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詩「 車輪のうた 」


こぼれおちる日常

土に埋もれて泥人形

見向きもしない寒空

ゆられゆられて観覧車の中

変わりつつあるのに変わった気がしない

黄身と白身の分離が不思議

粉と泡が隣り合わせで不気味

終了の合図よりも確信を持って言えるのが

始まりのファンファーレに似た咆哮

耳の穴を通す軸のように逃れようがない

前に進むしかないと言いながら後ずさり

崖崩れの足音は絶壁に轟いて

ライオンの笑顔みたいな

冷たさが突き刺す

迷い込んだらゴール

優しく包み込んだらスタート

あり得ないことだらけの今日は

珍しいことばかりの明日

普通が普通じゃないとしたら

答えはどこにあるんだと

問いただせば音信不通

痛風のようにやっかいな質問攻めは

体中に押し付けられた

押し売りのような おしいれの中

住んでいたいなら快適

誰にも見つからず感知されず心地よい閉鎖

そればかりを続けている人は一体何なんだ

文句ばっかりの問題が羅列されて

固体を通り越してそのまま気体になってしまう

待機を忘れてしまって気が付く前に期待になってしまう

分かりにくい展開を眼を見張るようにしている

毎日毎日が測定不能

出会うもの落ちてくるものすべて想定外

気持ちを保てなくなる前に

構築されたものを土台から壊していく

基礎から応用などというプロセスを無視して

乗ったこともない列車に飛び乗れば

刺激なんて言葉が陳腐に思えてくるくらいの体感

それは描くことのできない無形でありながらそこにある実体

いますぐに掴まなければ化学変化を起こして

亡き者になってしまう眠ってしまう

目覚めを待つ暇がないなら壊れた置時計だ









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