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【第5~6話】アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」感想とまとめ

2023年6月~9月まで放送された、アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」。

毎週楽しみに観て、感想とまとめを書いていましたが、記事が追いつく間もなく放送が終わってしまいました。

べ、別に、書くのに飽きた、とか、つまらなくなってやめた、というわけではありませんよ!
ほかに書くこともたくさんあったので、少しの間お休みしていました。

気づけばもう11月。
来月になると、物語の世界観を魅せてくれるライブ「幻日のヨハネ -The Story of the Sound of Heart-」が開催されます。
ライブに向けて、ここから全話振り返りを再開します。

ただ、1話ずつ丁寧に振り返るとライブまで間に合わなくなるので、数話ずつまとめて振り返ろうと思います。

さて、トカイからヌマヅに帰って占いの館を開いたヨハネでしたが、次々と新しい仲間との出会いがありました。
空飛ぶメッセンジャー、ヨウと、リサイクル・クイーン、カナン。
彼女たちと協力して公園のブランコを新たに蘇らせる中で、仲間との絆を深め、あらたな経験を積んでいくヨハネ。

そんな中で、ワーシマー島で知り合ったマリや、ヌマヅにやってきた動物学者リコとも、新たな関係性を築くことになりそうです。

第5話 まおうのひみつ

マリが島から出ない理由

「私、トカイに行こうと思うの」
「トカイでビッグになって…」
「なんで、喜んでくれないの…?ライラプス…」
ライラプスが見下ろす先、ヨハネが目を覚ます。
夢を見ていたようだ…。

この日も占いの館の仕事…というより、何でも屋の仕事に勤しむヨハネ。
そこで気になることを聞く。

ヨハネに洗濯機の修理(?)を依頼した家の子が、「変な音が聞こえる」と言って寝込んでしまっているそう。
ヌマヅの異変の音は、動物や子供たちにしか聞こえないのだった。

ヌマヅの異変を案ずるヨハネ。
「私だって、この街の住人だもの」

とそこへ、マリの使い魔ペラピーが現れた。
マリが呼んでいる、と伝えに島から飛んできたのだ。

シャトーオハラへ向かうと、マリが静かに待っていた。

マリは一冊の古文書をヨハネに見せた。
この古文書は、マリの家系に代々伝わるもの。
頭の角も、この街に何が起きているのかを察知し、警鐘を鳴らすためのものだという。

マリは、ヌマヅに起きている異変について話すためにヨハネを呼んだのだった。

「心の音が響き合い、ひとつの大きな旋律のように流れていた」

心の音がひとりひとりにあり、それがヌマヅを守っていたのかもしれない、とマリ。

ヨハネは、杖に刻まれたエンブレムも心の音と関係があるのか尋ねる。
仲間が増える度に刻印も増えていく。

「マリにも(エンブレムが)あるんじゃない?」
「無理よ」

マリの表情が暗い。
彼女は幼少期、一度だけ島を出たことがある。
その時、二度と島からは出ない、と誓ったという。
不安になると、人々の声、嫌な音が聞こえてしまう。

「こんな格好で人前に出ても、変だと思われるだけよ。みんなと同じならよかったのに…」

帰りの船の上で、マリとの会話を後悔するヨハネ。
悩むマリに何の言葉もかけてあげられなかった…。

「それって、マリちゃんの気持ちがわかるからじゃないの?」
ライラプスが語り掛ける。

「自分はどうせああだとかこうだとか、決めつけすぎなんだ」
「いつかの誰かさんみたいだね」

いじわるを返されたライラプスの言葉にハッとするヨハネ。
「いろんな人がいて、みんな違って、それでいいのに…」

心の氷を溶かすために

ヌマヅ行政局 執務長官室。
島での話をダイヤに打ち明ける。
ダイヤもワーシマー島には何度か訪れたことはあったが、マリとは会ったことがなかった。

しかし決まって、入り口にメッセージが書かれた紙が置かれていた。
それは、マリが街の声を聴き、困っていることをダイヤに伝えるためのメッセージ。
橋や遊具など、街のインフラの状況を伝えてくれることにより、街の人々の暮らしを守ることができる。


