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スペインの夜遊び、Fiesta (フィエスタ)が幸せに効果絶大らしい
こんにちは、しえです!いつもご覧くださりありがとうございます!
皆さん、週末は何をして過ごしますか?家族と家でゆっくり?友達や彼氏彼女とお出かけ?一人で買い物?
私は休日は家でゆっくりとしたい派なのですが、スペインで毎週末ホームステイ先の家族から言われていた言葉があります。
¿No vas a salir esta noche? (今夜は出かけないの?)
それはもう、毎週末毎週末、ステイ先のパパママ娘はもちろん、おばあちゃんにまで言われていました。「今日は出かけないよ」というと「ちょっとそこのバルに飲みに行こう」と。私は家にいたいんだが?
今回はスペイン人たちの週末の夜の過ごし方をご紹介。陽キャなあなたにとっては天国、私のような陰の者には地獄の週末です。ぜひ、最後まで!
スペインの長すぎる夜
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¿No vas a salir esta noche?(今夜は出かけないの?)
¿Qué vas a hacer esta noche?(今夜は何をするの?)
金曜になると死ぬほど聞かれるこの言葉。「何もしない」と答えると「誰々の家でフィエスタがあるからおいでよ!」という望んでいない流れになります。
Fiesta。今となってはもうお断りしたいこのスペイン文化。パーティー、お祭りという意味のスペイン語です。人が集まれば2人でもフィエスタ。地方の大きなお祭りもフィエスタです。
スペイン人たちは金曜の夜になると決まって夜遊びを楽しむのですが、この週末の夜遊びのことをSalir de fiesta(パーティーに出かける)と表現します。
ちょっと飲みに行くくらいなら・・と思って出かけると、朝まで帰れません。夜に出かける、が死ぬほど長いんです。ほんまに。
陰キャが試した結果
初めてスペインを訪れた20歳の頃。自分で言うのもなんですが、その頃も今も私は世間一般から見て「陰キャ」と称される部類に入ります。ビビリだし。
サッカー観戦は大好きですし、スペイン旅行にも出かけますが、それは好きだからこそできること。今でも大勢の飲み会は心底苦痛ですし、お酒も好きじゃない。多くのスペイン人のようにおしゃべりではないし、社交的でもありません。
そんな私も留学して最初の頃はスペインの遊びを試さねば!と思い様々な場所へ出かけました。そりゃもう今となっては考えられないくらいのフットワークの軽さで。呼ばれたら出かけるという陽キャさながらの出席率の良さ。そして気が付きました。しんどい、と。
夜の12時に待ち合わせ
まず待ち合わせ時間からして異常。最初は聞き間違いかと思いました。
スペイン人「〇〇で12時に待ち合わせね!」
私「・・・12時?明日の昼の?」
スペイン人「今日の夜だよ」
私「・・・オッケー・・・??」
とまあ、こんな感じです。
または誰かの家に9時頃から集まって、スーパーで買った安いお酒を飲んだ後で外にお出かけ。待ち合わせにせよ、家に集まるにせよ、最終的にたどり着くのは「外に出かける」という夜遊び文化です。
夜の12時に待ち合わせをして出かけるというのはよくあることで、午前1時〜3時頃が夜遊びが一番盛り上がる時間帯。週末の夜は人だらけで、全然身の危険を感じません。山ほど歩いているし、警察ももちろんいます。
初めてスペインで夜遊びをしに出かけた時には、あまりの人の多さと騒々しさに唖然としました。夜12時やで?今。
決まった流れに飲み込まれる週末
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スペインで週末の夜、人が集まるところといえばパブなどの「お酒を飲む店」と「ディスコテカ(スペインのクラブ)」です。
普段はシャツにジーンズというカジュアルな服装が多いスペイン女性も、布面積の明らかに少ないワンピースにヒールと気合い入れまくり。ただでさえ長いまつげに山盛りマスカラを塗って、アイラインもしっかりの濃いメイクの美人が突如通りに溢れます。
そんなにおしゃれをして出かける先は、大体最初はお酒の飲めるお店。そこでたらふく飲んでからスペインのクラブ、ディスコテカという流れが定番です。陽キャそのものですね。家に集まる場合は家で飲んでからディスコテカへ直行するパターンが多いです。
途中で帰ることももちろんできるのですが、帰らない場合は朝の5時頃まで飲んで踊ってが続きます。
朝5時で解放され・・ない
ディスコテカが意外にも楽しめた陰の者は、閉店となる頃にはヘトヘトでした。やっと帰れる!と思いましたがここは陽キャの国、そうは問屋が卸さない。
お酒も残る中、というかついさっきまで飲んでいたのに、コーヒーを飲みに移動。甘いチュロスももれなく付いてきます。朝食だからって。そんなもん今食べたら胃が死ぬやろ。
コーヒーかチュロスを片手に「あのバルの店員がイケメン」「今日の服どう?」「あそこのディスコテカは選曲が良くない」「あのドラマ見てる?」など、今話さんでええやろということを聞かされ続け、やっとスペインの週末は終わります。
そして明るい空の下なんとか家にたどり着き、泥のように眠り土曜日の午前中は何もせずに終わる。この一連の流れがスペインの夜遊びの一部始終です。しんどくない?
salir de fiesta(パーティーに出かける)の利点
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スペイン人たちは先程紹介したような、賑やかな週末が大好き。もちろん若い人たちが多いのですが、年齢を重ねてもディスコテカに踊りに出かける人も一定数います。中には年齢層高めのディスコテカもある、という噂。日本にもあるのかな?
