応募を集めることが採用ではない
企業と採用の話をすると、「まずは多く応募を集めてくれ!」と言われることが多くあります
「辞退が多いから人に会うためにもたくさん応募を集めないといけない」
「いい人を選ぶためにも選択肢は多くないといけない」
「自分が担当するのは集客の部門だから応募数で評価される」
といった理由が根底にあるのですが、
「それって本質的じゃないな」って思ってます。
なぜなら、
採用の目的は活躍する人を採用することだから
どれだけ応募を集めても採用ができなければ意味がないんです。
もちろん、事業の成長スピードが早くて大量に採用をしなければならないと言った背景があるのはわかります。
ですが、その上で伝えたいのは、
いい人を採用する仕組みを作ることをが大切である
ということです。
これを忘れて応募数にだけ固執をしても採用活動はうまくいきません。
いい人を採用するために考えるべき要素
自社で活躍する人はどういう人なのか?
絶対に必要な能力ってなんなのか?
活躍してもらうための育成体制は整っているか?
入社してもらうための自社の魅力はあるのか?
適切な選考フローはつくれているのか?
どうやったら転職者に認知されるか?
この6つが揃って採用ってうまくいきます。
「応募を集める」というのは「どうやったら転職者に認知されるか?」といういい人を採用するために考えるべき要素の1つに過ぎません。
教育体制を整えたり、自社の魅力を上げたりすることは時間や労力がかかるもの。対して応募を集めることは求人広告に投資をすれば他の要素よりも効果が出やすいのは事実です。
だから「応募を集めないと!」という思考に陥ってしまうことも理解はできるのですが、それでは採用がうまくいきません。
問題として考えているのと考えていないのでは大違い。
自社の状態を理解した上で、今やるべき対策として応募数の確保を掲げるのと、考えずに「応募数が大切だ!」と広告費に予算を投下するだけなのは明確な差があります。
とくに3と4に関しては、育成プログラムを作ったり、事業内容を見直したり福利厚生を整えたりと、すぐに完璧にはなりません。
ですが、だからといって考えなくていいものではないのです。
最低でも適切な状態が保てているかを考え、社内で発信をしていくことが大切です。
応募を集めることが採用ではありません。
活躍する人を獲得するのが採用です。
人事の仕事は採用をすることだけではありません。
人材を獲得し社内で活躍定着させるのも大切な仕事です。
会社の規模が大きくなればなるほどそこまで考えられるケースは多くないかもしれませんが、現状を把握した上で経営者に進言することも大切な仕事です。
応募数にだけこだわる採用活動はやめましょう。