「ヨハネさんなら、マリさんの心を開いてあげられるかもしれませんね」

ブランコに乗って考え込むヨハネ。
そこへ、ヨウとカナンが声をかけてきた。

二人にもマリについて話す。
自分を変だと思い込み、自信が持てないことをなんとかしてあげたい。

二人ともその話に共感する。
普段は明るい二人でも、自分自身について思い悩んだり、それを引きずったり。
自分だけじゃない、みんなもそうなんだよ、と伝えられたらいいのに…。

「そうだよねぇ」
なぜか、ブランコの上の方から共感の声がする。
3人が見上げると…

そこには、妖精のルビィがいつの間にか3人の話を聞いていた。

「ごめんなさい!気になって、つい…」
ルビィは執務長官室でヨハネとダイヤの話をこっそり聞いていた。
あれからヨハネの後をつけてきたのだろうか?

二人ともルビィのことは街の噂で知っていた。
でも、会うのも話すのも初めて。
「ちっちゃくて、可愛い〜!」

「よかった…妖精だって言ったら、なんて言われるかドキドキしてました」
胸を撫でおろすルビィ。

実はルビィも、妖精の姿であるが故に周りからどう思われているかを知るのが怖くて閉じこもっていた。
しかし、一歩踏み出したら怖くなくなった、と話す。

二人の助言とルビィの言葉に背中を押されたヨハネ。
「私、もう少し頑張ってみる」

明日への一歩

ヨハネとライラプスは、再びワーシマー島へ。
マリは庭の噴水に佇んでいた。

ヨハネは仲間との話をマリに聞かせる。
ヨウとカナンに出会い、一緒にブランコを治して子供たちを喜ばせた話を。

「興味ないの。私には友達なんかいらない」

外見が違うだけで腫れ物を触るように扱われてしまう。
所詮、みんな他人で、自分のことばかり。

「なんでそう決めつけるの?」
ヨハネの口調が強くなる。

街のみんなはマリの事を気にかけていたし、感謝する者もいた。
しかし、幼少期の経験がトラウマになっているようで、マリの心には響かない。

「私はみんなのことを信じたい」とヨハネ。
「信じるって…すごく怖いことだよ…私にはできない…」

困った顔のペラピーを撫でながら、ヨハネが続ける。
「マリは…本当に一人なのかな?」

単身トカイへ行き、志半ばでヌマヅへ帰ってきた。
そこで、新たな仲間にたくさん出会い、楽しいことや嬉しいことがどんどん膨らんだ。
マリにもそのことをわかってほしい。友達になりたい。

自分の気持ちを伝えることに熱くなってしまい、我に帰ったヨハネ。
「マリの気持ちもあるのに…決めつけてたのは私の方だね。ごめん…」
黙ってマリの元を離れ、ライラプスと共に歩き出した。

マリは、幼少期の自分のことを思い出していた。
「マリ…マリには、聞こえているんだね」
優しい声の主は、マリの父親。
「その力はマリだけの特別な力なんだ。その力で、困っている人を助けてあげるんだよ…」

