり入り込んでいくのだ
2021年カレンダー発売中です。
ご縁のある方に届きますように。
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