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SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを試してみました

SIGMA社員が独断と偏見でSIGMA製品への思いを語るコーナーです。
今回はプロサポート担当が、現在発売中の新製品90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを試してみました。

今日の当番|TK

こんにちは。プロサポートを担当しているTKです。今回はミラーレス専用のIシリーズ90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをテストいたしましたのでご紹介します。

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このレンズの一番の特徴は手のひらにすっぽり収まるほど超コンパクトなサイズ感で、フルサイズミラーレスカメラで世界最小・最軽量のSIGMA fpシリーズと組み合わせると、フルサイズとは思えないほど小さな撮影システムになります。90mmの焦点距離を考えると驚きの小ささですね。

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90mmはあまり馴染みのない焦点距離かもしれませんが、当社では1988年にMACRO 90mm F2.8という1:2のマクロ撮影ができるコンパクトな中望遠マクロレンズを発売していました。付属のライフサイズアタッチメントを使用すると等倍撮影ができる仕様のため、とてもコンパクトな上にボケが綺麗だったので、よく活用していました。そのような経緯もあり個人的にはとても思い入れのある焦点距離なので、このレンズの話を聞いた時には一人で盛り上がっていました。

レンズの特徴については代表の山木によるプレゼンテーションでご紹介していますので、ぜひこちらの動画も併せてご覧ください。


実写テスト

まずは、ボケのテストを行うため、90mm F2.8 DG DN | Contemporaryを付けたSIGMA fp Lを持って、いつもSIGMA広報部をご覧いただいている皆様にはおなじみの場所に向かいました。

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これまでは35mmなど広角レンズでの撮影が多かったので、この圧縮効果と画角の狭さは新鮮で、中望遠レンズで撮影している実感がわいてきます。このレンズも他のIシリーズ同様に、ピントの合ったところはシャープながらボケを柔らかく描写してくれるので、ポートレートはもちろん風景やスナップなどにも万能に使えるポテンシャルの高いレンズであることが分かります。

画角と開放のボケのイメージがつかめたので、次に絞りによるボケの変化を見てみました。

ボケ比較_2

ピントを右手前の木に合わせ(およそ2mの距離)開放から徐々に絞っていきました。絞りは上段の左からF2.8、F4、中段はF5.6、F8、下段はF11、F16です。撮影距離と被写体との距離によってイメージは変わってしまいますが、撮影の参考にしてみてください。絞ることで被写界深度は深くなりますが、中望遠レンズの特性上パンフォーカスを得るのは難しいので、むやみに絞るよりもイメージにあった絞りをまず選択して撮影するのが良いと思います。ちなみに個人的におすすめの絞り値は深度とボケ量のバランスがとれたF4ですが、このレンズは開放からシャープなので、まずは開放で撮影して、イメージに合った背景になるまで段々と絞っていって最良の絞りを選択するといった方法も良いと思います。

定点撮影はこのくらいにして、早速撮影をしてみたいと思います。

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裏側の葉脈が印象的だったので、葉を透かして撮影しました。ここで絞ると何の変哲もない写真になってしまうので、絞りはもちろん開放のF2.8。背景にある屋根瓦の反射の連なりが印象的でお気に入りの1枚です。こういったシーンでは、フレアやゴーストが気になるものですが、そういったことも気にせずイメージ通りの撮影ができるのもこのレンズの魅力のひとつと言えます。

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90mmらしさを活かして開放のF2.8で撮影しました。中望遠レンズは風景の一部分を切り取ることができるので、背景を整理しやすいという特性があり、それを活かしながら被写体と背景の色のバランスを取ることで印象的な写真になります。

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公園ではおなじみの水飲み場です。普段気にも留めませんが、このレンズの影響か急に撮ってみたくなりました。蛇口をひねると噴水のように出てくる水をシャッタースピード1/2000秒で止めてみました。背景をシンプルにするため絞りは開放F2.8、ガラス細工のような水の表情が面白い1枚になりました。

