トヨタ 新型クラウン ワールドプレミア 感想とまとめ これは乗ってみたい!
2022年7月15日
トヨタより、「ワールドプレミア」と称された新型クラウンの発表会がありました。
前日から「クラウンがSUVに?」という報道が。
どうやらクラウンがモデルチェンジするらしい。
そこまで興味はなかったのですが、いざ蓋を開けてみると、なんと4車種のクラウンが!
セダンもSUVもある。フロントグリルも大胆に刷新されてアグレッシブなルックスに。
これはすごい!カッコいい!!
生まれて初めて、「このクラウン、乗りたい!」と思ってしまった!!
新車発表の記事を読んで興味を持ち、Youtubeで公開された「ワールドプレミア」と称された新車発表会を見ました。
流石はいくつもの印象的なプレゼンを披露してきた「モリゾウさん」こと豊田社長。
今回も印象に残るプレゼンでした。
日本の自動車業界にとっても大きな出来事。
そんなワールドプレミアを振り返ってみたいと思います。
クラウンとは?
長年トヨタの「代名詞」とも言うべき、最高級セダン。
いわゆる、「おじさんカー」です。ちょっとお金を持ってそうなおじさんがよく乗ってるセダン、のイメージ。
今でも街中でよく見るほどです。
各社とも高級セダンが淘汰されてゆく中、何故トヨタはクラウンにこだわるのでしょう? それは、「国産車第1号」を生み出したトヨタのプライドではないか、と思うのです。
発表会の会場入り口には、歴代クラウンの展示が。
初代から、最近の15代まで。全て保存されていますし、その全てを会場に持ち込む力の入れよう。
発表会が始まると、豊田社長が姿を表します。
いつもの、両手を大きく広げて語るスタイルから最初に語られたのは、「クラウンの歴史」。
初代~3代目までの黎明期。歴代主査のエピソードと共に紹介されました。 「いいと思ったものは、周囲に反対されてもやる」 クラウンは常に最新技術を取り入れ、お客様に喜んでもらうための挑戦の歴史だったのです。
その後も、「白いクラウン」「いつかはクラウン」という言葉が時代を彩ってゆく。
歴史と共に、クラウンはトヨタのフラッグシップであり続けました。
私が印象に残っているのは、クラウンマジェスタ。
9代目に登場した、クラウンの上位グレード。 その上に「セルシオ」と言う最高級グレードの車もありました。
今考えてみると、高級セダンだけで何種類もあったダイナミックな時代。
「アリスト」や「ウィンダム」懐かしいですね。
バブルの頃はセダンが当たり前だったのに、今やクルマを持つのも難しい時代へ。
そして、「私立探偵 濱マイク」でも登場した2代目。 永瀬正敏さんが乗る姿がカッコよかった。 Amazon Primeで全話配信開始したらしいので、じっくり堪能せねば。
そんな中、クラウンは今回で16代目。
徳川幕府に例え「15代の先は、明治維新」と位置付けた新しいクラウンとは…??
4車種に生まれ変わったクラウン
豊田社長が両手を大きく広げて「新しい時代の幕開けです!」と叫ぶ。
すると、バックのビジョンが大きく割れ、その中から真新しい4台のクルマが。
新しいクラウンは、なんと4車種になっていました!
