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詩「 ドライフルーツ 」


喉の渇きのその先の

突き抜けた黄金の森の隙間

誰も足を踏み入れていない

呼吸の殴打

体験が経験を越えてそこに見参する

めくることのないページは

永遠の秘訣だと誰が言った

崩れ行く正論の仲間

支え行く異論

唱えていた集まりは

閉じ込めて教会の中

縦横無尽に存在する

安堵した面々はどれほどの楽天家なのかわからない

知らない思想の始まりは

やっとの思いでその先端に触れた

伝染したみたいに同じポーズで

トンネルを埋め尽くし

無意味な行動で真夜中を無駄にした

朝にに眠る白けたトンボ

露に濡れて生き恥をさらす

学んでいるとでも思いえばいいのだろうか

ひきつった顔面が真実を語る

嫌われ者の主張はより正義に近いというのに

正規の査定が不良品だと唸り

胡散臭い塗料で塗りつぶされた

剥がしても

暴いても

薄茶けた骨

その太さだけでは何も分からない

重ねた記号が都合よく解説

回線の解釈の回転は経典として

唱えられているのだろう

いくつもの口がてんでバラバラなことを

語っているから愛おしきノイズだった

鳴り響く寒空の中

目立っているただの馬鹿

さりげなくふるまっているのに

何かが違う

それでいいとはとても思えないが

それも悪くないと言えば

欠けていた部品が発見された

明日の朝のような睡眠が

舞台の上で枯れた夢となり

いきいきとして続いてゆくのだ





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