詩「 結晶 」
心と体がバラバラの私
アフターテイストにいつも苦しむ
平面にならぶ積み木
見え透いた名言など
聞いてあきれる
フィルターをすべて焦がした
吸うことができなくなって
しなびてしまう
出来ないことなど何ひとつない
すべてを成功させてしまう
まったくもって自信なさげな態度で
優しく愛撫する
鬼のような形相で
枯れたままで渇いたままで流れゆく川
硬直した図面が夜空を散歩して嘘ばかり言う
ポーズばかりの上等なやせこけたコガネムシ
髭のように恒久的に伸ばし続けたのは
行き場を失った槍の切っ先
盾は食われてしまったようだ
千の眼でみつめているのに
何一つわかっていない教育者が
眼鏡を失うなら
飾り物として空間にほどよく存在して
お互いに投げキッスでもしていたほうがマシだ
午後四時以降の待ち合わせが
午後九時以降の夜更かしの時間
月の下の茶の湯の風味は一週間後のことを忘却させた
足元をすくわれる
天国にでもいるような気分で
これで統計学的に割合いが増えるのだ
交わってはいけない部分をしっかりとおさえて
もたれかかっている悪気を
すべて追い出して試験管の中
化学変化をおこした物質と混合して
長時間希釈した結果
有害な雰囲気をふらつきながら
まるで切り裂いているように
舞い踊るその指先は細くて
狂言まわしすら つとまらないのだ
容量も使用方法もすべて勘違いしたままで
粉にまみれた包装紙
勘違いし続ける箱は
飼い猫のようにのんびりしている
もつれた糸をペンで描いて
それを暗黒だと呼んで999回目が終了した