帰り道を歩くヨハネとライラプス。
みんなのこと、そして自分も同じだと言うことをうまく伝えられなかった事を後悔する。
すると…

「ヨハネ!」
マリがヨハネを呼び止めた。走って追いかけてきていたのだ。

「私は、ヨハネみたいにみんなを信じる事はできない。でも…ブランコ…一緒に見ていい?」

悩んだ末に後を追いかけてくれたマリに、ヨハネは笑顔を返す。
「うん!」


ずっとワーシマー島にひとりでいたマリが島を離れ、街へ降り立った。
もちろん、ペラピーやウミウシも一緒。
ヨハネと共にブランコに座る。



「私…ヨハネに言われて気づいたの」

人のせいにして逃げていたのは私。
悲しいことや報われない人の声を、島からずっと聞いていた。
だから、外にはいい事なんかないと思うことにした。

「やっぱり人のことはまだ少し怖いけど…私もヨハネみたいに、前に進みたい」
マリの表情が明るくなった。

ヨハネと共に商店街を歩く。
まだ表情は硬い。
街の人に声をかけられても、ヨハネの後ろに隠れるように身構えてしまう。


「大丈夫!全然大丈夫!」
マリを励ますヨハネ。
ヨハネを真似したポーズが「がんばルビィ」のようになってしまったが、その一言に少し落ち着きを取り戻す。

写真館の前に来ると、ナミとミキが声をかけてきた。

「ヨハネちゃんだ! ライラプスもいる〜!」
「あれ?お姉ちゃんは?なんで隠れてるの?」

ヨハネがマリを紹介しようとすると、店の中から声がした。
「あれ?ヨハネちゃん」
この写真館の店主、ツキが店から顔を出した。

ナミとミキは、今ではすっかり顔馴染み。
妹たちを気にかけてくれているようで、ヨハネに礼を言うツキ。

「そうだ、ヨハネちゃん、これから時間ある?ちょっとお願いがあるんだよね〜」

目の前に広がった景色

川のほとりの橋の下。
ツキが構えるカメラに、ヨハネがいつものポーズで写り込んでいる。
「ヌマヅのイマドキ女子」という写真を撮っていて、そのモデルになって欲しいと言うのだ。

そこへ、いつもの3人組がヨハネに声をかけてきた。
すっかり子供達からも慕われているヨハネ。

「そうだ!あなたも一緒にお願いできない?」
ツキがマリに声をかける。

しかし、マリの表情が暗い。
目の前で目まぐるしく状況が変わってゆく。
ただヨハネが子供達に絡まれているだけだが、マリにとっては見たこともない光景。

しかも、自分の目の前にたくさんの人が集まってくる…
動悸が早くなり、遂にはその場にうずくまってしまった。

「人の目が…声が…やっぱり怖い…」
マリを見つめる街の人の目が暗く、彼女を嘲笑しているように見えてしまう…。

「マリ、今私も目を瞑ったよ。せ〜ので開けてみない?そしたら世界が変わってる…はず」

まだ半信半疑のマリだったが、ヨハネを信じて提案に応じることにした。

「じゃあ、いくよ!せ〜のっ!」

恐る恐る目を開け、街の人の方を向くと…

人々の目は明るく、好意的にマリの姿を見ている。
表情もみんな笑顔。


「マリちゃんって、ワーシマー島のマリちゃん?」
「橋のこと、知らせてくれたって聞いたよ。ありがとう」

次々と人々から声をかけられる。
マリが思っていた印象とは180度違う光景に、笑顔がこぼれる。

その姿を逃さず、シャッターを切るツキ。
「その姿、いただきました!」
思わず顔を赤らめるマリ。
「ねぇマリちゃん、もうひとりモデルがいると助かるんだよねぇ」

ヨハネがマリの手をとり、暗い橋の下から引っ張り出した。
同じポーズをとる二人を、ツキが次々に写真に収めていく。
どの表情も明るく、今まで心を閉ざしていたマリの表情とは全く違っていた。
ヨハネが手を差し伸べてくれたおかげで、閉ざしていた心を解き放つことができた。

夕方。大きな水門の前。
二人が歩いていると、工事業者と話すダイヤとコハクの姿。
その頭上には、協力して仕事をするルビィも。

ヨハネが3人のことをマリに話すと、一緒にいたウミウシがルビィの元へ。
その姿に気づいたダイヤ。

「マリさん…ですよね。ようやくお目にかかれました」

ヨハネのことを信じていたダイヤに、驚きの表情はない。
今まで街のことを気にかけてくれた事にお礼を言う。
マリも、わざわざ島まで足を運んでくれたダイヤに今まで顔見せできなかったことを謝った。


最後にヨハネが連れ出したのは、あの切り株のステージ。
ヨハネにとっての特別な場所をマリに紹介したかった。

「私、子供の頃ずっとここで歌っていたの」
「知ってる。私、耳がいいのよ」

マリが歌って欲しいとリクエストする。
じゃあ、ちょっとだけ…と歌い始めようとしたその時…

突如として鳴り響く雷鳴。
稲妻がヨハネのステージを襲う。
平和な空気が一瞬にしてかき乱されてしまった。

「悲鳴は空をも切り裂き、天の叫びは山をも砕いた…」

第5話まとめ

心を固く閉ざしたマリが、ヨハネに手を引かれて一歩踏み出したお話。

頑なに島を出ようとしないマリに、自分の姿を重ねたヨハネ。
そんなヨハネだからこそ、マリを「外の世界」に連れ出すことができたのでした。
自分の思い込みから感じていた「他者の目の恐怖」を克服し、写真に映るマリの笑顔が印象的でした。

