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詩「 あなたにそこにいてほしい 」


そんなふうに途中で止めるのは

やめてほしい

その先がどんなふうになるのかを見たいから

不完全なのか完全なのか

見分けがつかないようなものを見せてほしい

相当統率が効かなくなっていたとしても

責めるつもりはないから

永遠の中の一部をそこで

刻んでほしい

二度と繰り返せないのは知っていたから

どこのページにものってはないから

馬鹿々々しくても

ずっと続いていくことが

なぜか

愛おしい

切り裂いたフィルムを新たにつなぎ合わせて再構築するストーリーですらありふれていて

何にもわからないっていうことが

一番奇妙で面白いから

すべて白で塗りつぶしてほしい

何もかも混ぜてほしい

最後には夜になってしまうから

花びらを引きちぎって

おしべとめしべだけになったら

交信したようにぐるぐるまわって

ゆれるけど動いているようには見えない

もう落ち着かないほうがいい

そんなふうに動力がほとばしっているのを

静止してながめていたい

制止だけは決してしないから

AからBへBからCへCからBへと

目まぐるしく変化しているのを

まばたきひとつしないで

ほんの一瞬も逃さないで

黒い街に落ちていく

継続に塩を足してグツグツと火にかけて

煮詰まってしまったものが

どれだけ美しいのか

狂気をはらんだ目でみつめてほしい

血走った眼はヒトデのようだ

海はカプセルのようだ

蓋なのか身なのか

わからなくなってしまった

役割を失ってしまった

むしろ存在そのものが役割だ

左と右は右と左にもなりうるのだから

そう、だから

あなたにそこにいてほしい








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