開発を担当した「ミッドサイズ ビークルカンパニー」の中嶋プレジデントが登壇。
クラウン開発のいきさつを話してくれました。
最初、今のモデルのマイナーチェンジを社長へ提案したところ、「本当にこれでクラウンが進化できるのか?もっと本気でクラウンを考えてみないか?」と言われたといいます。
ここから、2年という新型クラウンの開発が始まりました。
「クラウンとは何か?」
歴代主査の言葉から学び、開発チームは一から「クラウン」と向き合う。
そして出た答えが、「クロスオーバー」と言う車種でした。
改めて中嶋プレジデントが4車種を紹介。
セダンとSUVとの融合「クロスオーバー」
クラウンの名を冠したスポーツSUV「スポーツ」
王道の「セダン」
気品のあるSUV「エステート」
クラウンから初めてSUVが登場。
でも、ちゃんとセダンもある。
それでも目を引くのが、クロスオーバー。
セダンのボディに大径のタイヤ。デザインも一見クラウンらしからぬルックス。
カラーもツートンで斬新。今までのクラウンは白か黒ぐらいしか見た事がありません。
2年という開発期間を経て、最初にクロスオーバーが形となりました。
普通ならもっと時間がかかる開発期間を短くし、新しい発想で4車種を生み出すことができたのは、「カンパニー制」「TNGA」があったから、と強調。
気になったので調べてみました。
「カンパニー制」とは、会社内に分野ごとの「会社」を複数立ち上げるイメージ。 各カンパニーには「社長」とも言うべきプレジデントがいて、独立採算制。 しかし、独立していてもトヨタに属している形。 これにより、意思決定がスムーズになり、新型クラウンの開発に寄与したのです。
そして「TNGA」。
ケンコバさんの顔が思い浮かぶような名前ですが、そうではありません。 」「Toyota New Global Architecture」の略です。
豊田社長の「もっと楽しいクルマを」の号令の元、パワーユニット、シャシーを新たに設計し、シリーズ化させたプロジェクト。 4代目プリウスから採用され、今や数多くのトヨタ車で採用、ヒットを生み出しています。
新しい組織、新しいクルマ開発の潮流が生み出した新型クラウン。
しかしクロスオーバーを豊田社長にプレゼンした時、もうひとつ宿題を出されたといいます。
「セダン」を見つめ直す
クロスオーバーを生み出した上で豊田社長が問いかけたのは「セダンも考えてみないか?」。
既に国産メーカーでもセダンの市場はほぼありません。
街中で見るセダンと言えば、メルセデスやBMW、アウディといったドイツ車ばかり。
昔は車といえばセダンでしたが、今は軽自動車がよく売れる中、家族連れにはワゴンだったり、1〜2名で乗るならコンパクトカー、といった情勢。
しかし、社長は「セダンを」と言う。
中嶋プレジデントは、原点を見つめ直し、ここまでクラウンと向き合って進化させたのだから、ここは敢えてセダンも作ってみないか?というメッセージと受け取ったそうです。
そして開発チームが作り上げたのは、セダンを含む3車種でした。
セダンを見つめ直した結果、さらに増えるであろう顧客のニーズに応えるのなら、セダンだけではなく、ワゴンやSUVも作ろう!という結論に達したとのこと。
社長からも「面白いね」と太鼓判を押され、晴れて新時代のクラウンが陽の目を見ることになったのです。
新型クラウンは、クロスオーバーを皮切りに、1年半ほどかけて4車種を市場に送り込むとのこと。
最後に、豊田社長はこのクラウンを40カ国で販売する計画を発表。
今まで海外で売ってこなかったことに驚きですが、このデザインなら海外ユーザーのニーズにも応えられそうです。
「ワールドプレミア」と称されたのは、このためだったのですね。
時代に合ったラインナップを
質疑応答で真っ先に質問が上がったのが、カーボンニュートラルへの課題。
カーボンニュートラルを推し進める中、パワートレインに変化は見られるか?との質問でした。
発表になったクロスオーバーのパワートレインは、ハイブリッドシステムを軸に、リアにもモーターを取り付けた「電動4駆」。初めて搭載された新しいパワーユニットです。
しかし、トヨタにはすでに発売している「MIRAI」の燃料電池車、「bZ4X」を初めてとして今度さらに出てくるであろうBEV(電気自動車)、そしてプラグインハイブリッド(PHEV)もある。
現在スーパー耐久というレースの場で鍛えている水素エンジンも。
先日、水素エンジン搭載車の市販へ向けて開発がスタートしている、という発表もあり、コンセプトカーも展示されました。
