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詩「 狂詩曲・教科書 」


雨の一粒の呼吸が

白々しく感じられたら

お芝居が続けられた

台本通りだ

まったくもって台本通りだ

口をふさいで耳をふさいで目を閉じたまま

右と左の動きが巧妙にそろっている苦悩をする輩が

万歳三唱をしながらそのまま

崖から崩れ落ちていく崩れ落ちていく

清らかで美しき世界が

この手の中で逃げ場を失い

うごめいている

封じ込めて正解

血が通わないまま曲解

膜が割れて他界

思い通りの世界で

もがいていることが

マラソンランナーの脳みそ

努力が報われるという

青春小僧の目つきが

幾千もの星となって

ハートを握りしめるから

苦しくてしょうがないのだ

まっすぐすぎる道は

実は歩きにくくて

曲がっているくらいが

実は心地よくて信頼できるのは

どういうわけだ

筆跡からは何もわからない

筆圧だけが一流

その眼は節穴で三流

歩くことを忘れて

アルコールになって

データ圏外

電話線の中を泳いでみろ

そこで見たことを

手記にしてみろ

誰も読まないぞ

聞えないふりをして

服従するふりをして

眠りについても

顔面の裏側で祭り

墓場だらけの

嘘と真実の中間の抜擢された

たった一枚が

何という名前だったのだろう

伝染した

ビリビリした

くぼみは

次から次へと

発見された

だからそれがどうした

ひとつしかないものを

コレクションして

バラバラになる思考

再構築 羽化 逆転

劇場は本日をもって閉鎖する

審議の結果追放する

以上







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