Leica M4.
こんばんは、しぐれそうです。
年の瀬に今年のまとめのようなものを何か残せたらと思い、簡単ではありましたがモノクロ写真で一年を振り返る記事を3つ製作しました。
それと並行して、2020年が過ぎ去るその前にどうしても触れておかねばならないカメラのことがあると思い、本記事を書いてました。
内容は今年最後にお迎えした、ひょっとしたら最後のフィルムカメラになるかもしれないカメラの事と、そのファーストロール写真の紹介です。
もし良かったら読んで下さい。
Leica(ライカ) M4
今年の夏、ライカのもう一つの代名詞であるバルナックライカをお迎えしたわけですが、今回お迎えしたのはもう一つの代名詞、M型ライカの一角であるM4です。ライカでまず真っ先に思い浮かぶイメージって写真の写りとか操作性とかの前に「すごく高いカメラ」だったり「上級者向けカメラ」だったりと、なかなか一般人が敬遠しがちなイメージだと思うんです。実際に僕もその一人でしたし、お迎えした今でもそう思っています。そんなライカの中でずっと憧れと畏怖の念を抱きながら、「いつかは・・・」と一際思いを寄せてたカメラがM4でした。そんな遠い存在と思っていたM4でしたが、偶然とても程度の良い個体を見つけてしまったこと、日に日にM型ライカの相場が値上がりしていること、そして、いつかはお迎えするつもりなら、それなら今からでもいいじゃないかと変な気を起こしたこと等などが重なってしまい、この度お迎えに至ったわけであります。(この辺の文章はちょっと酔った状態で書いてます)
数あるM型ライカの中で、なぜM4なのか
M型ライカの代名詞と言ったら間違いなく原点にして頂点と名高いM3です。次に有名なのは露出計が内蔵されていて(M型ライカに露出計が内蔵されたのはM5以降)、最も実用的なフィルムライカの完成形であるM6になるのかなと思います。そんな二台を差し置いて何故M4なのか。理由は大きく3つあります。
・ブライトフレームが35mmまで内蔵されている
M4のブライトフレーム(実際に写真が写る範囲の枠)には広角側で35mm枠が内蔵されています。これは50mm特化型である先代M3にはありません。(M3の亜種に当たるM2には内蔵されています)35mm画角でスナップ写真を撮りたい勢である僕はそこが引っ掛かり、ここでM3は候補から外れました。M4以降では28mmと更に広角のフレームが登場しますが、僕がライカで写真を撮る分には35mm画角をファインダーいっぱいに切り取れるだけで必要十分と思っていました。
・M型ライカの中で一番好みなデザイン
大体はこれです。飾り気のないシンプルないかにもカメラなデザイン、そしてライカ伝統のボディ上部に刻印された"Leica ERNST LEITZ WETZLAR GERMANY"の文字。実はこの刻印はM4以降のフィルムライカでは無くなってしまいます。M3この刻印がどうしてもあるライカが欲しかったのです。洗練されたボディと伝統ある最後の刻印の入ったM4は控えめに言って最高です。ちなみに後のデジタルM型ライカはこのM4がモチーフにされていると言われ、それだけ完成されたデザインだったことがうかがえます。
・完成されたM4の操作性
M4以降のM型ライカではフィルム装填が通称「ラピッドローディングシステム」と呼ばれる機構になり、これまでフィルムをスプールに取り付けてからカメラ内にセットしなければならなかったのが、M4からはダイレクトにフィルムをカメラ内にセットできるようになりました。バルナックライカでフィルムをスプールに取り付けて~・・・の一連の動作を経験していた後だったので、M4のフィルム装填は非常に楽でびっくりしました。そしてもう一つがこれまでノブ式だったフィルムの巻き上げがクランク式になった点です。ノブ式の巻き上げはこれも同じくバルナックライカで経験済みだったので改めてクランク式での巻き上げが楽だなと再認識しました。誤解のないように補足すると僕はフィルム装填もノブでぐるぐる巻きあげるのもカメラ触ってる感あって好きです。ただ、M型ライカを使うなら操作性が完成形に近づいたM4以降が良いなと思っていました。
大体上記理由の全てが合致したのがM4であったわけです。
M4で撮影した写真
実際にM4で撮影したファーストロール写真をお見せします。レンズは以前紹介したC Sonnar T* 50mm F1.5 ZM、フィルムはkodak GOLD200です。
35mmで撮りたいと言っておいて50mmで撮ってるじゃんって突っ込まれそうですが(笑)いつかはズミクロン35mmF2で撮っていきたいと思っていて、ズミクロン(できれば新品)をお迎えできるほど軍資金が貯まるまでは純正以外のレンズでM4に慣れていこうと考えています。今後は貧乏ライカ使いとしてズミクロン購入までコツコツお金を貯めていきます。貯まるかな。
それと、なぜM4なのかの理由にフィルム装填が楽と書きましたが、実はこのファーストロール前に、フィルムがしっかりスプールに巻きついていない状態で空ショットし続けていることに気づかずフィルム1本を駄目にするという痛恨のミスをやらかしてます。これはM4が悪いわけでは決してなくて、僕のフィルム取り付けが悪かったことと、巻き上げた際に巻き上げクランクが連動して動いているかの確認を怠ったためでした。いや、気づいたときは本当にショックでその日は泣き寝入りしてました。あの時のあのショットが・・とかね、本当に悔しかったです。今は、二度とこのようなミスの無いようにその時の何も写っていないネガとその時撮ったであろう景色を胸に刻んで戒め代わりにしてます。まあ人間だから失敗はあるよねってあまり深くは考えないようにしてます(笑)
実際にM4で写真を撮った感想としては、ただただ至ってシンプルなカメラだなといったところでしょうか。決してブランド名だけでお高くとまったわけではなく、本当にカメラの基本というか、どこまで言ってもただのカメラです。結局ライカを選ぶ理由って、囁くようなシャッター音が気持ちよかったりとか、見たままの景色をそのまま切り取れたような感覚とか、指で触れた感触とか、そんな感覚的な部分でしかないのかもしれません。M4をお迎えする代償として経済的にかなり無理してしまったけど、それでも僕はこのカメラが気に入ったし、これからもM4でどんどん写真を撮っていきたいと思いました。
正直、自分なんかがライカを語っていいものかとも思ったけど、あくまで僕個人の感想、記録ですのでモノ申したい部分もあるかもしれませんが、どうかご了承ください。
・・・あと、最後のカメラになるかは来年になってみないとわかりませんね(笑)そう、未来のことなんて誰にも分らないのだから。
ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。 しぐれそう