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推しVTuber:朝ノ瑠璃 #2
#1で「書きたいことがいっぱいある」と明言した通り、1人のVTuberさんに対して色々な思い出・思い入れがあるため、語りたいことが山ほどあります。
瑠璃姉さんについて、次に書くなら何がいいだろうとしばらく考えていましたが、今一番描きたいのは(グッズに触れた記事を書いたこともあり)やっぱりルリイロデイズ!
というわけで、#2ではルリイロデイズのお話をしながら振り返っていこうと思います。
ルリイロデイズとは
当時の瑠璃姉さん
瑠璃姉さんといえば、知る人ぞ知る「歌うまVTuber」。
彼女の突出した点はその歌唱力や声質だけでなく、それをある程度コントロールしてアウトプットできる表現力、言わば器用さでした。
ロリから少年少女、綺麗どころのお姉さんまでできるその守備範囲の広さは充分に「売り」と言っていいでしょう。
早い段階からVTuberを声優として起用した恋愛ADV「うつろにっき」でCVを務めており、他キャストはなんとVTuber業界2大企業勢のひとつ、ホロライブ所属の女性VTuberさんたち。
VTuberがまだまだ未知のものだった時代、案件はまず基本的に企業所属のVTuberさんに打診されていました。
次いで、ある程度の集客力のある個人勢。
企業勢が広告塔として外部企業から信頼を置いて貰え始めた時代、瑠璃姉さんはある種「実力」もしっかり買ってもらえていたわけです。
一つ断っておきますが、これは「企業勢はネームバリューで仕事を貰っている(=個々人には実力がない)」という話ではありません。
企業勢でも実力がなければ案件は回って来ません。これは長い期間そこそこにじさんじを見ている身としても感じています。
見ていれば「この人は悪くないんだけど”これ”といったコンテンツもないから、伸び悩んでいるな」という企業勢VTuberさんなんてゴロゴロいます。
そして伸びている人、案件を貰っている人は、基本的に裏で死に物狂いで練習やトレーニングをしているストイックな人たちばかりです。
つまり「どの所属だろうと実力があるからうつろにっきのCVとして起用されている」のは大前提として、そこにネームバリューの差でやや不利だったのも事実だよ、というだけの話です。
ちまちまとゲームのCVなどに起用されていたものの、だからといって声優らしい声優として活動していたというわけでもなく。
声優として仕事をしたいという夢を持ったまま、瑠璃姉さんは日々を過ごしていました。
事の発端
そんな矢先に、「朝ノ姉妹ぷろじぇくとでノベルゲームを作りませんか?」と打診がありました。
打診したのはルリイロデイズの企画原案を務めるバッキーさん。
瑠璃姉さん、相当悩んだようです。
どんなゲームになるかも分からず、またルリイロデイズを完成させるためにクラウドファンディングの実施が必須となる。
つまり「ハイリスク・ローリターン」になる危険性だって十分にはらんでいました。
しかし、先方とよくよく話し合った末に挑戦することを決意。かくしてルリイロデイズプロジェクトが始まりました。
ルリイロデイズができるまで
今から話をしていくにあたって、ゲーム自体が2020年秋にリリースされたものなので、イメージがほぼない読者の方も大勢いらっしゃると思います。
実はこのゲーム、企画原案のバッキーさんが設立したチャンネルにOPムービーがアップされているんです。
1分57秒、お時間をください。
そして視聴を終えた時に「気になる」と思えたら本記事を読んでください。
それでは、お話を始めて行きましょう。
最後に公式HPを掲載するので、よければそちらもご覧ください。そして欲を言えば、ぜひプレイしてみてください。
クラウドファンディング
プロジェクトページはこちら。
目標金額は100万円でスタートしたこのプロジェクト、最終的には1257万円の支援を受けて無事終了となりました。
ストレッチゴールは300万円、500万円、800万円で設定されていましたがすべて達成。
当時のファンの期待度の高さが現れた結果だと思います。
《ルリイロデイズあらすじ》
ここは、日本のとある田舎。
忍者とその主君である主を養成する”織神学園(おりがみがくえん)”がある。ここにやってきたごく平凡な少年のあなたは、
入学した直後、学園のルールによって忍者である朝ノ瑠璃とペアになる。
朝ノ瑠璃の妹、朝ノ茜や個性豊かな周りの仲間に助けられながら、
学園の模範となる存在『筆頭』になるべく努力するのだった。
このゲームが目指したのは「VTuberの実在性」。