特筆すべきは、このお話から登場した写真館のツキ。
ラブライブ!サンシャイン!!劇場版では、物語のキーパーソンとして描かれた彼女も、ヌマヅの世界に登場してくれました。
写真館の主人という設定は、劇場版でスマホのカメラを構えた姿がよく出てきたからでしょうか。

ツキを演じる黒沢ともよさん。
「響け!ユーフォニアム」の黄前久美子や、「アイドルマスターシンデレラガールズ」のみりあちゃんで知っていましたが、ラブライブ!サンシャイン!!劇場版の公開前に書かれたブログを見て、一発でファンになってしまいました。
本当に素敵な文章で、Aqoursに対する想いが伝わってきました。

※黒沢ともよさんの公式ブログより

12月には作品は違いますが、同じステージで共演するという機会にも恵まれて、SNSで喜びの声を聴かせてくれましたね。

そして初めて描かれたマリの父親。
そのダンディーな声の主は、何と大塚明夫さん!
数々のダンディな役を演じ、最近では2代目次元大介を演じることになったばかり。
先代である小林清志さんのメッセージが印象的でした。

大塚明夫さんの役で私の中で印象深いのは、機動戦士ガンダム0083のアナベル・ガトーでしょうか。
この作品で小林清志さんとも共演していましたね。
今となっては、お二人の強い「縁」を感じます。

さて、ヨハネの歌を阻んだ大きな闇の存在が気になるところではありますが、悩みを抱えながら生活している人がもう一人いるようです。

第6話 ひとみしりのハーモニー

動物学者 リコ

闇が襲いかかる切り株のステージから安全なところまで逃げてきたヨハネたち。
不安そうな表情で、遠くから闇の方向を見つめる。

すると、木々の茂みからガサガサと音がする。
茂みから何かが飛び出してきた!

叫び声と共によく見ると…
顔を出したのは動物学者のリコ!

リコの研究棟。
以前ヨハネの占いの館に来て、ライラプスを買収しようとしていたのだが、ヨハネには名前を告げていなかった。
ここで改めて自己紹介する。

しかし、興味の先はライラプス。
すぐさまライラプスに抱きつくリコ。
ライラプスはちょっと嫌そうな表情。

島から出たばかりのマリも当然初対面。
お互い自己紹介すると、真っ先にペラピーとウミウシに注目。
珍しい生き物に目を輝かせるリコ。
当の使い魔たちは怖がってライラプスの背後に隠れてしまった。

リコは、ヌマヅの動物たちの異変を聞き、調査に訪れていたのだった。
茂みから顔を出した時も調査の最中。
調査の結果を資料にまとめていて、ヨハネたちにも見せてくれたが、実際詳しいことは何もわからないまま。

「心の音と何か関係あるのかな?」とヨハネ。
マリが心の音についてリコに詳しく説明する。

「心の音」とは、代々ヌマヅに伝わる伝承の言葉。
ヌマヅには、昔から不思議な現象が起きていた。
マリの一族はその現象を見届け、時に力を貸してきた。
その話を書物にまとめ、受け継いできたという。
ヨハネに見せたあの書物には、そのような意味があったのだ。