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ハスの花の季節はとっくに終わっていましたが、水滴が溜まったハスの葉を見つけましたので撮影しました。定番の中の定番ですが、拡大してみると水滴の泡が面白い表情を見せてくれました。ハスは花や葉、花托、乾燥した褐色の花托と季節ごとに楽しむことができるので、毎年多くの人が撮影している植物ですね。

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一部の葉が枯れているので普段なら見送ってしまいますが、無数の水滴のおかげで一気に魅力的な被写体になっていて思わず撮影しました。枯れた葉が良いアクセントになって真ん中の青い葉が引き立っています。

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見ごろぎりぎりでしたがヒガンバナを撮影できました。絞りはF4を選択し、被写界深度を少しだけ深くして花の形を整え、ボケの中にヒガンバナの群生を入れることで奥行き感を出しました。

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ヒガンバナを上から撮れる場所を見つけたので、背景とのバランスを取りながら花に近づいて撮影しました。葉っぱのディテールを少し出したかったので、絞りはF4に。花の朱色と背景の緑、雄しべの黄色がまるで花火のような姿を見せてくれました。

このレンズのもう一つの嬉しい特徴として最短撮影距離が50cmと被写体に寄れる事があります。単焦点レンズの最短撮影距離は「焦点距離cm」とも言われていますので、一般的な中望遠レンズに比べてかなり短いことが分かります。実際に撮影してみると、被写体に寄れる楽しさを感じていただけると思います。ちなみに50cmまで寄った時の最大撮影倍率は1:5なので、ちょうど文庫本を画面に目いっぱい写すことができる大きさになります。

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早速、被写体に50cmまで寄って撮影。イメージ通りの印象的な写真になりました。中望遠レンズならではの、被写体を大きく捉えながら写る範囲を狭くできる特性を活かすことで、被写体を際立出せたクローズアップ撮影ができます。

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明け方に雨が降っていたようで、葉っぱに水滴が付いているのを見つけました。水滴がキレイで印象的だったので、ぎりぎりまで近づいてみました。開放の被写界深度の浅さと望遠の圧縮効果と相まって狙い通りに撮ることができました。スタンダードでは少し緑が濃すぎたので、SIGMA fp Lのカラーモードをパウダーブルーに変更して、目に優しい緑にしています。

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このつる性の葉っぱに最大限近づいて撮影しましたが、最短で撮影しても葉脈をしっかり解像してくれるので、近づくのが楽しくなります。絞りを開放にして背景に木漏れ日を入れることで、何でもない葉っぱがドラマチックになりました。この写真からもわかるように、50cmまで寄って開放で撮影すると被写界深度が浅すぎてピントが合って見える幅がほとんどないので、撮影には細心の注意を払う必要があります。

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雑草に埋もれていたシダの葉の一部に陽があたって印象的な雰囲気を醸し出していたので撮影しました。50cmまで寄ることにはまっていましたが、シダの葉のアップではつまらないので、80cmぐらいまで離れて木漏れ日も入れました。葉脈をしっかり写すために絞りはF4.5を選択しています。

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50cmまで寄ることが楽しくて何にでも寄っていた試し初めの頃に撮影したタカサゴユリの写真。何とも不思議な雰囲気のあるお気に入りの1枚です。寄れる楽しさを感じていただけると嬉しいです。

おわりに

今回はSIGMA fp LにSIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをつけて撮影をしながら歩き回りましたが、レンズがとても小さく、重さもレンズ単体で295gと軽量なので、全く疲れを感じずに撮影できました。機会があればぜひ手に取ってその小ささを実感していただきたいと思います。

新しくIシリーズに加わった中望遠のSIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryはピントがあったところは解像感が高く、一方で柔らかいボケの特性を持ち、最短撮影距離も50cmと被写体に迫ることができる特徴のあるレンズに仕上がっています。中望遠レンズの入門用としてはもちろんの事、末長くお使いいただける1本としてお勧めしたい製品です。この秋の紅葉の撮影に、SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryをぜひご検討ください。

今回使用した機材



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