いつも応援している推しと、ファンである私たちとの人生が「ノベルゲーム」を媒介して交わる。そして「推しは確かにこの世界にいるんだ」という実感を強く持ち、より推しを好きになる。
ざっくり意訳すると「もっと私たちを好きになって欲しい!応援して欲しい!」という気持ちをありったけ込めたプロジェクトでした。
凄いぞ、瑠璃姉さんたちに「あるじくん!」って呼ばれる破壊力。
プレイして欲しいなあ。本当に。
リターンコースは2000円~25万まで。
私は10800円の「織神学園ご入学プラン」で支援しました。理由は簡単。アートブックが欲しかったからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1738055487-KRX6ezWUrSvyITFn5bOgQYPH.jpg?width=1200)
【織神学園ご入学(アートブック)プラン】
⑴サンクスメッセージ+開発レポート
⑵「ルリイロデイズ」の最速DLキー
⑶エンドクレジットへあなたのお名前を記載
⑷パッケージ版ゲーム
+
⑸ステッカー
⑹複製サイン色紙
⑺限定アートブック
このアートブックがまた豪華で凄かったです。
いかにゲームに没入できるか、学園のある土地や、舞台となった石川県の瑞々しい空気をプレイヤーが体感できるか。
細部までこだわったことが伝わってくる資料でした。
ファンの期待値を上げる
しかし、ただただクラファンを実施したところで、それが中期的~長期的にユーザーから支持されるものになるわけではありません。
クラファンの実施は本当に本当に入り口に過ぎず、クラファンの支援金で「支援して良かった」と思えるゲームをリリースする必要があります。
瑠璃姉さんがそのために実施したのは「CVの検討」と「メインキャストの演技指導配信」でした。
まず発表されたCVがこちら。
メインCV:朝ノ瑠璃 / 朝ノ茜 / 杏仁ミル / アメノセイ / 天開司
CV:朝ノノリ / コーサカ / 白上フブキ / 夏色まつり / 七瀬タク / ベルモンド・バンデラス / 海月ナギ / たみー(民安ともえ)
おそらくピンとこない方も多々いると思うのでざっくりと説明すると「当時の朝ノ姉妹ぷろじぇくとや周辺のVTuberを応援しているファンからすれば涎が出るような最高のCV陣」でした。
頼むから最後までプレイしてくれ~!!あのベルさんがラスボスのCVだぞ!?すごいぞ!?
とはいえ、この発表だけでは「この人は推しだけど、だからといってどれくらいのクオリティが担保されているか分かんないし……」というのが正直な気持ちでしょう。
分かります。私も当時はそうでした。
そこで瑠璃姉さんがファンのゲームに対する期待を上げるために行った企画が「メインキャストの演技指導配信」でした。
まあぶっちゃけた話、瑠璃姉さんが講師を務められるほどの実力があったのかと言われれば、やはりアマチュア前後ではありました。
養成所で…というよりは独学の面が多く(それでも十分凄かったのですが)、プロの声優の演技指導を想像すると物足りないでしょう。
でもこの企画で大切なのは「ああ、裏でこんなことやってるんだな」と可視化することです。
なので、ファンに期待してもらうため、そしてメインCV陣に短期間で少しでもスムーズに収録へ入ってもらうために、瑠璃姉さんは思い切ってこの配信を実行しました。
余談ですが、界隈では「俺は絶対にボイスは出しません」で定評のある司さんがメインCVになって演技指導配信に出演したため、少しでも栄養を吸おうと保証人が殺到する事態が発生しました。
でも上手いんですよ、この男。こちらだけでも聴いてください。1時間ほどの配信です。
これもあって、興味を示した人も多かったんじゃないかなと思います。
まあ、何回考えてもこの3日後に収録に放り込まれる司さん、めちゃくちゃ面白いんですけどね……収録環境にかなり限りがあったので仕方ない。
当時はまだ瑠璃姉さんも石川県の山奥でひっそりと活動していたので、諸々も含めて大変ではありました。
ゲームの完成、そしてリリース
そして2020年11月22日、ルリイロデイズは完成し、リリースに至りました。
これもひとつのお祭りとして、リリース記念キャスト限定凸待ちを実施。最後の最後まで「キャストもスタッフもファンもみんなで盛り上がろう!」という、瑠璃姉さんの気持ちがこもったものでした。
もう4年前なんだ……泣いちゃう……。
楽しさがギュッと詰まった2020年でした。ありがとう。
あなたもルリイロデイズへ
ここまで話したのはただの「経緯」です。
つまり、ルリイロデイズがどういう物語で何が推しポイントなのかについては触れずに来ました。
理由は簡単。限界化するから。
だってすっごい良いんだよ!?
