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詩「 雪 」


悲しいことがあった日は

とても寒くなるのです

雲と夜の間から

雪が降ってくるのです

ただ歩いていくのです

時計の音を確かめに行くのです

いつもと同じ景色が見えて

子守唄が聞こえます

何も変わらない目覚めなら

時計の音を触りましょう

つもっているのは白い花

溶けて消えてしまうのです

コンクリートは足元で

石の匂いになるのです

黄色の光があらわれて

どこかへ去っていきました

扉は閉じたままでした

二度と開くことはありません

物音ひとつしないのです

それでも朝になりました

違う朝になりました

脱皮

青空

菊の花

コンクリートが冷えたのは

足が温もりと

会話するためです

冷たくなってしまっても

残像は

夜に散らばりました






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