詩「 粉砕 」
どのあたりで誰に向けて
その声をどう届けているのか
わからなくなってしまった
発信元不明のレーザービーム
街にあふれている
もはや描くものなど何もなくなってしまった
出る幕が消える
最高級のスーツに袖を通して
金をまきあげて
さわやかな白い歯をみせたら
古い池が濁っていく
札束の重さだけを知ったVIPのマークが
突き刺さって だだもれの
間の抜けた黒いトカゲ
夜の中で目玉だけが光ってる
爆撃と革命とこけおどしと墜落が
煙の中でぐしゃぐしゃなダンス
霧に包まれた幻のようなところで
眠れぬ朝を語ったところで
冷めたフライドポテトだ
牢獄にぶちこみたい
耳をふさいでいたい
口をふさいで
鼻をあかして
沈んでほしいと願った 夕日とともに
天国の扉を今すぐ閉ざしてあげるから
衣に包んでフライ
今すぐに油まみれで
どうしようもなく中身がなくて
愛おしいほどに実力がない
割れた卵から
こぼれ落ちる
無数のネジ
組み立てられたオンボロ
苦しげな声で動き回る
街が揺れる
豆腐のように柔らかな脳が
無意味に循環している
くるくるまわす
街が揺れる
見届けている
奇妙な組み合わせで描かれた
いびつな自画像
肌があれてる
もうすぐ終わる
貴重な時間
見つめていた汚れなき結晶
血相を変えて見比べてた土の色
荒涼とした枯れた草むらに咲く白い花が
まだまだ にやけていた