「リコさん、ご迷惑でなければ、ご一緒にいらっしゃいませんか?執務長官をしているダイヤさんなら、街の歴史として何か知っているかもしれません」

確かに、リコが持っている情報をダイヤに見せれば、有益な手掛かりになるかもしれない。
そしてリコにとっても調査に必要な情報が得られるはずだ。

しかし、リコはあまり乗り気ではなさそうな雰囲気。
それを見たヨハネ。

「一緒に来てくれたら、ライラプスを調べ放題です」

その一言で一瞬にして目が輝きだすリコ。
「行きます!」
驚いたのはライラプスの方だった。

異変の調査を3人で

執務長官室。
ダイヤにリコの資料を見せ、マリの「心の音」についても話す。

行政局としても、ヌマヅに次々と起こっている「異変」については重大な事案と捉えており、早急に対処すべきと考えている、と3人に話した。

しかし、危険な場所に一人で行くことは褒められない、とダイヤ。
あなたたちは大事な市民なのですよ、と長いお説教が始まってしまった。

しかし、リコは「私は…よそ者だから…」と下を向く。

ダイヤのお説教に、たまらずルビィが顔を出す。
その姿にときめいてしまったリコ!
お説教そっちのけで、「あなた、なんて可愛い生き物なの?」とルビィを追い回し始めた!

花瓶の裏に隠れたルビィが、思わずその花瓶を押してしまった。
その花瓶を受け止めきれなかったリコが、後ろに倒れ込んでしまう。
その危機を察知し、ヨハネとマリが駆け寄る。

ヨハネは見事花瓶をキャッチ。
マリはリコの背後に回って、彼女をしっかり受け止めた。
どちらも無事。ダイヤとコハクが思わず拍手する。

「3人とも、本当に仲がいいんですね」
ダイヤは思わず見せたチームプレー(?)を見込んで、単独行動は咎めるものの、3人で協力して引き続き調査してほしいとお願いしたのだった。

しかし、リコの表情は暗い。
「私…そろそろ街を出るつもりなんです」

聞けば明日街を発つという。
「こんなよそ者の私に仲良くしてくださり、ありがとうございました」

ヨハネの「最後に思い出をつくりませんか?」という提案にも、深々を頭を下げて去っていってしまった。
「思い出なんかいらない」という言葉を残して…。

その姿を見ていたマリ。
リコの気持ちも、ヨハネの気持ちもわかる気がすると語った。
角を撫で、「ここから聞こえない気持ちもあるんだね」と話す。
「これが…心の音…」

Hey, dear my friends

翌朝。
支度を整えて家を出たところに、マリが立っていた。
二人の気持ちは同じらしい。

その頃、リコも荷物をまとめているところだった。
そこへヨハネとマリが顔を出す。
出発するリコを見送ることになった。

「ちょっと寄り道しませんか?」
目的地は決めていなかったが、リコの気持ちを聞き出し、力になろうとヨハネなりに頑張った提案だった。

リコが立ち止まる。
「苦手なんです…こうやって並んで歩くのも…。私たち知り合ったばかりで友達って関係でもないし…。そもそも、私はよそ者だし…」

「私も」
暗い表情のリコに、マリが話しかける。

マリは、なんでも聞こえる角の力で街のことを知った気で、島に引きこもっていたことを話した。

でも、ヨハネが声をかけてくれた。
それが嬉しくて、本当の気持ちを言い合えた。

ヨハネも同じ。
誰にも心を開けないでいたのに、街のみんなは優しく接してくれた。

二人は、リコも自分と同じだと思い、行動した。
きっと、歩み寄って、一歩を踏み出すことができるのではないか、と。

「閉じこもっていたのは、諦めていたのは…私ですね」
リコが自分のことを話し始めた。

昔から両親の都合で引っ越しが多かった。
友達と仲良くなっても、すぐにお別れ。
いつしか、引越ししても友達を作らなくなってしまった。

ある雨の日、迷い犬を拾った。
元々動物は苦手だったが、その犬が人懐っこくて、すぐに懐いてくれた。
ようやく友達ができた、と思った。


しかし、飼い主が見つかると、やはり飼い主といた方が幸せそうに見えた。
その姿を見ると、余計に悲しくなってしまい…

本当は寂しくてたまらないのに、お別れの時を迎えるのが怖かった。

その経験の反動からなのか、動物の本をよく読むようになり、気づいたら動物の研究をするようになっていた。
研究と称して様々な場所を転々とし、人と関わらないように暮らしてきた。

でも、ヌマヅに来て、短いながらもヨハネたちと交流したことが楽しかった。
楽しくて思い出を作ってしまうと、この地を離れるときにまた悲しい思いをしなければならない。
そう思って、ヨハネたちから離れようとしたのだった。

