身体が動けるうちに動く
遠い先の事だと思う人もいるかもしれないが、私の場合は20代に経験した現象だった。
どんなに思考が働き、やりたい気持ちが湧いても身体が拒絶する。
この切なさと言ったらない。
身体が言うことを聞いてくれる状態に戻すために、仕事から離れて2週間の休みを取って旅をして自然に触れた。時間もコストもかかった。
20代での「身体が言うことを聞かない経験」から、思いついたり心惹かれたことに飛び込むことに身体が反応できるうちにやれることはやろうと思うようになった。
否が応でも老化によって再び身体が言うことを聞いてくれない現象は起こるだろうから。
今日生まれて初めてポスティングをした。
「ポスティングやってもらえますか?」と業務委託で雇われたジムのオーナーに聞かれて「NO」と言うのは簡単だった。
少しでも面倒だと心が感じたら思考はやらない理由をいくらでも挙げて身体を動かすことを瞬時に止めようとする。
一軒ずつ歩いて回り家のポストにチラシを投函する。
とても地道で面倒臭い、大変なこと。
でも本当にそうなのかわからない。
誰かから聞いた言葉からイメージしたことでしかないから。
私は「やります」と答えた。
ポストを見つけるのが意外と難しいし、ポストのデザインが色々あって入れるのにも一苦労。集合住宅があった時は感謝しながら投函した。道の両側にある家に投函する順番も工夫が必要で考えることもした。
なかなか疲れたけれど、ビタミンDと土地勘と運動した達成感を得られた。
何より自分の経験が一つ増えた。
さらにチラシをもってヨガレッスンに来てくださる人が出てきたら御の字だ。そこはあまり期待しすぎずに待つことにする。
日常の中で、やらないと決めることはとても簡単。
実際にやってみて自分に合わないからやらないのは全然アリだが、
誰かの言葉やイメージで決めつけてやらないのは勿体ない。
次にやる・やらないの選択肢を提示された時に身体が無理と言ったらもう二度とできない。
そんな風に選択肢を狭めざるを得ないことよりも、経験から生まれた判断軸で選択肢を絞る方が自分らしく生きているなと私は思う。