朝ノ姉妹ぷろじぇくとを応援していたら1回は考えたことあるだろ!?俺君も瑠璃姉さんとあーちゃんに取り合いされたいだろ!?
取り乱しました。失礼しました。
ということで、ここからいよいよ本題に入ります。
メインヒロイン:朝ノ瑠璃
本人に言うと怒られそうですが、朝ノ瑠璃の魅力は「元気で快活だけど時折折れそうになる弱さがある」です。これ本当に怒られそうだな。
でもそれが、学生という要素も相まって最大限に表現されています。
色んな経緯があってあるじくんと瑠璃姉さんが本当の意味でバディになれるまでに少し時間がかかるのですが、そこで瑠璃姉さんの人となり、そして魅力がたくさん描かれています。
そこからはもう最高のギャルゲー!すみませんノベルゲームです。
朝ノ瑠璃のかわいいところを独り占めできる旅が始まります。紆余曲折ありますがぜひとも楽しんでください。
ダブルヒロイン:朝ノ茜
あーちゃんもあーちゃんで本当に可愛くて素敵でした。
主人公が瑠璃姉さんなのでどうしてもいわゆる「負けヒロイン」の方にはなってしまうのですが、大丈夫です。アペンドストーリーがあります。
あーちゃん派のあるじくんはそっちにも行こう。
最初は瑠璃姉さんのことを心配してあるじくんにツンケンしていたのですが、仲良くなると超幼馴染属性を出してくるので、本当に可愛いです。
プリンを延々と食べて幸せそうにしているのもチャームポイントです。
スチルがハチャメチャに可愛いので見てほしいな。
このゲーム、なんかよく分からないんですけど異様にグラフィックがいいです。
アメノセイ×杏仁ミル
すみません聞いてください。だって掛け算なんです。聞いてください。
ここ2人がとにかく可愛い。バックボーンの関係で「主君になること」「忍者になること」に思い悩んでいる2人がどんどん強く優しいバディになっていく。
本当に心打たれる物語を紡いでいる2人です。
スピンオフ作品が好きなタイプのオタクは大好きかも。
私も例に漏れずスピンオフ作品が好きなので、ルリイロデイズを楽しみつつ同時並行でアメノセイ×杏仁ミルのスピンオフ作品も遊んでいるという贅沢の限りを尽くしました。
あるじくんの親友ポジションが中性的ながら心優しくかっこいいアメノセイさん。その忍者がぽにょぽにょんとした可愛く優しい杏仁ミルさん。
いいぞ、この2人は。
教師:天開司
Vaka-Tuber企画をやっているだけあって、やっぱり教師ポジションが板につく男、天開司。
司さんを知っている人であれば一度は「こんな先生いたらなあ」と思ったことがあるのではないでしょうか?
真面目で実直、ちょっと怖いのになんか親しみやすい。彼の人柄の良さが教師という役目と相まって、最高の味に仕上がって引き出されています。
何よりシンプルに演技が上手い。昔から各種ボードゲームやTRPGを遊んで、RP(その役割を演じる)ということに親しんでいるだけあります。
天開司のいる織神学園、いかがでしょうか?
物語の広大さ
同人ノベルゲームとは思えないほど、その世界や物語は広大です。
ちょっとやったら終わるんだろうな……なんて思って始めると余裕で日が暮れます。
深く広い、瑞々しい石川県のどこか山奥の里の物語へ、ぜひとも来てください。
ダウンロードサイトはこちら。
アペンドストーリーの購入はBOOTHをご利用いただくといいかもしれません。
本編価格は3500円。DLサイトではセールも実施されています。アペンドストーリーは各500円が全部で5本。アペンド単体のプレイはできません。
実は当時、クラファンで支援したばっかりというのもあって、アペンドはまだ2本しか買ってないんですよね。買おうかな。やりたいのはやりたい。
さいごに
ルリイロデイズは朝ノ姉妹ぷろじぇくとの挑戦の軌跡のひとつであり、当時の人たちのお祭りでもありました。
VTuberコンテンツは色々なお祭りを経て今の界隈が成立しています。
未知のコンテンツだからこそ、色んなものを企画して挑戦していける。成功でも失敗でもいい。誰でもお祭りを開催できる。
そんな空気感を思い出させてくれるゲームです。
最後にルリイロデイズ公式HPをご紹介して、私の瑠璃姉さんおよびルリイロデイズの備忘録の結びとします。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。