「リコのうそつき!」
ヨハネが笑顔でリコに抱きつく。

「怒らないの?あんな嫌な態度をとったのに…」
「私たちだって同じだって言ったじゃん」
「これがリコの聞こえない気持ちだったんだね」

詳しい事情を聞き、その上でリコを受け入れようとするヨハネとマリ。
「こんな出会い方があるのなら、人見知りも悪くないね」


今まで自分の殻に閉じこもり、周りと距離をとるようにしていた3人。
それぞれの気持ちを確かめ、一歩踏み出すことで新しい関係性を築くことができた。

そんな3人それぞれの気持ちを、優しい旋律に乗せて語る「Hey, dear my friends」。

それぞれの本当の気持ちに気づくと、暗い世界が一瞬にして明るくなった。
ヨハネがマリの手を取り、塞ぎ込んでいたリコの元へ。
リコの手を取ると、リコの世界もぱっと明るくなった。

そして、3人が手を取り合い、新しい世界へのドアを開ける。

ドアの向こうには、お揃いのワンピースを着た3人。
たくさんの花に満ちた明るい世界。3人とも笑顔が溢れる。
もうあの暗い世界に帰ることはない。
新しい出会いの喜びを、穏やかなリズムと優しいメロディが彩った。

心の音を歌う者

商店街の角にあるお店の前で、カツサンドを頬張る3人。
リコが気に入っているお店を二人に紹介したのだった。

「おいしいねって誰かに言えるのって、いいね」
リコもすっかりヨハネたちの仲間入りをして、明るい表情になった。
もちろんマリも同じ。ワーシマー島では見せなかった笑顔をたくさん見せてくれた。

「こんな時、ぱーっと歌いたいんだけどな…」
だが、あの切り株のステージには闇がはびこり、もう立てそうにない。

「ヨハネが教えてくれたんだよ。自分も未来も変えられるって」

きっと歌える時がまた来る。
二人がヨハネを励ました。

「心の音が何なのかわからなかった。でもきっと、みんなの聞こえない気持ちなのかなって」
マリもこの経験を通して、初めて古文書に書いてあることを理解できた。

心の音を歌とし、それを歌い継ぎ、世界を歌声で満たす者がいる。
その歌は、多くの心と響き合い、世界を再び満たすことだろう。

恐らく、いつしかこの街では、歌う人がいなくなってしまったのだと思う。
そのために、みんなの心の音が共鳴する先がなくなり、不安が闇となって具現化してしまったのではないか。

それなら、新しい歌い手が現れれば…

一同がヨハネの方を見る。

「あの本には、その人が歌いたいと思うこと、と書いてあった。きっとその杖が、その証」

切り株のステージで歌うことで、杖を授かったヨハネ。
きっとヨハネが、心の音を歌にして歌うことができるのではないだろうか…?
そんなヨハネの姿を、意味深な眼差しで見つめるライラプス。

その話を、早速ダイヤに報告する。
ヨハネは、私の歌が役に立てるのであれば嬉しい、と。

ダイヤはマリとリコにここまで調査してくれたことに対して感謝を述べる。

「リコさんは街を出ると伺いましたが…」
「いえ…私、もう少しここにいます。学者としての私の見識がこの街のお役に立てるなら、皆さんのお手伝いをさせていただきたいです」

リコも街の一員として、ヌマヅの異変に立ち向かう決心をした。

そしてヨハネが歌うステージについては、ダイヤが用意してくれることになった。

その前に、短期間で仲間が増え、異変に立ち向かうための協力体制を取るためには、もう少しお互いの距離を縮めることが重要。

すると、ルビィが突然声を上げた。
「それなら、女子会をしよう!」

第6話まとめ

前回のマリのお話に続いて、動物学者のリコについてのお話。
自分を「よそ者」と決めつけ、誰とも交流を持たずに街から街へ移り住んでいたのは、今まで経験してきた「別れの辛さ」に対する恐れが原因でした。

