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詩「 ライスカレー 」



鉄のような軟弱者に

つける薬は山のようにあった

スパイスまみれの肉体が

追いかけてくるというのに

枕を高くして呼吸を休めた

月はため息青白く

皿の上に盛り付けられた

静かに動く煮汁

海を描いた

ひとときの白の崩壊

草原のようにとがっている

デザートの時間だ

干し上った

爪の先まで

物足りない

壁の中ひとり

飾らない

嘘はどこにもないから

もう一度だけ

その言葉をこれからも

何度言うのだろう

狂ったように震えながら

香りは・天と点の間を移動している

弾けて散った味が層の奥に浸透する

圧力が痛い

ハイヒールの形をした

オフィスが左右に揺れた

ビルディングはそれでも四角で青い窓が並んでいて

冷たさは永く続いていた

落ちていく よじ登るように

落ちていく 涙をすてるように

落ちていく 壺にとじこめられるように

今落ちていく 

無数の無念と祈りと融合するように

併せ持つ沢山の眼

どこを見ているのかわからないだろう

でも どこかを見ているのだろう

そのどこかを探せ

手遅れになる前に探せ

ギリギリセーフを貴重な楽しみにと引き換えにして

羽をむしる

白をむしる

むさぼる











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