フィエスタ大好きなスペイン人たち。私からしてみるとまったく無駄な行動に思えますが、実はフィエスタに出かける利点がいくつもあると言うのです。
心理学や人間行動科学を学んだ方が大真面目に考えた「フィエスタに出かける利点」という記事や動画がいくつもあったので、それをまとめてみました。
①フィエスタは人と知り合う場所
スペイン社会において、週末にフィエスタに出かけるというのは新しい人と知り合う格好の場。人が多いからこそ、そこに新しい出会いが転がっているらしいのです。
スペインの人たちは社会性が高く、かつ寂しがり屋さんが多い。そのため他人であってもその場で出会って話をすることがとてもよくあります。昼間のバルでも一人でいたらかなりの確率で話しかけられる、というのもこの社会性の高さに起因します。スペイン語の向上を目指すならバルがおすすめ。
https://note.com/sietesiete11/n/na24cfc1ece13
人懐っこくおしゃべりなスペインの人にとって、新しい人とコミュニケーションを取るのは苦しいことではなくむしろ歓迎すべきこと。お酒も入って開放的になるフィエスタは、人と知り合う格好の場所と考えられています。
②友人との仲を深める
これは①とは似て非なるものです。スペインの人たちって知り合いは多いし他人ともすぐに打ち解けて話をするけれど、「友人」は特別な存在。
友人、家族は人生でもっとも大切なものと考える人が多く、一緒にフィエスタに出かけることで仲を深めるのだとか。長時間、お酒も入った状態で一緒に楽しく過ごそう!ということですね。
個人的には友人との仲を深めたいならもっと落ち着いたところで話せばいいのにと思いますが、これがスペイン流ということでしょう。お酒も入って第三者もたくさんいる状態で、自分の友人がどんな人なのか?を見極めようとしているのかも。
③日々のストレスを発散する
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個人的には余計にストレスたまるわ、と言いたいですが、フィエスタに出かけることは日々のストレスを発散するのにとてもよい行動なんだそうです。
特に音楽にのって体を動かすということはメンタルの健康を保つ良い方法なんだとか!ライブやコンサートに行くことでストレス値が下がるというニュースを見たことがありますが、それと同じ効果なのかもしれませんね。音楽って素晴らしい。
スペインのディスコテカは「レゲトン」が響き渡っているので心休まる場所とは言えませんが、大音量の中少しリズムに乗るだけでも結構楽しい。陰キャの私がそれなりに楽しめるのですから、陽キャにとってはそりゃ楽しいでしょう。
④幸せホルモン「エンドルフィン」が増える
ほんまかいなこれ、と思いますがしっかりと研究結果が出ているそう。フィエスタに出かけると、幸せホルモンと呼ばれる「エンドルフィン」が増えるのだそうです。
多幸感をもたらしてくれるエンドルフィン。鎮痛作用も持つエンドルフィンは楽しいと思えることをしていたり、踊ったりすると増えるホルモンなんだとか。友人たちと話をして笑ったり、一緒に踊ったりするとエンドルフィンが増え、ストレス値が減り満足感と多幸感を得られるのだそうです。
私がフィエスタを「しんどい」と感じるのは、そもそも好きなことではないからかもしれません。夜遅くても、朝早くても、サッカー見た後は楽しいもんね。勝った場合に限り。
⑤健康寿命を長くする
スペインは健康長寿の国、という記事を先日投稿したのですが、なんとその健康長寿にフィエスタが影響を与えているようです。ほんまかいな!
イギリスの人間行動学者の研究により、「15日に一度フィエスタに出かけると、9年も寿命が伸びる可能性がある」ということが分かっているのだそうです。9年!
フィエスタに出かけておしゃべりと音楽を楽しむことはメンタルの安定をもたらし、さらには病気になるリスクも減らすのだとか。健康に良いと言われるヨガや毎日のお散歩に匹敵するくらいの効果があるそうですよ。
ヨガやお散歩が健康に良いのは分かりますが、まさかの健康法フィエスタ。スペイン人すごくない?楽しんで長生きする方法を知らず知らずのうちに実践しているんですよ、この国。
体験してみる価値はあると思う
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なかなか派手な夜遊び文化を持つスペイン。フィエスタ、一度試してみる価値はあると思います。
スペインのディスコテカは無料のところも多いので、旅行に出かけた時にちょっと足を運んでみるのもいいかもしれません。出入り自由ですしね。
観光の定番であるマドリードやバルセロナはスペインでも有数の夜遊びスポットとしても知られていますので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
私は留学している期間で一生分のお酒と夜遊びを楽しみましたので、もう遠慮致します。寿命も十分伸びたと思う。知らんけど。