同じように自分の殻に閉じこもったヨハネとマリ。
この二人だからこそリコに寄り添い、一歩を踏み出すきっかけを与えてくれました。

3人の心が通じ合うことで生まれたメロディ「Hey, dear my friends」。
二つのお話を象徴する、温かなサウンドのバラード。
12月のライブではどんなパフォーマンスを魅せてくれるのでしょうか。

最後に物語に大きく関わる重要な話が。

「心の音」とは何なのかを掴んだマリ。
かつて、心の音を歌として、歌い継いできた者がいる。
時を経て、その歌を歌う者がいなくなってしまったのではないか、と仮説を立てます。

心の音を歌う者として候補に挙がったヨハネ。
果たして、ヨハネの歌でヌマヅを救うことができるのでしょうか?

さて、ようやく9人の仲間が揃いました。
仲間同士の親睦を深めようと、ルビィが唐突に「女子会をしよう」と言い出しました。
突然の女子会フラグ。
一体どんなパーティが開かれるのでしょうか?


「沼津」と「ヌマヅ」番外編

ヨハネ、マリ、リコの絆が深まることで生まれた曲「Hey, dear my friends」。
しかし、この3人と言えばファンの間ではもうお馴染み。
ハードなロックチューンとクールでダンサブルなナンバーで見せてくれるユニット「Guilty Kiss」。

※2ndライブの公式サイトより

μ'sからの流れを受け、Aqoursでも結成初期からユニット活動を展開。
CYaRon!、AZALEAと並んで、1stライブからパフォーマンスを披露。
シリーズ初となるユニット単独公演もありました。

2ndライブはコロナ禍真っ只中。
声は出せないものの、徐々にイベントも復活し始めた時期ではありました。
是非現地参加したかったのですが、直前で感染者数が急激に増えたため、私は配信で楽しみました。

その前の1stライブは現地参加できました。
思えば、コロナ禍での自粛期間に入る前、最後に現地で見たライブでした。

ただ、Aqoursのユニットはアニメでは一度も描かれていません。
そういう意味では、この3人のユニットが唯一アニメで描かれた、と言うこともできると思います。
披露した曲も今までのギルキスとは180度違ったテイスト、というのも面白いチャレンジでした。

さて、2ndライブ以降ライブパフォーマンスを行なっていないAqoursの各ユニットですが、そんな中ものすごい発表が!

ラブライブ!シリーズのほぼ全ユニットが勢揃いし、作品の垣根を超えて同じステージでパフォーマンスするイベント「LoveLive! Series Presents ユニット甲子園 2024」の開催が決定したのです!

Aqoursのユニットはもちろん、虹ヶ咲、Liella!、蓮ノ空まで。
しかし、それだけではありません。
ライバルユニットであるSaintSnowや、SunnyPassionの名前まで!
そしてそして、Aqoursのラジオから生まれたユニット、わいわいわいも登場!
これはカウントダウンライブ、いや、ラブライブ!フェス以来の大規模なイベントではないでしょうか。

GuiltyKissをはじめとするAqoursのユニットのパフォーマンスは久しぶりですから、今から楽しみです。
個人的には、久々に3人揃ったAZALEAの姿がとても楽しみ。

もちろん、虹ヶ咲、Liella!のユニットも楽しみです。
Liella!は夏に行われたライブでユニット初見参でしたが、ぜひ生で見てみたい。
虹ヶ咲は今の所メンバーが限定されたユニットもあるようですが、ユニットライブを経て成長した姿を見せてほしい。

蓮ノ空については、実はまだ追えていません。
恐らくこのイベントで初めて見ることになると思うので、そこも楽しみのひとつ。
できれば予習しておきたいのですが、そこまで時間があるかどうか…。

ライバルユニット2組についても、幸運なことにどちらも生で見る機会に恵まれましたが、どちらも本当に久しぶりの登場。他のユニットに負けないパフォーマンスを見せてほしいですね。


さて、2話まとめての記事となりましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は、ヨハネたち9人とヌマヅの人々との日常が垣間見えるお話をまとめて語ってみようと思います。

※記事内の画像及びタイトル画像は、アニメ「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」の配信動画より使用させて頂きました。

※つづきはこちら


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