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そうだ、映画に行こう➂

「関心領域」を観た次の週、もう一本観たい映画があったので観に行きました。

「WATCHERS」です。

シャマラン監督の娘さんである、イシャナ・ナイト・シャマラン監督のデビュー作。

シャマラン監督もプロデューサーとして名を連ねています。

もはや乗りかかった船だな…。
ということで、第二次シャマラン映画ブームが来ているうちに勇気を出して観てみました。

地図にない森に迷い込んだ主人公が、見知らぬ男女とともに鏡張りの部屋に閉じ込められ、謎の存在に毎晩監視される…。
謎の存在とは一体何なのか、何のために監視するのだろうか…。
というような触れ込みだったので、むかーし深夜にテレビでたまたま観てしまいトラウマになった映画「CUBE」のように何者かが常にカメラで監視しているイメージだったのですが…全然違いました。

もちろんシャマラン監督の美学なのか、今回もグロテスクなシーンはほとんどありません。
雰囲気と役者さんの演技で怖がらせるタイプのホラーです。

ホラーなんですが…

ファンタジーです。
驚きました。

ま、まさかシャマラン監督がまだ娘たちが幼かった頃に「レディインザウォーター」の原案を聞かせてあげていたからなのか!?
なんてこった!
…と思ったのですが、アイルランドの小説家A.M.シャインという方の有名作が原作ということを後から知りました。
なるほど、それでこの場所この配役なのねと納得。 
(良かった…英才教育のお陰じゃなかった…)

とにかくダコタ・ファニングの存在感が凄い映画。
シャマラン監督の映画はいつも俳優陣が実力派ばかりで、そこは本当に信頼しているんです。
(…むしろ一体どうやってOKしてもらってるんだろう?マーク・ウォールバーグはもう絶対出てくれないだろうな…とか思うけれど…)

今作のキャストも実力のある人ばかり。
特にオリバー・フィネガンの怪演はハマり役だった。

時折挟まれる語りや、セリフに感じられるポエムっぽさがシャマラン味を感じるどころかさらに凝縮したようで、そこがとりわけイシャナ監督の個性を強く感じた部分でした。
(さすがにインコに対してそんな独り言はいわんやろ!とかいうツッコミはしてはいけない。ポエムなのだ。哲学なのだ。)

構成としてはエンディングになりそうで実はまだ続きがあって…と、二転三転するというのがシャマラン監督とはかなり異なっていたのが印象的でした。
タイプの違う“裏切り方”ですね。

ストーリーの謎である
《なぜ森の中にこの建物が存在するのか?この建物は何なのか?》
《謎の存在とは一体何なのか?》
についてはしっかり描かれています。

オチというとちょっと違う感じもあるのですが、答えはあります。
(ちょっと無茶なとこはありますが…)

ダコタを何役も使いすぎでは?とも思いましたが、
この映画のテーマはまさに「鏡」なんだと気づきました。
そういう意味でもあったんだ、と。
(実は、今これ書いてて気づいたんですがね…。)

よくよく考えると、現代におけるホラーとも思えるような現実に対するメッセージも含まれてる感じもするんですよね。
リアリティーショーだとか“謎の存在”の特性とか…。

含まれたメッセージのアピール度は控えめでしたが、イシャナ監督なりの想いがあって作られていることを感じられたし、ちゃんと謎に対する答えもあったので、個人的には楽しめた作品でした。
イシャナ監督が今後どういった作品を作っていくのか楽しみです。

ちなみに私は、ダコタ・ファニングの存在感が凄すぎてダコタロスなので、まだ観てないシャマラン監督の映画を一通り観終わったらダコタを追いかけてみます。
例によって謎の女っぽさもありますし。

私の中に第一次ダコタ・ファニングブームが到来した。


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