この質問の答えは、今後国や地域ごとのニーズに合ったパワートレインを搭載していく、というものでした。
この国にはBEVを、この国には水素技術を使った車を、この国にはハイブリッドを…といった、その国やお客様のニーズに合わせてパワートレインを決定してゆくそうです。
クラウンスポーツの車体は、実は先日行われたBEVの発表会にもその姿がありました。
共通シャシーで別々のパワートレインを搭載するのか?クラウンスポーツ自体がBEVで登場するのか?それは今後明らかになることでしょう。
また、セダンはMIRAIと形が酷似している箇所もある。ひょっとすると、リアに水素タンクを搭載できるスペースを残しているかもしれない。
開発が進めば、水素エンジンとのハイブリッドも考えられる…などなど、これからの楽しみは尽きませんね。
豊田章男個人として、今はモータースポーツに出さない
さらなる質問に、「クラウンにもGRシリーズのようなモデルを出し、モータースポーツに打って出る考えはないか?」というものがありました。
豊田社長の回答は、今はそこまで考えていない、というものでした。
社長には4つの顔があります。トヨタ社長、自工会会長、モリゾウ、そして豊田章男氏個人。 今回は、個人として楽しむ車にしたい。フォーマルやカジュアル問わずに乗って楽しめる車にしたい。従って、モータースポーツは現時点として考えていない、とのこと。
しかし、この会社は社長の言うことを聞かないので、今後はどうなっているかは今は分かりません、とのことでした。
流石に今までもクラウンはモータースポーツに挑戦する車のイメージではありませんでした。
でもあの斬新なフォルムでサーキットに現れたら面白いかもしれない。
ただ、同時にGRブランドのエアロパーツは販売されるようなので、よりスポーティなルックスを求めるならエアロを変えるのもいいかもしれませんね。
クロスオーバーに乗ってみたい!
最近のトヨタを象徴するようなワールドプレミアでしたが、いつ聴いても豊田社長のプレゼンは素晴らしい。
話し方もアピールの仕方も上手。何より楽しそうに話すので、こちらも惹き込まれてしまいます。
そんな豊田社長から発表された、16代目のクラウン。
私は、クロスオーバーに心惹かれてしまいました。
元々、SUVにあまり興味が持てないのです。
ヤリスかヤリスクロス、どちらがいいか?と聞かれると、ヤリスの方を選んでしまう。
(予算が許せば、もちろんGRヤリスなんですが)
なので、クラウンがSUVになってしまうのも時代の流れなのかな?ぐらいにしか思っていませんでした。
クロスオーバーはその予想を大きく覆し、より新鮮に、スタイリッシュに見えました。
ボディはセダンに近いのに、大径タイヤが新たな魅力を引き出している。
デザインは、クールなフロント周りから、リアも今までのトヨタ車になかったクールさと柔らかさを併せ持つスタイル。
高級車なので、内装も今まで通りの豪華さ。
あれだけスポーティーなルックスなのに、内装はしっかり革張りのシートが搭載されているのが魅力的。
正にフォーマルでも、カジュアルでも似合うスタイリングです。
そして、魅力的なのが、2.4Lターボエンジンと6速ATの組み合わせの上に、後輪も駆動する新しいハイブリッドシステム。
走りのスムーズさに加え、パドルシフトを使ったスポーティな走りも楽しめる。
思わずロングドライブに出かけてみたくなるパッケージ。
かつて「そろそろ落ち着いた車を…」と考え始めるであろう年齢になった今、こんな魅力的なクルマが登場するとは思いもよりませんでした。
まず試乗でもいいから一度乗ってみたいですね。
ただ、2.4Lターボの最高級グレードがおよそ700万円。
「車のサブスク」KINTOでも、月々9万円ほどからだそうです…。
これは、夢のまた夢かなぁ…。
ワールドプレミアの模様は、このサイトで見ることができます。
私も見た動画はもちろん、プレゼンテーションの書き起こしや、画像も満載。
クラウン初公開のニュースページでは、より詳しい情報が。
クラウン クロスオーバーの乗車インプレッション動画。
細かいルックスや走りのダイナミックさを見ることができます。
タイトル画像は、ワールドプレミア動画より使用させていただきました。
豊田社長が手を伸ばす後ろに、新しい4台のクラウン。
「日本のクラウン、ここにあり」トヨタのフラッグシップとしての自信と期待が込められています。
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